出会い(催眠パートその1)
注意書きは見てくれた?
今日はありがとう。これを聞いてくれているという事は、キミは私に協力してくれるということだよね
実はすごく困っていたんだ。人間の知り合いがいない私にとって、キミは私のヒーローだ
リラックスできるところで聞いて欲しい
もちろん、延期したって構わない。キミの好きな時に聞いてほしい
キミにお願いすることは、私の声を聞き続けること、私の指示に従うこと
もちろん害になることやキミの嫌なことはしないし、しなければいい。キミはいつだって選択できる
身を任せるのも、キミの自由さ。
ただ、私に心を委ねてくれれば、きっとキミが望むような、気持ちいい事が待っているはず。
キミはそれを望むかい?
それならキミは、今から語りかける言葉を、頭の中で思い描いて、イメージして欲しい。
落ち着いて、自分の楽な呼吸をして、呼吸をしやすい姿勢で、緊張がほぐれるように…
目を閉じて、晴れた空を思い浮かべよう。
青い空、白い雲、透き通った、キンと冷えた空気、風の音、まあるい太陽
想像できたかな?想像しているキミは今どこにいる?
地上で空を見ているかな?
広くて大きな空だ、地上で見上げるのはもったいないよ。近くに行って見よう。
キミは鳥だ。鳥になったと思って、大空を飛んで欲しい。
カラスでもタカでもいい。キミの体に翼を生やしたっていい。
夢や空想はキミだけのものだ、自由に空を飛んでみてほしい。
今、キミの中に空がある。キミだけの空。自由な空。
想像できたかなかな?まあ、なんとなくでいいんだ。
リラックスさせようと思っているだけだ。だからキミも適当についてきてくれ。
そう硬くならなくていい。大事なのはリラックスだ。
楽な呼吸で、緊張しないで聞いて欲しい。
海を思い浮かべて欲しい。それもとても綺麗な海。透き通っていてどこまでも見渡せる海だ。
魚や植物の天国。キミ達も昔はそこにいたんだろう?それなら簡単さ。
さあ、海の中に入ってほしい。大丈夫、キミの中の海では、呼吸が苦しくなることはない。
都合のいい話だろ?それでいいのさ。キミが望むなら、それが叶う。それが想像・空想だ。
キミ達の世界にはスキューバダイビングという遊びがあるね。
もちろん景色を楽しみたい人も居るだろうが、ふわふわと浮かんでいる事が好きな人も多い。
それはとても素晴しい体験さ。空を飛ぶような開放感より、まるで異世界にいるような現実離れした感覚が気持ちいい。
想像してみて。透き通った視界、浮遊感、海の中で呼吸をすると、吐いた息が泡となり、ボコボコと海上へ浮かんでいく。
重力から解放されたキミは、どんどん泳いでいく。足ヒレをつけたキミは、好きなところに泳いでいける。
ふと見つけた洞窟の中を、キミは進む。日のあたらない海の底はとても暗い。
ふわふわ、ふわふわと浮かびながら、洞窟の中を泳いでいくと、円形にあいた穴から光が降り注いでいる。
そこは魚の楽園。色とりどりの魚が群れをなして泳いでいる。
キミの海には何がいる?イワシの群れ、ウミガメ、イルカ、キミと一緒に泳いでくれる。
複雑な形をした岩、サンゴ礁。降り注ぐ光の雨、綺麗だね?
今、キミの中に海がある。キミだけの海。自由な海。
想像できたかな?うん、大丈夫みたいだね。キミの海から、現実に戻ってこれたかな?
肩の力を抜いて、楽な呼吸をしてほしい。寒かったら、いまのうちに毛布をかけたり、暖房を入れたりしても大丈夫。
大丈夫かな?
うん、いい感じ。期待に高ぶったキミの心も、少し落ち着いたようだ。
じゃあ、また想像してね。
今度は森林。
木々がたくさん生い茂っていて、柔らかい腐葉土の上にキミは立っている。
小鳥の鳴き声、虫のさえずり、自分より何倍も大きな木が、キミを見下ろしている。
新鮮で綺麗な空気、木漏れ日が植物を照らしている、一面の緑
風が気持ちいい、植物を揺らしながら、キミの体を優しく包む。
その森林には、大きな沼があるんだ。
澄んだ綺麗な水が一面に広がっている。
うん、上手。
キミはとても想像するのがうまいね。
これだけの説明で、キミは森林を作り出すことが出来た。
想像の中ではキミはなんでもできる。なんでも作り出すことが出来る。
それを信じてみて欲しい。
今度は宇宙、地球の外に案内するよ。
宇宙はとても広い。広くて暗い。無重力で、体の自由が聞かない。
音も無く、酸素も無い。ただ、キミはそこを漂っている。
ちょっと怖いかな?大丈夫、キミの宇宙なんだ。都合の悪い事は書き換えてしまえばいい。
無重力を楽しんでみよう。ふわふわ、ふわふわと、海に潜って居たときよりも気持ちいい。
重力からの解放、地球からの解放、そこには大きな大きな星達と、キミだけが存在している。
ふわふわと、ふわふわと、浮いている…キミの宇宙で、自由な宇宙で…
うん、いいね。キミの世界はとても綺麗だ。
これならキミに思う存分頼れるよ。
私達はね、キミたちの快楽をエネルギーにしているんだ。
だから、キミは思う存分、気持ちよくなってくれればいい。キミもそれが望みなんだろう?
キミの世界と私の世界を織り交ぜて、キミが気持ちよくなれる世界を作ろう。
そこでなら、私はキミと会える。キミが望むことを、たくさんしてあげられる。
だから、安心して、私の言う事を聞いていてくれ。
体の力は抜けたかな?
空を飛んだときのように、海に浮かんだときのように、宇宙に浮かんだときのように、
体を楽にして、力を抜いて。体を捨てて、頭だけを動かすようなイメージで。
私の世界を想像してほしい。
あたり一面の黒…広大で真っ暗な闇…
星一つ無い、さっき君が想像した宇宙よりも黒い。闇の世界。
そこにキミは浮かんでいる。何もない、どちらが上なのか下なのかわから無い。
自分の体すらわからない。それでも、キミはそこにいる。
上も下もわから無いけど、だんだんと沈むような、落ちるような感覚がする。
しなければ、していると思い込むと想像しやすいかもしれない。リラックスして、体をゆだねてほしい。
黒い黒い。その世界でキミはゆっくりと落ちていく。ゆっくりゆっくり落ちていく。
日頃の光から解放されて、真っ暗な世界では、何も考える必要は無い。
ただただ、落ちていく感覚に身をゆだねて、その浮遊感を楽しんで。
体から切り離されたキミが、ふわふわと漂っている。
ぼんやりと人の形をしているかもしれない。それが、今のキミさ。
魂だけの存在になって、闇の中を落ちていく。
ふわふわ、ふわふわ。
ふわふわ、ふわふわ。
ゆっくりと落ちていく。元のカタチを忘れながら、キミの心が落ちていく。
とても心地よい感覚。鳥の羽になったように、ふわふわ、ふわふわ落ちていく。
ここでは何も考えなくて良い。光も音もない世界で、キミは自由に漂っている。
人の感覚を失って、人の形を失って、意識だけが落ちていく。
ふわふわ、ふわふわ。
ふわふわ、ふわふわ。
怖くないよ。ここもキミの世界さ。キミが作り上げた黒の世界。
ここに、私が今から色を足していくよ。
一緒に、キミの世界を、私の世界と重ねていこう。
柔らかい土の地面がある。ベッドのようにふかふかで気持ちいい。
そこに、キミは落ちてくる。ゆっくりゆっくりと落ちて、ふわりと、仰向けで着地する。
何も無い野原で、夜、星を見ているような感覚。
深呼吸してみると、新鮮な空気が全身に行き渡って気持ちいい。
青白い光を放つ月がある。闇を照らすように、妖艶な月があたりを照らす。
薄ぼんやりと、周りの風景が浮かんでくる。
さっきの森林のように、鬱蒼と木々が生い茂っている。
ざあざあと、葉の擦れる優しい音があたりに響いている。
ここが私の世界。でも、キミの世界でもある。
キミがここまで来てくれたから、キミは私と出会える。
あの月と同じ、青白く妖艶な色をしている私は、月の魔力と、人間の快楽を餌に生きているんだ。
そう、私は人間じゃない。キミたちがモンスターと呼ぶような存在さ。
キミをとっても気持ちよくして、絶頂させて、そのエネルギーを頂こうってわけさ。
そういうモンスターの事を、サキュバスと呼んでいるみたいだけど、厳密には私はサキュバスではない。
この世界の住人はみんな、キミ達人間のエネルギーを欲しているからね。それではみんなサキュバスになってしまう。
私はね、スライムという魔物なんだ。全身が水で出来ていて、プルプルネバネバしている。
そしてとっても弱い。モンスターと言っても、人間になんて勝てない。
でもね、キミを気持ちよくするのはとても上手だよ。
魔力が溶け込んだこの体は、人間にとって頭を狂わせる媚薬になる。
この毒の体で、キミをたくさん気持ちよくしてあげる。
イヤかい?イヤなわけないよね。ここはキミの世界なんだから。
この世界に呼んだのは私だけど、私を呼んだのはキミなんだ。
キミの世界では、キミの望むことしか起こらない。そうだろう?
キミが望むから、私は人間の女性のように形を変えて、キミの隣に座っているんだ。
ほら、私はどんな姿をしている?キミが一番好きなスライムの女の子は、どんな顔で、どんな体かな?