お願い!私の生徒になって…?
(心の声)あの子、まだかなあ。
いつもだったらこの時間にこの道を通るはずなんだけど……。
それにしても、さすがに私の事知らないってことは無いよね?いっつも朝挨拶してるもん。
けど、もし、もし私の存在を認識してなかったらどうしよう……?
そんなのショックでどうにかなっちゃいそう……。
で、でも今日という今日は、絶対あの子に話しかけないと……あっ、来た!
ね、ねぇっ、そこのキミ!ちょっといいかな?
私、近所に住んでる佐倉っていうの。毎朝、キミに挨拶してるんだけど……。
よ、よかった!知っててくれてありがとう!……あっ、ご、ごめんね!
いきなり抱きつかれてびっくりしたよね。あんまりにもキミがかわいくて……。
う、ううん、なんでも無いよ!
あ、それでね、今日声を掛けたのは、実はその、キミにお願いしたいことがあって……。
実は私、今大学生で、学校の先生を目指してるんだけどね、
子ども達とどういう風に接していいかわからなくて、悩んでるの。
来年教育実習があるから、その時までに慣れておかなきゃいけなくて……。
それで、その、もしキミさえよかったら、私の生徒になってくれないかな!?
あ、もちろん、本当になるわけじゃなくて、練習としてっていうか。
私ね、そこのアパートで一人暮らししてるんだけど、お休みの日とか、
よければ練習に付き合ってくれたらすっごく助かるの。
キミの立場から、私の教え方とか態度とか……
そういうのがちゃんと出来てるかどうかチェックしてほしいんだ。
どう、かな。お願いできない?……いいの?ありがとう!
(心の声)やったあ!OKもらっちゃった!
ふふっ、ほっぺたすっかり赤くしちゃってかわいい……。
女の人と話すの、慣れてないのかな?
ああ、唇も小さくてぷるぷるしてて、おいしそう……。
……チュッ……。
あっ、ご、ごめんね!
照れてるキミがあんまりにもかわいかったから、ついついチューしちゃった。
しかもお口に……。もしかして、ファーストキスだった?
えへへ、実は私も、なんだ……。
ずっとキミのこと見てたから、こうやってお話できて本当に嬉しいの。
これからは私のお部屋で、もっともっと色んなこと勉強しようね?
楽しみだな……。じゃあ、早速今週の土曜日の予定はどう?
もし空いてるんだったら……期待して、待ってるね!