Track 1
■01
子供の頃、あたしは病弱で気弱だった。
体も小さかったのでよくからかわれたり、苛められたり……そんなあたしを守ってくれていたのがお兄ちゃんだ。
あたしのヒーローで、王子様。
成長して、体が大きくなってからもそれは変わらない。
いつの間にか、あたしの身長がお兄ちゃんの身長を超えてしまっても、お兄ちゃんがあたしの王子様であることに変わりはない。
大好きなお兄ちゃんであることに、変わりはないのだ……だから、今日もスキンシップを大事にしよう。
いつも通りギュッと抱きしめると、お兄ちゃんの頭があたしのあご辺りに来る。
昔はあたしがお兄ちゃんより頭一つ小さかったはずなのに、今は逆転してしまった。
ちょっと育ちすぎたんじゃないかなぁと思いつつも、こればかりは自分で調節できないから仕方ない。
それに、ちょっと背が高いくらいで兄妹の立場は変わらない。
あたしは大好きなお兄ちゃんの妹で、これからもずっと大好きなお兄ちゃんを抱き締め続ける。
ずっと甘え続けるのだ!
……あ、あんっ。
あは、あははっ。
お兄ちゃん、くすぐったいよ。
オッパイの中で喋られても、ジンジン響くだけで何言ってるかわからないってば……ん?
あ、そっか。
ごめんごめん。
はい、これでいい?
……え。
苦しかっただけ?
何だ、じゃあ背中向けてくれればいいよ。
そうすれば、ほら。
こうしてギューってできるし♪
あ、そうだ。
ご飯もこれで食べられる?
大丈夫だよ、お兄ちゃんがあたしの膝の上に乗ればいいんだから……大丈夫、重くないよ。
お兄ちゃん軽いもん。
ほら、試してみようよ。
はい、こっち来て~?
大丈夫大丈夫、んふっ。
ほらっ、大丈夫……あー。
だけど、お兄ちゃんはともかく、あたしは食べにくいかな。
肩にあごが乗っちゃうし……お兄ちゃんに、あーんして食べさせてあげ辛いなぁ。
むぅ……ん?
うん、今日も仲良しだよ!
だってあたし、お兄ちゃんのこと大好きだもん!
お父さんもお母さんも、ずっと仲良くしなさいって言ってたでしょ?
だから、これでいいんだよね?
ふふっ、でも、言われなくても大丈夫。
あたしとお兄ちゃんは、これからもずっと仲良しだから……ね?
……え?
あぁうん、わかった。
はい、どうぞ……どこ行くの?
お風呂?
うん!
もちろん一緒に入る……あぁん、待ってよお兄ちゃんっ、入る、入るってばぁ!
じゃあねお父さんお母さん、ごちそうさまでしたっ、お休み!
あぁ、待ってよお兄ちゃ~ん。
ふんふんふふ~ん……ん~~、気持ちいい。
やっぱりお風呂はいいね、お兄ちゃん。
あっ、頭洗うの?
あたしがやってあげるねっ。
んしょっと……はぁい、シャンプー。
あぁ、お兄ちゃんは椅子に座ったままでいいよ。
あたしが膝立ちで……っと。
ほら、ちょうどいい高さ♪
それじゃ洗うね~、ごしごし~、ごしごし~っと。
ん、んん、ごしごしごしっ。
んふふ、痒い所はありませんか~?
……え、もっと強くするの?
はーい、わかった。
それじゃ、こうしてぇ……ん、んん、ごしごし、ごしごし。
ん~しょっと……んしょ、んしょ。
んん、もたれかかっていいよ~?
そうすれば、ほら。
前髪の方がゴシゴシしやすくなるし……んしょ、んしょ、んしょ。
ごしごし、ごしごし~っと♪
ねぇお兄ちゃん、気持ちいい?
ホント?
良かった~♪
は~い、それじゃ今度は前向いて?
だって、後ろの方も洗わないと。
こっちからだとやりにくいから……あ。
足開いてね?
じゃないとちょっと遠いから。
は~い、それじゃ洗うね~?
ごしごし~、ごしごし~……ん?
どこか痒い?
だって、じっと見てるから……え、見てない?
うん、わかった。
ごめんなさい。
じゃあ、続けるね。
ごしごし~、ごしごし~♪
ごしっ……あっ、ひゃん!
あはは、ごめんね?
オッパイ、ちょっとくすぐったかったから……ううん、大丈夫。
お兄ちゃんこそ苦しくない?
平気?
じゃあ、オッパイに顔当てておいてね、そうしたらゴシゴシしやすいからぁ……ん、んん。
んしょ、んしょっと……ごしごし、ごしごし~……んっ、んふ。
お兄ちゃん、大好きだよ♪