びっくり露天風呂
Six Senses
オ・マ・ケ
びっくり露天風呂
ふ~。
一日の仕事の締めは、やっぱり温泉に限ります。
(伸びをして)
ん~~。
(ガラガラ)
ん?
きゃ、きゃあああー!?
先程のお客様!?
ちょ、ちょっと、お客様!
この時間の白濁露天風呂は、女湯ですよ!
入り口の看板、見なかったんですか!?
(自分が裸なのを思い出して)
は、はわわわわ!
(お湯に浸かる音)
ちょ、ちょっと、こっちを見ないで下さいよ。
(遠くから声)
A)・・・ここの露天風呂、肌がキレイになるんだって。
B)えー、マジでー?
ああー、マズイですよ。
他のお客様が入ってくるみたいです。
ど、ど、どうしよう?
このままじゃ、変質者扱いですよ?
ああ~~。
あの、とりあえず、こちらへ。
(湯船を歩く音)
(ガラガラ)
A)うわー、素敵な露天風呂!
B)誰もいないみたいだね。
(囁き声)
・・・ここなら岩陰になっているから、向こうからは見えませんよ。
このまま、ここでこうして、あの女性のお客様達が、お湯から出るのを待ちましょう。
・・・くすくす。
あ、ごめんなさい。
お客様ったら、しっかりしてそうだったのに、意外とうっかりさんなんですね。
くすくす。
A)あれー?ねえ、あそこ。
あそこの岩陰、誰かいる?
B)え~?どこどこ~?
もしかして、変質者だったりして?
ああ、いけません。
お客様、もう少し、こちらへ。
私は大丈夫ですから、もっと私の方に。
早く。
B)・・・ん~、誰もいないように見えるけど。
気のせいじゃない?
A)そっかー、気のせいかな。
ちょっと飲み過ぎちゃったかな。
A&B二人で)きゃはははは!
ふ~、危なかったですね。
うん?何ですか?
え?肌がキレイ?
や、やだ、お客様ったら。
こ、こんなときに、何言ってるんですか。
今、スゴイピンチなんですよ?
もし、今、こんなところを見付かったら・・・。
『女性従業員、お客様とラブラブ混浴デート』
なんて言われて、私まで変態扱いされちゃいます~。
イヤ、イヤイヤイヤ!
絶対にイヤ!
いいですね、お客様。
何としても、このピンチを乗り切りますからね!
絶対ですよ。
A)わー、源泉掛け流しがあるよ!
B)きゃー!当たりたい、当たりたい!
(湯船を歩く音)
うわ!
ま、まずいです。
こっちに近付いてきてます。
このままじゃ、私達の姿が丸見えですよ。
あわ、あわ、あわわわ!
ごめんなさ~~い!
(お客様を力いっぱいお湯に沈める)
うう~~~~~!!
(お湯に潜る音)
A)あれ?携帯鳴ってない?
B)え?マジ?きっと彼氏からだ。ちょっと電話出てくるから、先に上がるね。
A)え~、じゃあ、私も上がろっかな。
(湯船を歩く音)
(ガラガラ)
・・・ふ~、何とかなりましたね。
あら?
お客様?
・・・きゃあああ!
大変!
ドザエモンになってるー!?
ごめんなさい!
思わず、お湯に沈めちゃった!
大丈夫ですか!?
お客様?
お客様?
しっかりなさって下さい、お客様~!