プロローグ
……あ。
やっほー。起きた?
いひひっ♪
あ、暴れないでねー? 両手、柱にくくりつけてあるから、無駄だよー。
あと、あんまり大声出さないでねー。
はじめまして♪
えーとね。ボクが誰だか分かる? ……知らない? そりゃそっか♪
でも……
ん……あーーー……。
この牙見たら分かる?
ふふっ♪ そう♪ せーかい♪
ボクの名前は、ピィ。
ヴァンパイア……吸血鬼、なんだー♪
それも、ただの吸血鬼じゃないよ? とっても可愛い、美少女吸血鬼♪ いひひっ♪
君の街でも噂になってたでしょ? カラッカラになるまで血を吸われた人が見つかったって事件。
あれ、ボクがやったんだー♪
もう、大体分かるでしょ?
君も、ボクの犠牲者の一人になるってわけ♪ いひひっ♪
ああ、ここはボクが住んでる家だよ。街から離れた場所にあるから、叫んでも暴れても、誰も助けに来てくれないよー。
というわけで。
君の血、いただきまーー……
……す、と言いたいところなんだけど……
実は、血を吸うだけ吸ってさよなら、っていうわけにはいかなくてさー。
街で噂になってる……ってことは、警戒されてるってことでもあるんだよね。
ボク、一度血を吸い始めると止まらなくてさ。カラッカラになるまで吸っちゃうんだ。
でも、それだと、明らかにボクの仕業だって分かっちゃうから、足が付きやすいんだよねぇ。
ハンターがボクを狩りに来るかもしれないし。
で。そこでボクは考えたんだけど……
吸血鬼は、人から魔力を吸収するために、血を飲むの。
でも実際、血じゃなくても人の体液だったら、ある程度は魔力が入ってるんだよね。
そこで……君から精液をもらおうと思ってさ♪
うん? そうだよ。精液。出せるでしょ?
精液って、体液の中でも、魔力の量が多くてさ。それをボクが吸収すれば、血液を飲んだのと同じくらいになるってわけ。
……ま、それでも、血より効率は悪いから……一回だけじゃ足りなくて、二回三回と出してもらうことにはなるだろうけど。
でも、ボクは足が付かなくて済む。キミは血を吸われなくて済むし……しかも、こーんな可愛い子に気持ちいいことをしてもらえる。
お互いにいいこと尽くめじゃない? いひひっ♪
……んー? なぁに? 拒否権? あるわけないじゃん♪
まー、安心してよ。別に、一生監禁したりはしないからさ。精神的におかしくなられても困るしね。
三日間、ボクに精液を提供し続けてくれたら、解放してあげる。
まあ、ボクのことを忘れるように、記憶の処理はさせてもらうけどね……。
だけど……分かっててよね?
キミには、精液をいっぱい出してもらう、っていう条件で、血を吸わないであげてるんだよ?
もし、ボクが満足するまで、精液をくれなかったら……
……そのときは、血、吸っちゃうからね?
覚悟しててね♪ いひひっ♪
それじゃ……早速、いただこっかな♪
ボク、もうお腹ペコペコなんだよね♪
キミも、頑張って、精液いっぱい出してね♪