村への帰路
ヤルゲラから出ない先駆者のこと、ちょっと軽蔑してたけど……。
今はそんな自分を一番軽蔑するわ……。
何の痕跡も残せずに、こんな……。
甘っちょろいのはあんただけじゃなかった……。
……ほんと雪しかないなぁ。
北の大地ってさぁ、どこまで続いてるのかな。
……開拓した先に何があるんだろうと思って……。
何もなくても、開拓することに意味があるのかもしれないけど……。
結局、先駆者としての覚悟が足りないっていうか……。
だって私なんかさぁ……頭はキレるし、手先は器用だし、顔は可愛いし……。
先駆者辞めたとしても、大抵の仕事は難なく勤まりそうじゃない?
もはや先駆者として生きるしかないって感じじゃないとな~……やっぱ……。
……何?
あんた私のこと可愛いと思ってんじゃないの?
けっ。
…………。
この間のアタックで亡くなった人、もう長くないって自分で分かってたみたい。
一定のところまで瘴気に蝕まれたら……あとは衰弱していく一方だから……。
……あんただったらどっちがいい?
死ぬ瞬間まで歩き続けるか……それとも、死ぬのを眠って待つか……。
どっちもヤだなぁ。
でも……ヤなのはみんな同じなんだよなぁ……。