三日月の洞窟・最深部
何かの保存場所として使われたり……。
死体がミイラになることもあるし……。
やっぱり常に暗いってところに神秘性があって……。
……。
どう?
……うん。こっちも何もないわ。
……。
何もなくてがっかりした?
……。
……ねぇ、私って霊能力あるでしょ?
だからなんとなく分かるんだけど……。
ビド様とカレル様は……どっちかが予知能力を持ってて……。
その能力のおかげで、将来二人の間に出来た子供が、北の大地に来るって分かってて……。
北の大地は……今もそうだけど、昔は今よりもっと瘴気に覆われてたから……。
だからビド様とカレル様は必死になって、北の大地を開拓したとか……。
だとしたら……あんたにも予知能力が遺伝してて……。
あんたが子供の頃から覚えてたこの洞窟の記憶っていうのは……今日の記憶なんじゃないかな~。
……。
……この洞窟さぁ、何もないと思ったけど、やっぱりあったわ。
ほら、微かにだけど……ここにもあるじゃん。
光の痕跡が。
誰が付けたかは分かんないけど、ここに誰かが来たんだよ。
もしビド様とカレル様が北の大地を開拓しなかったら、この洞窟にも痕跡が残ってなかったかもしれないし。
そしたらあんたがこの洞窟を見つけても、中まで入んなかったかもしれないでしょ?
つまり~……ん~……。
……あは。そうだね。
この場所に痕跡いっぱい付けて帰るか~。