<05:エピローグ~お見送り~>
<05:エピローグ~お見送り~>
んん~っ……すっかり良い天気やねぇ。お天道様に感謝やなぁ。
ほら旦那はん、忘れもんあらへん? ってこらこら、襟が曲がっとるやん。
こっち向いて。……よし、ばっちり♪
ほーらしゃきっとする。何そんな暗い顔しとるんよ。
名残惜しいのはうちも一緒やて。やけど、今生の別れって訳やないやろ?
どこにでもないようで、どこにでもある。それがあやかし亭。
旦那はんが望んどればいつかまた、きっと来られる。
旦那はん、手土産に――んっ、ちゅ、ちゅうっ。
(……旦那はんと過ごした一夜。短い間やったけど、……楽しかったで)
(もし疲れてもうたら、またうちが癒やしたるから。その時はまたココに帰ってき)
にひひ。うちはいつでも待っとるからな♪
振り返らんと、真っ直ぐ歩いて行き。そうすれば、旦那はんがよく知った道に出るから。
……いってらっしゃい、旦那はん。今後ともご贔屓に♪