Track 2

筆記音での癒し

もしもし、響花です 聞こえていますか? ふふ、驚かせてしまいましたね サービス中はこのようにヘッドホンを通じてお話する形になります 聴こえ方…ですか? ええ、別室からですが、特殊なマイクを使っているんです だから、通常のマイクとは声や音の聞こえ方が違ってくると思いますよ 例えばこのように… もしもーし 声、聴こえていますかー? 今、私は貴方の左側に横になって話しかけていますよ? 今度は目の前を横切って… はい、右側に到着です♪ お客様はどっちのお耳が敏感なんでしょうね、うふふ 如何ですか? このように左右への動きを感じたり、音の変化を愉しむ事が出来るサービスになっています 是非リラックスして全身で感じてくださいね それでは早速、お客様へのチェックシートから選択した音をお聞かせしていきます まずは…そうですね お客様は早い音、そして日常生活における要素が入った音がお好きだということで… こういった音は如何でしょうか…? その前に…少々失礼します (筆箱をまさぐる音) これから使うものをご用意しなくては… ん… んん… んしょ…んしょ… ええ、紙に鉛筆で書く時の筆記音です シャープペンシルでの筆記音と違い、どこか懐かしさを感じるような音ですよね ん… んん… 今では鉛筆で書く事自体減ってきていますし、この音を聴けなくなりつつあるのが寂しいです (筆記音) 昔は試験中など、しんとした空間の中で響く筆記音が心地良かったものです 特にお昼休みの後の小テストなど眠気を誘いがちでしたよね (筆記音) 窓際の子なんかは暖かな陽射しが余計に睡魔に襲われたりなんかして… うふふ (筆記音) お客様もどうかリラックスされてくださいね? 今は別に大事な試験中というわけではないのですから… 当時は睡魔に負けずに頑張っていたんでしょう? でしたら、この心地がよい音に身を委ねてください 誰も邪魔する人はいないのですから… (筆記音) かき、かき…かき、かき… 尖っていた鉛筆の芯が段々と…段々と…削れていってる 僅かな音の変化も楽しんで下さいね ん… ぅん… かき、かき…かき、かき… かきかき…かきかき… (筆記音) んしょ… 筆記音といえば、この音も如何ですか? (チョークの筆記音) ええ、黒板にチョークで書く音です 学生時代はテストの時よりもこちらの方が眠気を誘う音だったのではないでしょうか? (筆記音) 先生の低い声と一定のリズムで響くチョークの筆記音… どれも授業中に眠ってしまう要因の一つでしたね (筆記音) ん… ぅん… 黒板といえば、日直のお仕事の黒板消し 背が高くないと高いところに書かれた文字を消すのも一苦労でした (筆記音) それに消す時に落ちてくる粉が制服に付いたりも… 学生の時はそれが当たり前でしたが、今となってはとても懐かしいものです ふふ、目を閉じていればチョークの匂いも思い出せるのではありませんか? (筆記音) かき、かき…かき、かき… ん…ぅん この懐かしい音たちをどうか全身で感じてくださいね… ぞわぞわした感覚が癒し…そして安眠へと繋がっていきますから (筆記音) ん… んん… 黒板に書かれていた難しい言葉に複雑な数式… 思い出すだけで眠くなってくるはずです (筆記音) かき、かき…かき、かき… かきかき…かきかき…っと ん…ふぅ 筆記音についてはこれくらいにしておきましょうか まだお眠りになられなかったようですが、少しはリラックスできているようですし… 続けてお客様が好まれるジャンルの音をお聞かせしていきますね