Track 3
は、はーい。只今耳かきデー、開催中でーす。
どうぞ、お楽しみくださーい……。
はーい、耳かきデー……ひゃっ!?
わ……な、なんだー。お、お客さんかぁ……。
も、もーう。急に話しかけないでくださいよぉ。
びっくりするじゃないですかぁ。
あ……と言うか、どうも……お久しぶり、です。いらっしゃいませ。
あっ、そうです。お、お客さんもその、多分もう知ってると思いますけど、本日耳かきデーなので、良かったら……楽しんでいってくださいね。
皆さんすっごく耳かきお上手ですから、どうぞお好きなところに……。
へ? 私ですか?
あぁ、いや、その……あはは。
恥ずかしながら、私、まだまだ新人で、なかなか馴染みのお客さんも少なくって。
こういう日だと、やっぱり皆さん、他の店員さんのところに行っちゃうみたいなんですよねー。
それで暇だから、せめて声出しでもしてようって感じで……。
あはは、まあ私そそっかしいですし、正直耳かきとかかなり苦手なんで……こっちの方が気楽でいいんですけどねー。ははは……。
ん……って、ふぇぇ!?
ちょっ、え、お、お客さん!?
な、なんで私の隣座るんですかー!?
ふぇっ、ちょ……ち、近いですよー。
ん……あ、あの。
ちょっと足疲れちゃって……腰掛けただけですよね?
あ、それかお目当ての店員さんの順番待ち……とかですか?
あはは、もーう、そうならそうと早く言って下さいよー。
そんな何度もびっくりさせられたら、私寿命縮んじゃいますってー、全くー。
ははは、私てっきり……え?
あ、あの……聞き間違い、です……よね?
今、私に耳かきしてもらいたい、とか聞こえたような……。
……えぇぇぇぇ?!
ちょ、じょ、冗談ですよね!?
と、というかちゃんと私の話聞いてました!?
私、新人だし、不器用だしで、全然耳かきとかやったことないんですよ?
うっかりケガとかさせちゃっても責任とれないですし……絶対他の人のとこ行った方がいいですって!
ほら、あそこの店員さんとかすっごく優しくて魅力的ですし、
あっちの店員さんなんか私と違ってすっごい明るいですし……!
今からでも全然間に合いますからっ、絶対考え直した方がいいですよお客さーん! ね? ね? そうしましょうよー!?
……ふぇぇぇ。
それでも私がいいって……何考えてるんですか、お客さん……?
こんな、そそっかしくて普段のお店でも迷惑かけまくりだし、魅力も全然無い私に頼みたいとか、絶対おかしいですよ……。
……え?
じゅ、十分魅力的って……。うぅ、お、お客さん……そんな恥ずかしいこと、真顔で言わないでくださいよ。
んっ……。
あ、あの。ほ、ほんとにいいんですか、お客さん?
私、すぐにテンパっちゃって、お客さんに迷惑かけちゃうかもしれないし、それにきっと……全然上手く出来ませんよ?
癒すどころか、逆に疲れさせちゃうかも。
……それでもいいんですか?
う、うぅ……お客さんって、ほんと物好きですよね。
なんで私なんかにそこまで。
はぁぁぁ……その、お客さん?
ほ、ほんとにいいんですね!?
後悔しても、知りませんよほんと!
後から文句言われても、どうにもできませんからね私!
……はぁ。わ、分かりました。
そこまでおっしゃられるなら、やらせていただきます……。
う……それではお客さん、ご注文は、お決まりですか?
……リラクゼーション、コース。
うぅぅ、よりによって全部のやつだぁ。
どうせならもうちょっと軽めのにしてくださいよー。
うぅ……いいですけど……もうなんでも。
それではご注文繰り返します。リラクゼーションコース、でよろしいですか?
はい、かしこまりました……。
未熟者ですが、どうぞよろしく……お願いします。
ん……えっと……それじゃあまずは……背中全体のマッサージ、かららしいんで、背中、こっち向けて貰ってもいいですか?
あっ、はい、多分そんな感じで。
んー……それからー……?
あ、す、すいません。
私、物覚え悪くって、こんな感じでマニュアルとにらめっこしながらになっちゃうと思いますけど、許して下さいね。
ははは……。
えーっとじゃあ……まずはお背中、指で指圧していきますから。
その……よろしくお願いしますっ。
ん……じゃ、じゃあいきますよー?
はーい。
ん……。
わ、あ……あったかい。
う……と、というか私、こうやって自分から男の人に触るなんて、初めて……かも。
ひゃー、すごい、変な感じ。
……あっ、す、すいません。
びっくりしてる場合じゃないですよね。ちゃんとやります。
吐息20秒@@@@@@@@@@@@@@@
ん……ど、どうですかお客さん。
こんな感じで、大丈夫です……かね?
う、もっと強く……?
えーっと……んっ……この位?
もうちょっとって……ふぇぇ。
私、そんなに力ないんですけど。
んっ……この位、ですか?
というか、これで結構限界で……。
んっ……分かりました。
じゃあっ……この位で、続けていきます。
吐息30秒@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
ん……というかお客さん、これ、結構凝ってます、よね?
かなり固まってる感じですし。
ひょっとして、お仕事とか大変だったり、するんですか?
ん……やっぱり。
……あっ、はい。
私も結構肩こり酷いんで、何となくそういうのは分かりますよ。
ほら、ここも一応飲食店ですし、結構お仕事大変で。
ほんと辛いですよねー、肩こり。もういつもヘトヘトで……。
へ? 私の場合は、胸のせい……?
……ッ! も、もーう!
いきなり何言うんですかお客さん!
私、胸おっきいこと気にしてるんですから、そういうこと言うのやめてくださいよ!
と、というか最近は、ダイエットとかがんばって、出来るだけ小さくなるようにしてるんですよ!
サイズだって、1ミリくらい縮んで……へ?
今も背中に……当たって……? ひゃっ!?
お、お客さんのばかー!
なんでそういうこと言うんですか!
この距離だと、どうしても当たっちゃうんですから、しょうがないじゃないですかー。
うぅ……もう。
あんまり恥ずかしいことばっかり言わないでくださいよ。
はぁぁぁ。
吐息30秒@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
ん……えっと、じゃあ、もうちょっと上の方も、やっていきますね。
はい。
吐息30秒@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
お、お客さん、どの辺が気持ちいいとか、ありますか?
わ、私全然ツボとかは分かってないんで……言って貰えたらそこ、やりますけど。
んっ……こ、この辺、ですか?
分かりました……。
吐息20秒@@@@@@@@@@@@@@@
ん……。
えーっと……じゃあ、段々肩の方にも、やっていきますね。
ん……えっと、こうかな?
痛かったら、言って下さいね、お客さん。
ん……しょっ、ん……。
吐息20秒@@@@@@@@@@@@@@@
ん……あはは。人にマッサージしてあげるのって、結構大変ですね。
親指反っちゃって、ちょっと痛いですし。
んっ……あ、だ、大丈夫です。
我慢できないほどじゃないですし……もうちょっとだけなら。
吐息40秒@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
んっ……っと。ふぅ、疲れたー……。
って……あっ、す、すいません。まだ、終わりじゃないですよ。
えっとー……次はー……。
肩たたき、ですね。
これって、普通にグーで、ポカポカ叩く奴……ですよね?
え……あ、ですよね。お客さんが知るわけないですよね……すいません。
えっと……まあとりあえず、私流にやっていくんで。
もし痛かったら言って下さい。
んっ……。じゃ、いきますね。
吐息20秒@@@@@@@@@@@@@@@
ん……どう、ですか?
気持ち、いいですか?
あ、ははは……よかったー。
どうですかお客さん。流石に私でも、肩たたき位はできますよ。
拳で軽く叩くだけなら、そんなに力もいらないですし。
ほら、こんな風に速めにやっても……全然だいじょうb……ひゃっ……!
あっ……す、すいません!
骨の所……殴っちゃいました。
あの……痛かったです……よね?
ご、ごめんなさいごめんなさい!
うぅ……私、ほんといつもこうなんですよね。
そそっかしいって分かってるくせに、すぐ調子乗っちゃって。
ほんとすいません!
やっぱり怒ってますよね?
ごめんなさい、許して貰えるとは思ってないですけど、せめて今からでも他の人に代わって……へ?
怒ってないんですか……お客さん?
マッサージも……このまま続けて……いいんですか?
……うぅぅぅ、お客さぁぁぁん……。
ありがとうございますぅぅぅぅ、私なんかのためにぃぃぃ……。
ん……すいません、私、また怒られるとばっかり思ってましたから。
なんか気が抜けて泣きそうにぃ……。
ん……そうですよね。
せっかくお客さんがくれたチャンスですし、情けないこと言ってないで頑張らないとですよね。
次はその、もうちょっと慎重にやりますから。
その……よろしくお願いします。
よし……ふぅぅぅぅ。
それじゃあ、再開、しますね……!
吐息30秒@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
ん……ふぅ。
お、終わりました。お客さん。
どうでしたか、気持ちよかったですか?
そ、そうですかぁぁぁ。はぁぁぁ。
あ、あの……というか肩、ほんとに大丈夫ですか?
実はまだ痛かったりとか……。
……ほっ、よかったー。
大事になってたら、どうしようかと思いました。
はぁぁぁ。
ん……じゃあ次は……えー……ヘッドマッサージ?みたいですね。
うぅ、またなんか難しそうな……。
お、お客さんもしアレだったらこれ……飛ばしますけど、どうします?
ほら、私またうっかり痛くしちゃうかもしれないですし、お客さんもそんなのイヤかなーって……。
あ、やってほしい……。
そう、ですか。はい、頑張ります……。
ん……えっとじゃあまずは、頭皮全体を指圧、していくみたいです。
なるほどなるほど。
ん、それじゃあ……いきますね?
ん……。
吐息20秒@@@@@@@@@@@@@@@
どうですかお客さん。とりあえず書いてある通りやってるつもりですけど。
あ、良かった。
それじゃあこのまま、続けていきますね。
吐息20秒@@@@@@@@@@@@@@@
それにしてもお客さん、なんで私なんかに、そんなに良くしてくれるんですか?
私、自分で言うのもなんですけどどんくさいし、全然良いところなんて……。
へ? 一生懸命、頑張ってる……から? 私が?
へ、へー……。
あ、あははは……えへへ。
私、そんな褒められ方されたの初めてですから。
ちょっぴり照れますね。
ん……ふふ、ほらお客さん。気持ちいい所とかあったら、言って下さいね。
はい。
吐息30秒@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
んー……よし。
じゃあ、仕上げに……頭、また拳で軽く叩いていくみたいです。
うぅ、これ、さっきのトラウマが……。
ん……で、でも大丈夫です。ちゃんと気をつけてやりますので。
じゃあ、やっていきますね。
ん……。
吐息20秒@@@@@@@@@@@@@@@
痛く、ないですかお客さん?
はは、頭のツボなんて、私ほんと全く分かんないですからおっかなびっくりなんですけど。
それなら良かったです。
ん……。
吐息30秒@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
でもこれ、どの位続ければいいんですかね?
何故かここは、目安の時間も書いてなくって。
仕上げだからお客さんが満足するまでってことなのかな……?
どうですか、お客さん?
もうちょっと位続けた方がいいですか?
分かりました。じゃあもう少しだけ……。
吐息20秒@@@@@@@@@@@@@@@
ん……どうですか、お客さん。
そろそろ満足、されましたか?
……あ、はい。
お疲れさまでしたー。
はふー。一時はどうなることかと思いましたけど、なんとか無事に終わりましたね。
あー、良かったぁぁ。ふふふっ。
……って、まだマッサージが終わっただけでしたね!
すいません、私ったら肝心の耳かきをすっかり忘れてて。
気を抜くとほんとダメだなー、私。
ん……お、お客さん。その、それじゃあ耳かきの方は……その。
膝枕……しながらってことらしいので。
えーっとその……ど、どうぞ?
あ、はい、このまま横になって貰えれば……多分。
ひゃっ……んんっ。
す、すいません。
私、膝枕なんて、お店でしょっちゅうやってる筈なのに、未だに慣れなくって。
どうしてもまだ、緊張しちゃうんですよね。
あ、頭の位置とか、苦しくないですか?
あ、はい……分かりました。
それじゃあその、耳かきの方も……始めていきますね?
はい。えーっとまずは、耳、ウェットティッシュで拭いていくみたいです。
あ、これかな?
……はい、それじゃあいきますね。
ん……はーい……。
あっ、つ、冷たくないですかお客さん?
あ、で、ですよね。
ごめんなさい、ほんとは前もって言わなきゃいけないのに、忘れちゃってて。
急に冷たくなって、びっくりしましたよね。
すいません……。
ん……あっ、でも。こうしてティッシュで拭うだけでも、結構汚れ、取れますね。
こんな感じで全体的に拭き取っちゃいますから、もうちょっとだけ我慢してくださいね。
吐息20秒@@@@@@@@@@@@@@@
ど、どうですかお客さん。
痒い所とかないですか……?
あ、はい。もう少し続けますから、じっとしててくださいね。
吐息20秒@@@@@@@@@@@@@@@
ん……は、はい。拭けました。
それじゃあその……耳かき、使っていきますね。
えっと、確かここに入ってるって……うわ。
なんかいっぱい入ってる。
う……ど、どれを使えば……。
あわわっ、す、すいません。お待たせしてしまって。
えーっと、えーっと……んー……と、とりあえずこれでいいや。
ん、そ、それじゃあいきますね。お客さん。
とりあえず浅い部分からですけど、危ないですから、じっとしててくださいね。
はーい……。
吐息20秒@@@@@@@@@@@@@@@
ど、どうですかお客さん。
上手くできてますか?
私、ほんと、耳かきなんてほとんどやったことないですから不安で。
あっ……そうですか。
よかったー。
それじゃあ表面の部分だけなので、手早く済ませていっちゃいますね。
ん……。
吐息20秒@@@@@@@@@@@@@@@
ん……しょ。
結構、溝になってる部分とか、汚れてたりするんですね。
すいませんお客さん、もう少し、かかりそうです。
ん……。
吐息30秒@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
ん……ここの、デコボコした部分……も。
ん……。
吐息30秒@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
……ふぅ。
なんとか終わったー。
緊張したー。
あ……じゃ、じゃあ次は奥の方……ですよね。
あ、あのお客さん。
わ、私ほんとに不器用なんで……奥に入れてるときに動いたりされるとその……ほんとに危ないので。
あんまり動いたりとか、しないでくださいね。
は、はい、すいません。
ええっと……そ、それじゃあいきますよ……?
ん……。
吐息20秒@@@@@@@@@@@@@@@
う……やっぱり奥の方だと、暗くて見えづらいな……。
すいませんお客さん、もう少しこっち側に移動して貰ってもいいですか?
あっ……ありがとうございます。これならなんとか。
ん……はい。私、昔から目が悪くて。
暗いと中々……厳しいんですよね。
吐息30秒@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
ん……というか人の耳って、こういう風になってるんですね。
こうしてまじまじ見る事って、普段だと無いですから、ちょっと驚き……かもです。
わー……汚れって、こんな感じで溜まってるんだ……。
ん……。
吐息30秒@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
ふぅ。ちょっと取れた……っと。
ん……でもまだ残ってる、かな。
すいませんお客さん、まだかかりそうですから、待っててくださいね。
ん……はい。
吐息20秒@@@@@@@@@@@@@@@
ん……へ? 私の耳かき気持ちいいですか?
ん……あ、あはは。ありがとうございます。
適当に目に付いた汚れ取ってるだけなんですけど……。
なんかそう言って貰えると、嬉しい……です。
ん……。
じゃ、じゃあもっと綺麗にしていっちゃいますね。
吐息30秒@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
ん……細かいのとか、結構取るの、難しいな……。
ん……しょ、ん……。
吐息10秒@@@@@
ん……と、とれたー。
あとは、こっちの方のも……。
吐息30秒@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
こうしてみると、お客さんの耳、結構汚れてますよね。結構溜まってるみたいで。
……あっ、い、いや、汚いと思ってるとか、そういうことじゃないんですけど……。
そ、その……すいません。
つい口にでちゃって。
で、でももうだいぶ綺麗になってきましたから。
あとちょっとなので、その……元気出して下さい。
吐息30秒@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
……んっと。
こ、このくらいでいいかな? んー……?
ど、どうですかお客さん。
結構綺麗になったと……思うんですけど。
ほら、これくらい取れて。
ん……あ、はい。
それじゃあ仕上げに……綿棒でお掃除、らしいですね。
えーっと……、よし。
それじゃあ、いきますね。
吐息20秒@@@@@@@@@@@@@@@
ん……綿棒の方が柔らかくて危なくないし、こっちの方が気楽でいいですよね。
私も自分の耳掃除するときは綿棒なので、安心ですし。
と、というか最初からこっち使えばよかったんじゃ……。
え? へ、へー。気持ちよさの種類がまた違うんですか。
そういうものなんですか。へー……。
吐息10秒@@@@@
よ……し。こんなもんですかね。
はい、お疲れさまでした、お客さん。
これでこっちの耳は綺麗に……はい?
ふ、フー、ですか?
なんですかそれ。
へー。耳に息を……?
あっ、それで細かい汚れとか、飛ばしちゃうんですね。
なるほど。
わ、わかりました。
それじゃあマニュアルには書いてないですけど、お客さんがして欲しいなら、
じゃ、じゃあ、いきますね?
……フーー。
ん……あ、あはは。なんかこれ、ちょっと恥ずかしい……。
ん……じゃ、じゃあ。こっちは終わりでいいですよね、お客さん?
はい。
えっとそれじゃあ……反対側もやっていきますので。
えーっと、寝返り、打って貰っていいですか?
あ、はい、ありがとうございます。
ん……はい、そのまま……ん……。
あ、はい。大丈夫ですね。
えーっと、それじゃあ早速こっちもお掃除の方を……。
まずはウェットティッシュ、でしたよね。
あっ、あの……ちょっと冷たいですよ。
はーい。
ん……。えへへ、今度はちゃんと、忘れずに言えました。
わ、私だって、少しずつお仕事覚えたり、一応成長してるんですよ。
そりゃ……人よりはちょっと遅いかもしれないですけど……。
吐息20秒@@@@@@@@@@@@@@@
ん……二回目だし、流石にちょっと慣れてきたかも。
どうですかお客さん、痒い所、ないですか?
はい。
吐息20秒@@@@@@@@@@@@@@@
……ふぅ。よし。
それじゃあ、耳かき、していきますね。
ん……さっきと同じ奴で、いいですよね?
あはは、なんか種類がいっぱいあって……よく分かんないんですよね。
どれも一緒に見えるんですけど。
あっ、はい。それじゃあ、同じ奴を使っていきます。
……っと。
よし、いきますよー?
ん……。
吐息30秒@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
こっちの耳も、ちゃんと綺麗に、していきますね……。
ん……しょ。
吐息20秒@@@@@@@@@@@@@@@
ん……こっちは案外、綺麗……かも?
お客さん、普段自分でお掃除したり、されてるんですか?
あっ、たまに……。
なるほど。意外にきっちりしてるんですね……お客さん。
……あっ、て私、また失礼なことを……。
す、すいません……。なんかもう私、喋らない方がいいまでありますよね。
はは、ほんとごめんなさい……。
吐息30秒@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
ん……は、はい。
大体取れましたよ。
物足りない所とか、ないですか?
あ……分かりました。
それじゃあこのまま、奥の方もやっていきますね。
はい……それじゃあ、いきますよー?
ん……。
吐息20秒@@@@@@@@@@@@@@@
うう、お、奥の方はやっぱり緊張します……。
やっぱりちょっと、見え辛いですし。
あ、いや。明るさの方は、大丈夫なんですけど……その。
あの……私その……む、胸のせいで。
自分の真下とかは、どうしても見えづらくって……。
だからこの位置だと、耳がちょうど隠れそうになっててですね……。
……う。わ、笑わないでくださいよー。
結構深刻なんですよ、これ……。
も、もーう。
ほ、ほら。あんまり笑ってると、危ないですよ。
じっとしてください。ん……。
吐息30秒@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
ん……。
こっちの耳も、奥は結構汚れ、溜まってるみたいですね。
ん……で、でも大丈夫ですよ。
多分こんな感じで取っていけば……ちゃんと綺麗に、なると思いますから。
吐息20秒@@@@@@@@@@@@@@@
ん……んん……あ、なんか大きいの、ありますよ。
こ、これも取っていっちゃい……ますね?
はい……。
吐息10秒@@@@@
ん……も、もう少しで……。
んん、ん……と、とれたー。
はふー。
な、なんだかこれ……おっきいの取れると気持ちいいですね。
なんて……あははは……。
ん、まだもう少し目立った汚れもあるので、そっちも、取っちゃいますね。
吐息30秒@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
ん……よし。大体、大丈夫……かな?
は、はい。あとは細かいのを取るだけなので。
もう少し……ですよ。はい……。
吐息30秒@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
ん……最後に、ここのを……。
吐息20秒@@@@@@@@@@@@@@@
は、はい。終わりましたお客さん。
ど、どうですか。問題、なさそうですか?
はい……それじゃあこっちも、綿棒、していきますね。
ん……はい。
失礼しますね。
ん……。
吐息30秒@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
ん……よし。
そ、それじゃあこっちも仕上げに……その、フー……でしたっけ?
やった方が、いいですか?
あ……はい、分かりました。
ん……フーーッ。
ん……こ、これ……そんなに気持ちいいんですか?
なんか……力抜けちゃうんじゃないかと思うんですけど。
へ、へー……。そうなんですか……。
あ、そ、それじゃあこれで……リラクゼーションコースは全部おしまいです。
お疲れさまでした、お客さん。
あ、はい。頭上げて下さい……。
んっ……あ、ははは……。ずっと膝枕してたから、ちょっと足、痺れちゃいました。
ん……ジンジンする。
あっ、だ、大丈夫です。
ちょっと休んだら、すぐ良くなりますので。
そ、それよりもお客さん。
あの、今日はその……どうもありがとうございました。
私なんかに接客させていただいて……。
色々ありましたけど、ちょっと自信ついたというか……私にも出来るんだーって気に、ちょっとだけなりました。
ほんとその、ありがとうございます。
あはは……。
えーっと……それじゃあその、失礼しますね。
また、よろしくお願いします。