先輩のお家に押しかけ系後輩
●パート1
せんぱーいっ
おはようございまーす
およ?
なぜそんな警戒したお顔を、可愛いですね
こうして私が家までお迎えに上がったというのに、なにがそんなに不満なんですか?
ああ、なるほど
照れ隠しってやつですね
まあいいです、とりあえずお家に入りましょう
はあ、学校? いいんですよ、そんなのは
学校よりも世界の危機を救うことを考えましょう、私たちはスーパーヒーローです
さあ先輩、コーヒーをどうぞ
はい? 先輩の家で私がコーヒーを淹れるのがそんなに不思議ですか?
だってほら、私先輩のことならなんでも知っていますし
何ならこっそり作った合鍵も…あっ、なんで取り上げるんですかー
まあ家にスペアが10本あるんでいいですけどー
ほーら、先輩
そんなことより、大事な話があるので聞いてください
これは人類の存亡に関わる、非常に大事な話なんですから
えー、こほん
本日付けで、先輩の体は私が預かることになりました
はい、これ…国から発行された正式な書類です
偽装文書じゃありませんよー、ちゃんと見てくださいね
先輩も知っていると思いますが、男性というのは絶滅危惧種です
そして、男性というのは人間が生きていくために欠かせない存在なのです
なぜ?と思った無知な先輩のために、特別に私がレクチャーしてあげましょう
いいですか、先輩?
女の子が赤ちゃんを産めるのは知っていますよね
そうそう、お腹膨らんでいる人は赤ちゃんをお腹に宿しているんです
その赤ちゃんをお腹に宿すためには、男の子の助けがいるんです
分かりますー?
男の子の助けがないと、女の子は赤ちゃんを産めなくて
その男の子は、絶滅危惧種
だから、国は男の子を大事にだーいじに保護して
赤ちゃんを産めるのに最適なお年頃になると、女の子が派遣されるんです
なんで女の子が派遣されるか、分かります?
わからないですよねー
しゃーない、先輩のために可愛い後輩が人肌脱ぎましょう、文字通りの意味で
ほらほら、先輩のお部屋行きましょう
私が手取り足取り、やさしーく教えてあげますからね