Track 1

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チャプター1「戦いが終わって」

よくぞ魔王を滅ぼしてくれました。勇者よ。 これで世界には平穏が訪れることでしょう。 さすがは私の見込んだ男。 あなたなら必ず成し遂げると信じていました。 ならば、私も約束を果たさねばなりませんね。 さあ。あなたの願いを一つ、おっしゃってください。 どんなことでもかまいません。 この世の平和とはかりにかけられるものなら、なんでも。 なっ…。 どんなことでもと申し上げましたが、それはなんとも大それたことを…。 …いいえ。よいのですよ。(微笑みを含ませる感じで) 少々、驚きましたが、その願い、確かに聞き届けました。 私でよろしければ、喜んで、あなたのお子を孕みましょう。 ふふふ。ご自分でおっしゃったのに、なんてお顔。 あなたがたの神話にもあるように、かつては人と神とがもっと密接に関わっていた時代もありました。 大昔には、私だって戯れに人間に恋をしたことくらい…。 もともと、人間とは神に似せてつくられた存在。 人の快楽とは、神々の快楽でもあるのです。 それでは私も、ひさかたぶりに肉の官能を味わうとしましょう。 ただし、今、あなたが見ている私の姿、聴いている声は、啓示を与えるために映し出された幻のようなもの。 実際に地上に降りてあなたと事に及ぶためには、人間と同じ肉体を形作らねばなりません。 それには人の強い想いと、依代(よりしろ)が必要なのです。 …そう、ですね。 それでは、あなたにはこれからここで、精を吐き出してもらいましょう。 そうです。自分で自分を慰めて、私の目の前で、お射精、するのです。 あなたの強い欲望と生命の証を媒介とし、私は肉の体を得る。 本当に私のことを抱きたいのなら、すべてをさらけ出して、その想いをはっきりと示すのです。

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