【Track4.炭酸ケアとハンドマッサージ】
燐:「ど、どうも…お待たせしました
これからお客様の担当をさせて頂きます…「燐(りん)」っていいます
どうぞ宜しくお願いしますね…
あ、えっと…
これから行うオプションメニューは私が担当する事になってて…
も、もしかしてご迷惑でしたか…?
ほっ…良かった
人前で話すのが苦手で普段からこんな感じなので…嫌がられないか心配でした
でも、施術の方は一所懸命にさせて頂きますね
えと…
お客様は炭酸ケアのオプションをお付けになったんでしたね
それでは初めにこちらの炭酸ジェルを準備して…
ん…
まぜ、まぜ…まぜ、まぜ…
このジェルには炭酸も含まれてますから、しゅわしゅわ音が聞こえてきますよね
ジェルをかき混ぜる音と一緒に聞くのは心地いいかも…
んん…
せっかくですし、こうやって耳元でお聞かせしますね
んしょ…
いえ…そんな…
お客様の顔が気持ち良さそうでしたから…サービスです
ん…
続けてこのジェルをお顔にまんべんなく乗せていきます…
んっ…
塗り残しが無いように全体的に厚く…
ん、ぅん…
はい、これで大丈夫です
後はこちらのシートをお顔に覆いますので、目を閉じてリラックスしていてくださいね
失礼します…
ん…
んっ…ぅん
このままですねー…
んっ…
え…?このお仕事ですか…?
ま、まぁ…接客業ですし、苦手意識があると結構大変ですね
でも…そういうのを克服したくて、ここで働きだしたっていうのもあって…
やっぱり、人と接する事って避けられないですし…
え…?そ、そんな…こと、ないです…
小動物みたいで可愛い…なんて…今まで言われた事なかったですし…
そ、そういうものなんですかね…
昔からこんなですから…ちょっとびっくりしちゃいました…」
里咲:「んしょ、燐ちゃんどうー?」
燐:「あ…り、里咲さん…っ!?
今は炭酸ジェルを塗って…その、お顔にシートを付けたところです」
里咲:「んぅ?そんなに慌てちゃってどうしたの?」
燐:「あ、いえ…
な、なんでもないです…
急に声を掛けられてびっくりしちゃっただけで…」
里咲:「あー、ごめんね?
私も思い立って来ちゃったものだからさ…」
燐:「どうしました…?な、何か問題とかありました…?」
里咲:「実はこのお客様はオプションでハンドマッサージも行う事になってるんだけど…
燐ちゃんさえ良ければ、今のうちにやっておきたいなって思ってさ」
燐:「なるほど…確かにこのシートを外すまでまだだいぶ時間はありますし、ちょうどいいかもしれませんね
流石は里咲さん…効率よく動いてる…」
里咲:「ありがとう~♪
それでね、燐ちゃんにもお手伝いをお願いしたいんだけど…いい?」
燐:「分かりました…
私もその間は特にする事はありませんし、お手伝いしますね」
里咲:「ふふ、ありがとう♪
じゃあ、私は右手の方をやっていくから、燐ちゃんは左手をお願いしてもいい?」
燐:了解です…んしょ…」
里咲:「んっしょ…
まずは腕にタオルを失礼しまーす…」
燐:「タオルの上から優しく覆う事で緊張を解していきます…
んっ…」
里咲:「んん…」
燐:「これくらいでいいかな…
それでは早速、始めていきますね」
里咲:「まずは手の甲から肘までの間をマッサージして…っと
んっ…
んんぅ…
手の平を密着させたまま、優しく…やさーしく…」
燐:「肘までたどり着いたら、また甲に戻って…
んしょ…んしょ…
お顔のケアも血の巡りや心のケアに効果がありますが、手のマッサージも同じように効果的…
どうか手に力を抜いてリラックスしててください…」
里咲:「んっ…ぅん」
燐:「んん…っ」
里咲:「今度は手の甲側の手首の中央にある筋肉を指の腹を使って解していきますねー…
ん…ぅん
肘に向かって筋肉を押し上げるようにっと…」
燐:「んん…っ
一気に押し上げるのではなく、徐々に動かしていく感じ…
んぅ…」
里咲:「肘まで押し上げたら、刺激を与えていた筋肉を手の平で擦って…元に戻す
これを何回か繰り返していきますね
んっ…んん」
燐:「んぅ…っ
すり、すり…すり、すり…
次は手の平側…
こっちに向けてください…
こちらもさっきと同じように手首の中央から筋肉を解していく感じで…
んっ…ぅん」
里咲:「ふふ、お客様も身体の力が抜けてきましたね
こうやって二人がマッサージを行う事はあまりないのですが、今日は特別…という事で♪
んしょ…んしょ…」
燐:「んん…ぅん
確かにこういう事は滅多にない感じ…
お客様…レアな体験で癒されていって…?
むに、むに…むに、むに…
肘までマッサージしたら、解した筋肉を擦って戻してく…」
里咲:「んん…ぅん
お客様の腕の筋肉は少し凝っているようですし、今回の施術で少しでも楽になれば嬉しいです
んっ…んん」
燐:「里咲さん…そろそろ次に移ります…?」
里咲:「あ、そうだね
今度は手の甲側にあるツボ…合谷(ごうこく)を刺激していかないと
場所は…」
燐:「親指と人差し指が交わる部分…
ここを二回、数秒押していきます…」
里咲:「1…2…3…4…5
もう一回…」
燐:「ん…
1…2…3…4…5」
里咲:「このツボは万能のツボと呼ばれるもので、様々な不調に効くツボなんです」
燐:「そう…お客様の悩みにあった目の疲れや胃腸の弱さは、このツボを押すと効果的…」
里咲:「次は不眠に効くツボ…中衝(ちゅうしょう)ですね
中指の爪の生え際で…親指側あたりに…
ん…ここですね」
燐:「ここは二本指を使ってつまむように押してく…
軽く押せば安眠効果になりますし、強く押すと眠気覚ましに効果的です
それじゃあ、押していきますね
1…2…3…4…5…」
里咲:「もう一回っ
1…2…3…4…5…
次は指を一本一本マッサージしていきますね
こうやって指を手の平で握って…
ん…っ
回しながら指先までマッサージを…」
燐:「んっ…
里咲さんは親指からやってますし、私は小指側から…
んしょ…んしょ」
里咲:「ふふ、二人ともまったく同じ動きよりは、違う刺激を与えた方が気持ちいいかもしれませんね
お客様はどうか何も考えずにそのままでいてください…
んん…
くる、くる、くる、くる…」
燐:「くるくる…くるくる…
んんっ…ぅん」
里咲:「掴んで…回して…すぽんっ♪
この指のマッサージってリズミカルにできるから、結構好きなんだよね」
燐:「あ…なんだか分かります
やってる内に自分も気持ち良くなる感じがするんですよね
普段よりも多めにやってしまったり…」
里咲:「あはは、それ分かるなぁ
私もついついやり過ぎちゃったりするから、気を付けないとっ…」
燐:「んん…ぅん
んっ…
里咲さん…そろそろ仕上げですね」
里咲:「うん、最後は手の平に握り拳を当てて…ぐっと押し込むマッサージを…
こうする事で手の平にあるツボを刺激する事が出来るんですよー…」
燐:「ぐーを作って…えいっ…
手の平にあるツボを一度に刺激できるから、お手軽…
んん…っ
んぅ…」
里咲:「拳骨(げんこつ)を押し当てて…ぐりぐり~…
んっ…ぅん
んん…」
燐:「ぐり、ぐり…ぐり、ぐり…
これくらいで手のマッサージは完了…
最後は手の甲を優しく擦って安心させていく…」
里咲:「そうそう、子供をあやすみたいな感じでね
よしよし…よーしよし…」
燐:「んん…
もう大丈夫…安心して…
いいこいいこ…いいこいいこ…」
里咲:「ふぅ、これでオプションのハンドマッサージはおしまいっ
あとは燐ちゃんのお仕事だね」
燐:「はい…一通り終わったら、また里咲さんの所へお返しします
んしょ…
そろそろ顔に付けていたシートを外していきますね
ん…
顔に残っているジェルは濡れタオルでしっかりと拭いていって…
んぅ…んん
んっ…
ふき、ふき…ふき、ふき…
仕上げにこの炭酸ミストを顔に吹きかけていきます…
目を開けていてはダメ…ちゃんと閉じて…
それでは…
んん…
まずはデコルテの部分…
首元や鎖骨にミストを吹きかけていって…
んっ…
初めは前の部分を主に…段々と後ろの方へ…
んん…
次はあご先から耳…口の横から耳…小鼻の横から耳…と顔のリンパに沿って吹きかけていきます
んしょ…んしょ…
んっ…ぅん
炭酸を肌に浴びると血行が良くなって、栄養が身体の隅まで行き渡るようになる…
だから、こうやってリンパに沿って浴びるのは大事…
反対側も同じように…
んん…
代謝が上がれば、肌の生まれ変わりも早くなるもの…
結果として肌のくすみもなくなるし、見栄えも良くなる…
んっ…
仕上げは少し離れた所から顔全体に吹きかかるようにして…
んぅ…っ
ゆっくりと円を描くように…
んん…
これで大体の部分には吹きかけられた感じ…
最後は浴びたミストが浸透するように手の平で押さえていって…
んしょ…んっしょ…
うん、施術完了…
どう…ですか?施術を受ける前と何か違いがあればいいのですが…
良かった…一安心
炭酸を浴びると肌質も良くなりますし、瑞々しさが出てくると…思います
また受けたくなりましたら…ここに来てください
ま、待ってます…」