①暗雲
【ライラ】
「シーナ様、この前のパイロット試験で・・お話があります」
【シーナ】
「何?ライラ、今そんな話してる場合じゃないわ、後にして頂戴」
【ライラ】
「ですが・・どうしてもお耳に入れて欲しい情報がありまして・・」
【シーナ】
「・・・フン、優秀なパイロットを発見した、とでも言いたいの?」
【ライラ】
「はい・・実は前の試験にいた男の子なんですが、このデータを見て下さい」
【シーナ】
「・・・これは・・・!」
【ライラ】
「はい、申し上げにくいのですが・・シーナ様の成績を上回っているようでして・・」
【シーナ】
「そんなはずはないわ!こんな成績を出すには並大抵の努力じゃ無理よ、測定に誤りがあっただけだわ!」
【ライラ】
「・・・実は私、試験に一応と思って視察に行っていました・・直に見た訳では無いのですが、この子の周囲からもの凄いどよめきが聞こえていたので・・」
「その中には幹部の方もいらっしゃったようで・・まさか、ここまでの成績とは思わず・・」
【シーナ】
「言いたい事は分かったわライラ・・考えるまでもなくてよ」
「必ずその子は潰しましょう・・トップは必ずこのディースト家でなくてはならないの・・そうでしょうライラ」
【ライラ】
「はい、その通りです、ですが戦争は・・」
【シーナ】
「勝てばいいのよ、我が国が勝てば何も問題は無いの・・あの子がパイロットにならなくても勝てばいいの」
「確かその子は・・ふぅん、ただの訓練生だったようね」
「いいわライラ、あの手を使いましょう・・一刻も早く芽を摘んで、問題はすぐに解決しましょう」
【ライラ】
「分かりました、シーナ様」