(6)初めての添い寝
坊ちゃまのベッドに、こんな風に一緒に寝ているなんて、
なんだか…くすっぐったいです。
まだお風呂に入ってませんし、ごはんも召し上がって頂かないと…
夜は、坊ちゃまのお好きなオムライスでも作りましょうか?
花嫁修業もひそかにやっておりましたので、
オムライスくらい、ひょひょいのひょいで、作れますよ?
ふふふ♪
はふうっ…(ひと段落ついた、のため息)
坊ちゃまのからだ、熱いですね。
まだ興奮、してるんでしょうか?
わたくし?
ふふふ、もちろんわたくしも…ほら、
まだこんなに胸はどきどきしてますし、
頬も…からだも…熱いです。
坊ちゃま、もしかして疲れましたか?
だっていきなり、こんなことになってしまいましたもんね。
わたくしがここにおりますので、
少しお休みになってはどうでしょう?ええ、もちろんそばにおりますよ。
目が覚めたら、ご飯を作るのを手伝って下さいますか?
仲良くお台所に立つ新婚夫婦のように…
一緒にオムライスを作りましょう?
そして、仲良く一緒にお風呂に入って……そして、うふふふ♪
あとは、坊ちゃまにお任せいたします。
そうだ坊ちゃま、眠るまで、とんとんして差し上げます。
もちろん、坊ちゃまはもう大きな男の子ですけれども、
ほら、こうやって、とんとん、とんとんってされると、
落ち着きませんか?
恥ずかしがらないで、ほら、とん、とん、
よしよし とん、とん、とん、とん…
坊ちゃまがお小さい頃、奥様がお亡くなりになりましたよね。
お通夜の夜、うなされて泣きじゃくっていた坊ちゃまを、
わたくしこうやって、よしよし、とんとんって、寝かしつけたんですよ?
とんとん、とんとん…落ち着くでしょう?うふふ、おやすみなさい、坊ちゃま。
えっ!?そんな呼び方…ですか?
ええ、そうですね…だってこれからは、夫婦ですものね。
すうっ(覚悟を決める)
そ、それではおやすみなさませ、あ…(一瞬絶句)
あなた♪
(了)