【プロローグ】
もう気分はよくなった?
〈僕 ……〉
ん? どうしたの? ばつの悪そうな顔して。
本当は「具合が悪いところなんてどこも無かった」って、そう言い
たいんでしょ? んっふふ。
気にしなくてもいいわ?
保健室に来る子は何かしら、悩みを抱えているものよ?
かか
それが病気や怪我のように、具体的な 症 状 に現れなくてもね?
け が しょうじょう
ここを頼って来てくれたんでしょ?
たよ
ほら、自分の胸に手をあててみて?
「心の元気がなくなっていた」って、ことじゃない?
休んで少しでも気が晴れるなら、いつでも来るいといいわ?
でも…。
もしよかったら、教えてくれない? キミを悩ませていること。
口に出して誰かに聞いてもらうだけで、何割かは軽くできるかもし
れないわ?
〈僕 ……〉
そっか、勉強が手につかないんだ? 気がつくといつも H なこと
エッチ
ばかりを妄想してしまって…。
もうそう
キミぐらいの年頃の男の子にはね? 「考えるな妄想するな、オナ
としごろ もうそう
2
ニーするな」と言たって、無理なことよ?
そんなときは我慢なんかせずに、スッキリ出しちゃえばいいんだか
が まん
ら。 ね?
〈僕 ……〉
もしかしてそれを悪いことだと思ってる? ん?
大丈夫。ごく自然な生理現象だもの。
今もモヤモヤして溜め込んだままにしているなら、ここで出してい
た
きなさい? 私が手伝ってあげるから。
〈僕 ……〉
ほ~ら、恥ずかしがらなくてもいいでしょ? ね?