ミステリーストレージ ストーリー
雨…
ふふっ 雨の日は全部日陰だ 好きなだけ外に出れる
後輩くんが来るかも知れない 中庭に行って待機しよう
(傘だけ持って雨の中庭に向かう)
(一時間くらい待つ 学校のチャイムが鳴る)
…来ないかっ そりゃ 来ないな
(雨音)
(かなり怯えた声)
先生
(しゅじゅつ)
そうだな 明日は手術だ 急に決まったんだもんな…
そろそろ病室に戻って 体を休めないとな…
(怯えた笑顔)
っ…少しでも成功率を上げてっ もう一度あいつに会うんだ いひひ
…どうした?先生…
あ お父さん…お母さん…
私のドナーが見つかった!?
嘘だろ!?ほんとか!!
私の体って 宇宙人みたいにっ変わった体をしているんだろう!?
よく見つかったなぁ!
明日 明日耐えればっ もう手術しなくていいんだな!ほんとだよな!
ひひ オカルトだ オカルトだ!
(かい)
信じた甲斐あった!やったな先生!
(また怯えて)
な なぁ先生 今日 後輩くん来てないんだ
後輩くんが私のドナーって訳じゃ ないよな
著名で別の病院から? 教えられない規則なのか そうか
(笑顔)
…なら なら尚更 後輩くんに教えてあげなくちゃなぁ! いひひっ!
後輩くんはきっと学校だ! ちょっと会いに行ってくる!
(肩ぽん)
ひゃいっ!
ただのお散歩だもん
(強く)
歩くだけなら きっと体力も大丈夫
行かせて 先生
(歩く)
(早歩き)
(走る)
はぁ はぁ はぁ はぁ!
ひひっ! オカルト研究部は 不滅だ!
(かなり息切れ)
はぁ はぁ はぁ はぁ
(また怯えて)
どういう事?
学校で名前聞いても 居ないって言うし
七不思議で回った所 何処探しても やっぱり居ないし
…まさか
(ユーマ)
ホントに…UMAだったの?
(雨が降りしきる)
そんなはずない あの感触は本物だ
…そうだ 入れ違いで 中庭に居るのかも知れない
けど居なかったら
きっと先生に止められて もう外に出られなくなる
何処にいるんだ 後輩くん
あと回ってない所 分からない
分か らな い?
(嬉しそう)
ひ ひひっ
(楽しそう)
オカルトだ オカルトだっ オカルトだ!
(よ) (ぐうぜん)(さんぶつ)
この世の全ては 偶然の産物で
(みち きっかい かいき)
未知で 奇怪で 怪奇なことばかりだが
私の口で説明出来ない事なんて
この世に一つもないっ!
ひひ ひひひっ!
ずっとオカルターやってきたんだ
ミステリーを見つける事なんて 簡単だ
今度は一人で 町の七不思議を解き明かしてやるぞ ひひっ
待ってろ 後輩くん
(怖そうなBGM流す)
(息切れながら)
七不思議の 7つ目
この町でたった一つ 私のまだ知らないオカルト
恐ろしく急な50段階段の先っ
振り返れば町全体がミステリーサークルっ
その反対側には 一体 何があるんだ?
ひひっ 久々の部活動だ オカルトの血が騒ぐ
この階段 私の体力で登れるかな
… オカルトを知ろうともせず何がオカルト研究部だ
きっと 後輩に笑われる
まだ私の知らない
未知のオカルトが待っている
すーー はーー
よし
(一歩一歩 鈍足で登っていく)
はぁ はぁ
はぁ はぁ
人間は 不思議だ
こんな 階段も みんな不思議なく登っていく
少し前の私には 想像も付かない世界だ
私には この世の 全てが オカルトだ
はぁ はぁ
著名のドナーとか あれは 後輩くんの事だ
どれだけ 私が 人の顔を見て生きてきたと思ってるんだ
人は 事情があって 嘘を付く みんな決まってそうだ
全部口で説明出来てしまう
嘘とか 明日は元気になるよ とか そんなのっ オカルトじゃない 迷信だ
はぁ はぁ …
後輩くんと これからも知るんだ オカルトを
あいつは 私に 色々な事 教えてくれた
好きとか 楽しいとか また明日とか
私が 初めて持った 喜びの感情だから
あいつが 私の感情を 知らないなんて
(いちこじんてき)
一個人的に 絶対に許さないっ!
はぁ はぁ
私は
はぁ はぁ
まだ あいつにぃ!
はぁ はぁ
好きって
言ってないんだぞ!
はぁ はぁ はぁ
着いた のか?
病院…
ならきっと ここに後輩くんが
はぁ はぁ はぁ
いい景色だ
確かにこの町は ミステリーサークルそのものだ
あ あそこ 私の病室だ
公園と海も こんなに近くにあったんだな
ふふ
全部私のオカルトだ
(段々と雨が止む)
(遠くで授業終了のチャイムが鳴る ガヤガヤはまだ聞こえてこない)
(一人男の子がベンチから立ち上がって 傘を差して病院に戻ろうとする)
おい そこのお前
(足を止める)
(それでも去ろうとする所を見て 肩にぽんと手を置いて呼び止めた)
やぁ
さっき 部活部活言ってたのは お前のオカルトか?
良かったら…
お前の話 聞かせてくれないか?