【1回目の利用】少し疲れた未亡人
【1回目】
//会話文の構成になるので一文ごとに少々間を置いてください
あなた、大丈夫?
ずいぶんとたくさん抱えてフラフラしてたから、手伝ってあげようと思ったのだけど……。
えぇ、ぶつかったのは私よ、ごめんなさいね。逆に邪魔しちゃったみたいで……。
手伝うわ。ほら、私のカゴひとつ空いてるから使って? 折りたたみ式の洗濯カゴなの。
あなた、それひとつだけじゃ……持って帰る時に、またバラ撒いちゃうかもしれないでしょ?
今度会った時にでも返してくれればいいわ。
代わりに……お願いがあるのだけど。
私その……コインランドリーって初めてで……使い方がよくわからないの。
よかったら……使い方を教えてもらってもいいかしら?
……本当? ありがとう、優しいのね。
//ウェイト:洗濯物を回す
ふぅ……。
あら、さっきの……
うふふ、ありがとう、本当に助かったわ。
洗濯が終わるまで暇だし……よければ隣、いいかしら? おねーさんとお喋りしない?
……うふふ、ありがとう。それじゃ、遠慮なく。
//隣に座り込む、以降やや耳元で話すように
私、最近引っ越してきたばかりでね、こういう聞けるお友達もいなくて……。
マンションの管理人さん以外で喋ったのは、あなたが初めて。ここのコインランドリーだってしばらく歩いてやっと見つけたんだから。うふふ、お家帰れるかしら?
ふぅ……。
あ、ごめんなさいね……私、お酒臭くないかしら? 平気? それならよかった……。
……昔話、なんだけどね。
私、ちょっと色々思うところがあって……実家を飛び出したのよ。
今考えると、親とのケンカなんていうよくある原因なんだけどね。
友達の家を渡り歩きながらバイト探してたんだけど……これがなかなか見つからなくて。
家を飛び出してはじめて気付いたの。実家にいたら、何でも親がやってくれてたんだなぁってことに。
自力じゃカップ麺くらいしかまともに作れないんだもの……無力さを痛感したわ。
そんな時にね、素敵な人に出会ったの。世間知らずを絵に描いたような……バカな私に、優しくしてくれる年上の男の人。
出会ってそんなにしない頃だったんだけどね、こんな私に……プロポーズしてくれたの。
嬉しかった、すごく。もちろん結婚したわ。大好き『だった』から。本当に本当に愛してたから……。
それでね、その人がみんなみんな教えてくれたの。お料理も、お洗濯も、家事もお掃除も……。
彼のために、って思うだけで……何だって辛くなかった。幸せだった。家事だってみんな好きになれた。全部全部……あの人のおかげ。
//ここからやや震え声で
でもね……結婚して、ちょうど2年目の夜。
……交通事故だったわ。信じられないくらい、あっけないお別れだった。
それでね、しばらくは彼と過ごした家にいたんだけど……色々思い出しちゃうと、それすらも辛くなっちゃって……それで引っ越してきたのよ。
でね、知らない土地で、こんな夜中にひとりだと心細くて……。
こういうところなら誰かいないかな、と思って来てみたの。
だからあなたが最初のお友達……あなたがよければ、だけど。
……うふふっ♪ ありがとう、仲良くしてね?
あ……お洗濯、終わったみたい。
ごめんなさいね、酔っぱらいの湿っぽい話に付き合わせちゃって。
今日はありがとう。明日また同じくらいの時間に来るわね、カゴはその時でいい?
……えぇ、それじゃあまた明日、同じ時間に。おやすみなさい♪