track4
Track4先輩と私の記録〜6月13日〜①
(前回と同様日記を朗読するような感じで)
先輩と私の記録、6月13日
どうして最初に思いつかなかったんだろう。
先輩はこれから先、常に私と一緒にいて、そして私の家から出ることも無い。
それなら、手足なんて有ったって意味は無いし、むしろ無くなったが、先輩を無理矢理拘束しなくてもよくなるし、それに何より、私という存在が先輩にとってなくてはならないかけがえのない存在になることができる。
だから、切り取った。
先輩にはもう必要の無い、両腕と両脚を。
四肢を失った先輩は私よりもずっと小さな体になってしまった。そんな先輩を今後一生かけて面倒を見て、守っていくのだと思うと心がはずんでいくのがわかった。私が先輩の手足となれるなんて。こんなに嬉しいことはない。
(先輩が目覚めて)
あ、先輩、目が覚めましたか。ふふふ、おはようございます。
と言っても、今はまだ深夜の2時なんですけどね。
暗くてよく見えないと思いますけど、ちゃんと私がずっと側にいましたよ。
先輩が眠ってから、もう丸一日以上経ってるんです。
その間、先輩の寝顔、たっぷり堪能させてもらっちゃいました。
処置の方も、全部終わりましたよ。麻酔もしましたし、縫合ももう済んでますから、今も全く痛みはないですよね?
ふふふ。だから怖い事なんか無いって言ったじゃないですか。
あ、自分の体がどうなったか、早く見たいんですか?
ふふ、私の思っていた通りの、素敵な体になれましたよ。
ちょっと待って下さい。今部屋の電気を付けますね。
(SE:電気スイッチ)
どうですか?自分で見えますか?これが先輩の新しい体ですよ。
ふふ、私の先輩への気持ちを受け止めやすい、いや、受け止めざるを得ない、
私の、私による、先輩の為の体、です。
ね?邪魔な手足、綺麗さっぱりなくなって、すっきりしましたよね?
これならもう先輩を縛りつけたりなんかしなくても私の家にいてくれますし、
もっともっと私を必要としてくれますよね?
ふふ、ふふふふ。どういうことかわかりますか?先輩は今日から、生きていくんじゃなくて、私に生かされていくんです。あはは、私がいないとダメな体になっちゃったんですよ。あは、はははぁ、とっても愛らしくて、可愛いいです。
(ショックを受け大量の冷や汗を流す先輩)
あれ?先輩、凄い汗ですよ。大丈夫ですか。
え、そんなこと言われても、一度切除した手足はもう戻せないですよ。
今は防腐処置をして飾ってるんです。
大丈夫、捨てたりなんかしてませんから、落ち着いて下さい。
え、だから、返してって言われましても、先輩はその体でいたほうが絶対いいですし、手足はもう戻せないですってば。
(きょとんとした、不思議そうな感じで)
何も、できない?何言ってるんですか。何もできないなんて、そんなことありませんよ。
あぁそうか、それでそんなに焦ってるんですね。
ふふふ。それなら何も心配いりません。任せて下さい。今まで先輩がやってたこと、全部私が同じようにしてあげますから。
先輩は、できなくなったんじゃなくて、する必要がなくなっただけなんです。
もう、何かをするのに体を動かす必要はないんですよ。
先輩がわざわざ自分で動いて、何かをするなんて、そんな面倒なこと、もうさせません。
これからは、先輩が今までしていたことは全部私が代わりにしてあげます。
ご飯も、おトイレも、お風呂も、私が先輩の手足になってお世話しますし、他に見たいものや聴きたいものがあれば全部揃えてあげます。
今までと何一つ変わりませし、むしろ今まで以上に快適な生活です。
一つだけ違うのは、その為には私が必要という、ただそれだけです。
はは、あはは、私が必要、そう、先輩が何をするにも、絶対、必ず、私がいないといけない。あは、先輩にとって私は必要不可欠な存在になるんです。
先輩はなにも気兼ねすること無く、どんどん私を頼って下さいね?
というか、私に頼らないと生きていけない体になったんですから、今後はなりふり構わず私に依存して生きていくことになるんです。
だって、そうしないと生きられなくなっちゃったんですから、何も後ろめたく思う必要は無いんですよ。だから、これからは今まで以上に、もーっと愛し合って、お互いに求め合いながら、生きていきましょうね。
それと、気づいてます?ここ、今まで先輩がいた部屋と違う部屋だって。
ふふ、ここ、私の部屋なんです。
もう先輩を縛っておかなくてもよくなりましたので、今日からはここで過ごして貰おうと思うんです。
ふふふ、今までは寝る時は離ればなれでしたけど、これからは一緒に同じお布団で寝られるんです。もう夜に先輩を一人で寂しくさせることは無いんですよ。
今の先輩なら、抱き枕みたいに抱きしめて眠ることも出来るでしょうし、あはは、先輩のぬくもりを感じながら寝られるなんて、ふふ、先輩、ぎゅーって抱きしめてあげますから、私のぬくもりもたくさん感じて、眠ってくださいね、
それじゃあまだ夜も遅いですし、早速今から一緒に寝ようと思うんですけど、
その前に、今から先輩にやってもらわないといけないことがあるんです。
これ、なんだかわかります?んーと、何かで見たことはあるんじゃないですかね。これ、尿瓶って言うんです。
入院中におトイレに行けないような人が使うための、おしっこ用の容器です。
先輩、注射で眠ってからまだ一回もおしっこしてないんですけど、
今、かなりの尿意を感じてますよね?
これ以上出さないでいると先輩の体に障りますから、今からこの尿瓶に、おしっこ、してもらいます。
ふふふ。先輩はもうおしっこする為にわざわざおトイレに行く必要もないんですよ。
これからは先輩がしたくなる度に私がコレを使ってお世話してあげます。
もしうんちがしたくなった時も、差し込み便器っていう、腰からお尻の下に差し込む簡易式の便器がありますので、問題ありません。
その時はお尻もちゃんと私が拭いてあげますからね。
それじゃ、先輩、とりあえずおしっこ、してください。
尿瓶をセットしてあげますから、ちゃんと出して下さいね。
えっと、こうして先輩のおちんちんを、尿瓶の口に入れて、うん、これでよし。
さ、いつもみたいに、どうぞ。
(出る気配が無いのを見て)
…あれ?先輩?どうしました?出さないと病気になっちゃいますよ?なんで出さないんですか?
あ、もしかして私がいると気になっちゃいます?
す、すみません、気づかなくて。
それじゃあ、少しの間別の部屋に行ってますので、その間にして下さい。
5分ほどしたら戻ってきますので。
あ、もしどうしても出なかったら。その時はカテーテルを差し込んで出させてあげます。でも、あれって少し痛いそうなので、できれば普通に出した方がいいと思いますよ。それじゃあ、また5分後に。
(SE:扉閉まる音)
(SE:排尿音)
(SE:扉開く音)
先輩、どうです?出ましたか?
あ、すごぉい。ふふ、やっぱり丸一日分ですから、量が多いですね。
うわぁ、真っ黄色。ん、ふんふん(鼻を鳴らしてにおいを嗅いで)
んふ、んふふふふ。先輩のおしっこの臭い、こんな感じなんだぁ。
あは、先輩ったら顔真っ赤にしちゃって、恥ずかしいんですね。
んぅ、先輩のおしっこ、美味しそう…、あは、飲んじゃい、ますね?
んっ、んっんっんっんっ…(飲み込んでいく演技)
んふぁー、んぅ、んー、あははぁ、先輩のおしっこ、飲んじゃいました。
えへ、えへへへ。先輩の体温で暖められた先輩の体で作られた、先輩のおしっこ、
先輩100%ジュース。
あは、あはは。それが、私の体の中に入っちゃったんだぁ。
ねぇ?先輩の体の中にあったものが今私の中にあるんですよ。
あは、あははははぁ。このおしっこ、私の栄養になって、私と一つになっちゃうんです。
あぁ、もしかしたら尿瓶なんて使わずに、今度からは直接私の口の中にしてもらってもいいかもしれませんね。
先輩が望めば、私、いつだって先輩のおしっこ直飲みしてあげますよ。
まぁ、まだ私がいると気になって出せないみたいですし、しばらくは尿瓶で練習、ですね。大丈夫ですよ。先輩ならすぐ私に直接できるようになりますから。
どうですか?こうして先輩の何もかも、私にお世話してもらえるのは。
何も不自由なこと、無いですよね?
これからはずーっとずーっと、こうやって二人っきりで、幸せに暮らせるんです。一生、死ぬまで、私に面倒をみられながら。ふふ、ふふふふふふふ。
じゃあ、おしっこしてすっきり出来たところで、朝までもう一眠り、しましょう。
もう先輩を一人で寂しく寝させる事なんてないですからね。
こうして私が横で、一緒に寝てあげます。
ほら、こうやって、私が先輩を抱っこしてあげますから。
んふ、あははぁ、先輩の心臓の音、伝わってきますよ。
先輩の体温も、息づかいも、血の巡りまで。先輩という命が、私に全部流れてきます。あはは、あは、あははは、幸せ、私、とっても幸せです。
先輩も、私の命を感じますよね?ふふふふ、二人でお互いの存在を伝え合って、感じあいながら眠れるんです。これ以上ないぐらいの幸福ですよね。
うふふふ、それじゃあ、お休みなさい、先輩。
また、明日。