(0).プロローグ
……ん、うん……?
なあに、まだ眠いのに……
って……え、
砂浜……う、海……?
えっと……あなたは……?
「君こそ大丈夫?」って……
そうだ、私……は……
……あれ?
私は確か友達と船に乗っていて……
それから……どう、したんだっけ?
それにここは一体どこなの……?
ええと、私は……はっ、そうだ、私!
船で旅行中に……
確か嵐で、すごい波がきて……
船から振り落とされて……!
そうだ……私、だけ……
ここに流されてきちゃったのね……
あれ?じゃあもしかして、
君が助けてくれたの?
すごい!君は私の命の恩人ね!
君がいなかったらきっと私は今頃……
君にはなにか、とっておきの
お礼をしなきゃね
たいしたことない、
なんてことないよ!
だって君が私を助けてくれなかったら、
私は死んでたかも。
だから君は、命の恩人!
はぁ~~、でもよかったぁ……
この島には、私一人じゃないんだね……
でも私ここがどこだかもわからなくて……
君はここがどこだかわかる?
……へえ……ここは無人島、なんだ……
そっかあ……君は夏休みで遊びにきたのね
小さい船で……?
しばらくはここにいるつもりなの?
そっかぁ……
うーん……
私、無事に帰れるのかしら……
それに他のみんなのことも心配……
あの嵐で、無事でいてくれたら
いいんだけど……
……でもきっと、みんなも嵐を
抜けてくれたよね……
そう、信じるしかできないわ
……ああ!ごめんね、
君を困らせたかったわけじゃないの
私本当に帰れるのかな~とか、
みんなの安否がちょっと不安だっただけ
帰れるかはともかく、
みんなのことは祈るしか
できないもんね……
……ふふ、慰めてくれるの?
ありがとう♡
いつまでもへこんでたらだめよね、
私は今自分ができることをしなくっちゃ
それに……
君がいてくれて、本当によかった
改めてお礼を言うわ、
本当にありがとう
あ、そうだ自己紹介がまだだった!
私はハル、っていうの
気軽にハルって呼んでね
うん、よろしくね♪