■パート1
ふふっ。
こんにちはー、おはようございまーす。目が覚めましたか?
起き上がれそうですか?
血圧と検温をするので少し腕を借りますよ。
右脇に体温計差すんで少し開きますね。
昨日のこと覚えてますか?
あなたは事故にあって、さっきまで意識を失っていたんですよ。
怪我のほうは幸いたいしたことはなくて、腕が骨折しただけで済んだみたいです。
ほら、包帯とギプスで固定してあるでしょ。
綺麗に折れているらしいので、後遺症なんかは残らないって話です、そこは不幸中の幸いでしたね。
これから……ご不便だと思いますが、治るまで辛抱してくださいね。
そうだ! お腹のはすいてますか? 一応お昼ごはんは出てますので、食べれそうなら持ってきますけど……。
私としては早く元気になってほしいと思ってるので、食べたほうがいいと思います。
はいっ、では、持ってきますね。
そうでした、すっかり忘れてました。
日中の看護師を担当します。尾口麻衣(おぐちまい)です。よろしくお願いしますね。
夜は別の者が担当しますが、日中は私がいるので、何かあれば遠慮なくナースコールを押してくださいね。
それではお食事っを持ってくるので一旦失礼します。
ご飯ですよー、お待たせしましたー。
おやおや~、お食事もって来ましたが……、その腕じゃご飯食べられないですよね?
私がお手伝いするのでしっかり食べてくださいね♪
私があなたに食べさせてあげるんですよ? 恥ずかしがってるんですか?
ちょっとベッドに座りますねー。
そんなの気にしないで大丈夫ですよ。安心してお口を開けてくださいね。ふふっ。
ほぉら、あーんしてください。あーん……。
おいしいですか? よく噛んで、食べてくださいねー。
少し時間が空いちゃったから、お腹すいちゃってましたかね?
はいはい。はいっ、あーんっ……。
スープも飲みましょうねぇ。
うんうんっ。これだけしっかり食べてくれると、私も嬉しいです♪
しっかり噛んでくださいね。病院のご飯は栄養バランスはいいんですが、量が少ないで、よく噛まないとお腹すいちゃいますよー。
はい、あーんしてください。
こんな感じで誰かに食べさせてもらうことってありますか?
ホントですか~またまた~、本当はいるんじゃないですか?
おおっと、あまり詳しく聞きすぎると個人情報とかで怒られちゃいますからね。この辺にしときましょう♪
私学校を卒業したてで、病院で働き出したのがつい最近なので患者さんとお話しするのがつい嬉しくなっちゃっいまして。
ほら、あなたのベッドの頭のところに担当医の先生とか書いてあるでしょ?
ここっです! よく見てくださいっ、看護師のところに私の名前入ってるでしょ?
凄くないですか、私、ここに自分の名前が乗ったの初めてなんですよっ。ドヤァ
ちょっと、そんな目で見ないでくださいよ、あなたの担当になれて嬉しいんですからあなたにも喜びを分けてあげようかと思いましてっ、あっどうぞ、あーんしてください。
だからしっかり援助してあげるので困ったことがあれば何でも言ってくださいねー。ふふん♪
おや、ご飯もうなくなっちゃいましたね。
どうでした? 病院のごはんはあんまりおいしくなかったですか?
あはは、早く退院しておいしいご飯、彼女さんとかに食べさせてもらってくださいね。
あとで先生が回ってきたら教えてくれると思いますが、腕以外なんともないので数日中には退院して自宅療養できると思いますよ。
よいしょっと。そうでした、今日はお風呂は、入りますよね?
いまだと……19時以降が全部埋まっているのでそれ以外でしたら全部空いていますね。
あと20分ほど後、くらいに予約とっておきましょうか。
その腕だと体洗えないですから、私が手伝うので安心してください♪
両腕同時にやっちゃう人はそういないですが……。
両腕が使えないと不自由なことがでてくると思うので、退院するまでに慣れてくださいね。
それに……男性の方だとアッチの方の処理なんかも……大変って聞きますねぇ。
おっと、これ以上はセクハラになっちゃうのでやめときましょう♪
でも大事なことなので……。
ここだけの話、院内の売店にはそういった大人向けの雑誌とか置いてあるんで……本当に我慢できなくなったら“使う”といいですよ。
……ちなみにですね、雑誌のチョイスは病院の上層部にいるとーっても偉い人がしてるらしくて、病院とかでシちゃうもの凄くエッチなナース物とかが多いそうですよ。
あなたもナースさん見て興奮しちゃいますか~? 正直な話、ナースさん見てムラムラしちゃう方って実際いるので、そういうのが良く売れるのかもしれないですね。
ふふ、私のことエッチな目で見ないでくださいよ。……えへへ♪
あなたのご飯を食べさせてあげるもは私です、お風呂を手伝ってあげるのも私です、トイレや歯磨きだって手伝ってあげるのもぜーんぶ私です。
そーんな私に変なことしたら、何もしてあげないですから気を付けてくださいね♪
その腕じゃ何もできないでしょうけどね♪
ふふっ……ではでは私は食器片づけに行くので失礼しますね。
お風呂の時間になったら声をかけますよー。
ではまた後で。
ハッ、私気づいちゃいました……!
その腕じゃ大人向けの雑誌があっても使えないじゃないで、す……スッポンポンポン?!
たッ!勃って……る。
あっ……の……。
えぇと……その、ごめんなさい。
さっきは、その……そんなつもりで言ったんじゃなかったんですけど……。
その……ごめんなさい。
あー……でも……ここをその気にさせちゃったの私のせいですよね……。
うー、男の人ってこのままじゃ辛いんですよね……。
ほっといても収まらないですよね……こんなところ、誰かに見られてもアレですし……。
その、手でなら……手伝ってあげましょうか。
手だけに、なんちってー。