登校前
おはよう……ごめんなさい。今朝は何だか体調がすぐれ
なくて…待ち合わせの時間になっても連絡が出来なかっ
たから…
心配させてしまったみたいでごめんなさい。
それからわざわざ迎えに来てくれてありがとう。
やっぱり今日も雨が降るみたい
雨が振りそうな日はいつも体調が崩れるから、天気予報
よりアテにしていて良いわ
傘は……持ってきた?
そう…忘れてしまったのね。なら…今日は一緒に帰りま
しょう。
大丈夫…発作が起きてもあなたが一緒なら安心だもの。
きっと私を守ってくれる。私もきっといつもの私でいら
れる。
……深い意味はないの。信頼しているってことよ。あな
たといると安心するから。
あ……ダメッ!て、手は…繋げない。私緊張すると汗を
かいてしまうから。
やっ……ダメ!ごめんなさい。
あなたのことは好きだけど……こういうことは…もっと
お互いをよく知り合ってからだと思うの。
…え、小指?
………なら、小指だけなら………。
……可笑しい?恋人同士なのに触れ合えるのは小指だけ
だなんて。私のことをキライになったかしら?
ふふ……小指だけでも幸せだなんて……そんな恥ずかし
いこと言わないで。耳まで赤くなってしまう…。
訂正するわ…既に顔が熱いもの。きっともう真っ赤な顔
をしているはず。
…………このまま学校なんて行かずにこうしてずっとあ
なたとお話をしながら歩いていたい。
でも…無理ね。私たちまだ学生だもの。
授業が終わって…一緒に帰れるのを楽しみに待って