Track 5

エピローグ

 はぁ……  うー。我、さっき、ぼーっとして、変なこと言ってなかったか?  うぅ~~~っ。  貴様、そのニヤけた顔をやめろ! まったく……。  はー。本当に、全部、貴様のせいだっ!  貴様とさえ出会わなければ、こうはならなかったのに……!  ……いや、でも、あのとき貴様が来なかったら、我、肉体に戻ってないわけだし……。  うぅ~~。  くそっ! 怒りのやり場がない! くそ、くそぉっ!  ……ふん! まぁいい。  人間どもへの復讐は、無期限延期だ。  それまで、貴様の家に住まわせてもらう! いいな!  ……なんだ。  我が住むことに、まだ文句があるのか?  ……え。  わ……我、働かなきゃいけない……の?  え、えぇ~……。  いや、うん、はい。そりゃ、何事にも金が必要なのは、分かってますけどぉ……。  だって、我、メドゥーサですよ? そんな我を雇ってくれるとこなんて、ある?  それに、ほら。働くにしても、戸籍ってのがいるんだろ? 我、戸籍ないし。  な? だから、貴様が我を養ってくれないと! 困る!  ……う、うぅ~~。  わ、分かったよぉ。何とかする……。  うーん……昔、魔法使いと戦ったとき、催眠魔法とか聞きかじった記憶があるから……それ使えば何とかなるか……。  魔力もたっぷりあるから……まあ、我のことを誤魔化すくらいはできるだろ……。  え? あぁ……そうか。後は、我の名前か。  メドゥーサ、って名乗るのは、確かにこの国ではおかしいな。  別に、呼び名にこだわりなんてないし、適当でいいんだけど……  ん~~……  じゃあ……“メメ子”。  え? ダメ?  この国の伝統的な命名法なんじゃないのか? 名前の最後に、“子”がつくのは。  ま、変だったら変えればいーし。  とりあえず、今日から我はメメ子ってことで。  ほら。貴様も今度からそう呼べよ?  ……うん♪ それでいいんだ♪  じゃあ、改めて。  これから……よろしく頼むぞ♪  ふへへー♪