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狐の姉上と二人暮らし

//引き戸の音 お帰りなさいませ♪ お勤め、お疲れ様でございました♪ さ、お履き物をお脱ぎになって…。ん。 はい♪ まずは、お帰りの「ぎゅ~」致しましょうか♪ はい ぎゅ~~~~♪ 本日もお疲れ様でした。 無事に帰ってきてくださり、ありがとうございます♪ はい♪ 狐の姉上のお身体暖かい? ええ、うんと味わってください♪ お夕食の準備出来ておりますよ♪ 本日も腕によりをかけて、 あなたの為にお作り致しました♪ さ、居間で一緒に頂きましょう。 お鞄お持ち致します♪ 今日もお仕事大変だったのですか? よく頑張りましたね、とっても偉いですね。 あら? いかがなさいましたか? 姉上のお尻ばかり見て…。 あぁ、尾っぽ(おっぽ)が気になるのですか? 姉上は、狐であるお母様から生まれた『妖獣』ですからね♪ 見た目はヒトでも、お尻には狐の尾っぽがついておりますよ♪ 耳もヒトのものではなく、 狐らしいケモノのお耳があります♪ ほら、狐さんですよ~ コンコン♪ ふふ♪ 幼い頃からすっかり見慣れているのではありませんか? 私とあなたが初めて出会ったのは、十年以上も前のこと。 あの頃のあなたは小さくて可愛かったです…♪ 姉上と初めて出会った日、覚えておりますか? ふふ♪ それほど小さな頃からずっと一緒にいるのですから、 もう尾っぽは見慣れておりますでしょう? 何を今更仰っているのですか、ふふ。 おかしな弟ですこと♪ もしかして、羨ましく思ったのでしょうか? ふふ。 あなたはヒトであるお父様の血を引いていますから、 お母様やわたくしのような狐の尾っぽや、ケモノのお耳はありませんものね。 あげることはできませんが、 遠慮なく触ってくださって大丈夫ですよ♪ ふふ なんだか…あなたに出会った頃をふと思い出ました♪ あの頃、尾っぽやお耳を珍しそうに見られてましたよね… 初めて顔を合わせたあの日。 お父様とお母様に「今日からあなたたちは姉弟(きょうだい)ですよ」と言われ、 最初こそ動揺して距離を取っておりました。 しかし、わたくし達は半年もしないうちにとても仲良くなれましたよね♪ 今は実の姉弟(きょうだい)のように… いえ…それ以上に仲の良い姉上とあなたですね♪ ふふ さ、居間に着きました♪ 今夜のお夕食は お魚の煮つけ、小松菜のお浸し、 大豆がうんと詰まったお豆腐、 秋に獲れたばかりのお米で炊いたご飯。 それとカボチャのお味噌汁、です♪ カボチャと味噌汁は、少々不思議な組み合わせにも見えますが、 これが案外美味しいのですよ♪ お口に合うとよいのですが…。 さ、それでは  いただきます♪ いかがですか? 「美味しい」? まぁ♪ ありがとうございます。 愛するあなたにそう言ってもらると、 姉上、今日一日頑張って良かったです♪ 明日もあなたにそう言っていただけるよう、 頑張ってお料理致しますね♪ このお屋敷の『主人』としての生活には慣れましたか? ふふ、主人と言いましても このお屋敷にはあなたと私の二人しか住んでおりませんが♪ お父様とお母様がご隠居なさってから今日で一週間。 まだそんなお歳でもないのに、お父様ったら急に隠居なさると仰って、 わたくしもお母様も大変驚きました。 お父様ったら一度言うと中々ご意見を変えてくださらないですからね…。 ですがまぁ、隠居先はこのお屋敷のすぐ傍ですが…ふふ♪ きっとお父様は、子供の私たちに邪魔されることなく、 お母様と二人きりになりたかったのでしょう♪ だってお母様はとても綺麗な狐ですし…。 先日も、20代の娘さんに間違われておりました♪ しかし、そのような訳で、 お父様の一人息子であるあなたが急遽、 この広いお屋敷の主人ということになったのですよね♪ とはいえ、お料理やお洗濯、家事が何もできないあなたが お一人で生活できるはずもありません。 それにあなたは日中 お仕事がありますでしょう? ですから、 姉上があなたの身のお世話をさせて頂くことに相成りました♪ 何、心配することはございません。 姉上は、お母様から花嫁修業として、 家事をきちんと教わっておりますから♪ あなたのお嫁さんになったつもりで身の回りのお世話、させて頂きますね♪ それと、 もしお仕事などで辛いことや腹立たしいことがあったときは、 遠慮なく姉上にお話ししてくださいませ。 姉上は、狐の半妖ゆえ、 妖術によって近くにいる方の大まかな気持ちが分かります。 もちろん貴方のお気持ちも。 しかしそれは嬉しい、悲しいなどの文字ではない感覚的な気持ち。 具体的な内容は読み取ることは出来ません。 ですから、お話をして頂きたいのです。 無論、解決できるかはわかりませんが、誰かに話すというのは、 不安な心にとってとても大切なことです。 話さずとも、単に姉上に甘えて頂くだけでも結構ですよ♪ 触れ合い抱きしめ合うだけでも違いますからね。 もちろん、嬉しいことがあったときも、 是非お話してくださいませ♪ 大好きな弟の嬉しかったこと楽しかったことは、姉上は聞きたいですから♪ あと…♪ ふふ♪ あなたはもう立派な殿方♪ 一日一度は必ずお射精をして、スッキリいたしましょうね♪ お食事でお腹を満たし、湯船に浸かり身体の疲れを癒し、 それからお射精して、心の苛立ちを解き、心を幸せな気持ちで満たしましょう♪ そして最後は、柔らかく温いお布団の中でぐっすりとお休みになるのです♪ ご飯やお風呂だけではなく、お射精に至るまで 姉上がきちんと、お手伝いして差し上げますから♪ ふふ お家にいる間は、何もしなくて良いのです♪ お家のことはすべて姉上に任せて下さいませ。 分かりましたか? ふふ、よいお返事ですね♪ あらあらいけません。 お話をしていたら、折角作ったお料理が冷めてしまいますね。 さぁ、冷めてしまう前に頂きましょう♪

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