プロローグ
時は戦国乱世の物語・・・
住んでいた村の近くで合戦が始まり
私達は戦に巻き込まれる前に村を捨て逃げる事にしました
私達のような力無き者が合戦に巻き込まれたら命はありません
こうして先に逃げる事こそが生き延びる唯一の方法だったのです
私達は山を越えた先の城下町を目指し旅をしていました
しかしその道中、運悪く山賊達に見つかってしまいました
私達の前に現れた山賊は4人・・・
たった4人とは言え、その手には刀や槍をたずさえた屈強な男達です
抵抗すれば命はありません
彼らは私達の食料や衣服を奪うのが目的です
素直に荷物を渡せば命は助かるかもしれません
しかし、山賊達が近づくにつれそんな考えは甘いと悟りました
山賊達の目は飢えた獣のような恐ろしい目だったのです
彼らの身につけている鎧や衣には黒い返り血がいくつも残っていました
抵抗せず素直に荷物を渡したとしても、面白半分に私達を斬り殺し弄ぶ事でしょう
村人達もそのことが分かっているのか、皆身体を抱き寄せ恐怖に震えています
そんな村人達を見て、私の中で巫女としての使命がたぎってきました
このまま恐怖に震えて殺されるのを待つより
思い切って山賊達を相手に見逃してもらえないか交渉してみようとしたのです
自信はありませんでした
話が通じなければ真っ先に殺される事になるでしょう
それでも村人達を救いたい
その想いが私を突き動かしました
私は死を覚悟して山賊達の前で跪き、頭を下げました・・・