0 、貴方は HERO に選ばれま した。 (全シリーズ 共通)
…目が、覚めましたか?
まだ頭がぼーっとします…?まだ睡眠薬が完全に切れていないみたいですね。
覚えていませんか?貴方はコンビニに行く途中、私たちに確保されました。
急に黒服に囲まれて、驚かれたことでしょう。
すみません、手荒なコトをして。
…あ、いえ、貴方は何も悪い事などしていません。ただ…
貴方は選ばれたのです。
この世界を
救う ための HERO に。
…何を言っているのかわからない?
…そうですね。全くその通りです。
これは国のとある『機関』が極秘で行っていること。一般人の貴方に情報が届いているわけ
がないのです…。
ご説明致しましょう。今、世界が直面している危機と、
HERO に選ばれた貴方のことを。
まず、世界が直面している危機とは。
異世界人がこの世界を侵略しようとしているのです…
信じられないかもしれませんが、こ
れは 本当のことです。よく、思い出してみてください…最近、道を歩く人…職場…学校…女
性が増え、男性が減っていると感じませんか…?
偶然…?いいえ。違います。これは異世界人の侵略なのです。
『
creep (クリープ)』。これが彼女たち 世界侵略組織の名前です。
C
reep に所属する異世界人は全員女性を模(かたど)っています。 彼女らはこの世界の男性
に種…つまり精子を子宮内に出させることで、自分たちの種族を増やしているのです。
彼女らの成す子は全て女…つまり現在男性が減り、女性が増えているのは…そういうこと
です。
彼女らは
まるでこの世界の女性である かの ように振る舞い、男性を誘惑し、自分に種付けさ
せます。そして自分たちの種族を増やし…この世界を手中に収めるつもりなのです。
このままでは…いずれこの世界の男性は根絶やしにされます。
それを防ぐため、国の『機関』はこの
組織、 『 creep 』に対抗する術を考案したのです。
それが、『
HERO 』。
国民から代表となる男性を選び、
その男性に『 creep 』のメンバー に接触してもらう…とい
うものです。
我々はこのような新薬を開発致しました。
前のテーブルに薬があるのがみえますか?
この薬は貴方に飲んで頂く薬です。
この薬は敵となる『creep』の女性のフェロモンに反応し、人工精子を生成させる薬。
この薬を飲んで生成される人工精子は、異世界人の彼女らの子宮に注ぐことで以後この世
界の男性の精子を受けても受精できない体にさせるものなのです。
要は、この薬を飲んで『creep』の女性とセックスをして頂く…ということになるのです…。
ただ、この薬には一つだけ難点があります。
いえ、人体に全く影響はございません。
普通の人間に対しては全く害のない成分でできておりますのでご安心下さい。
ただ、その難点なのですが…
実はこの人工精子生成には、時間がかかるのです。
体内に吸収されて、相手の女性のフェロモンに反応した後に生成されますので…早くて40
分、遅いと一時間以上の時間を要します。
その間、相手の女性からの誘惑に耐えて頂かなくてはならないのです…。
彼女らは非常にフェロモンが強く、男性の射精を誘発しやすい体質。
その彼女たちの誘惑に耐えるのは大変困難なことなのですが…
この世界のために…世の男性が生き残るために…お願い致します…!
引き受けて頂けますか…ありがとうございます!
それでは、敵を倒すために貴方に一人サポート役をつけさせて頂きます。
今回の敵につきましてはサポート係の彼女の方から説明をさせていただきます。
それでは、私はこれにて失礼致します。
ご検討をお祈り申し上げます。