Track 4

【トラック4】

おまたせ……ごはん、食べさせてあげるね。 なんでって、あんた今、手使えないでしょ。 まあ、あたしがそーしてるんだけどさ…… はい。これ。 トマトリゾットだけど……あんた、別にトマト嫌いじゃないよね。 よかった。 ふう、ふう…… はい、口あけて…… だーめ あたしが食べさせるの。 言っとくけど、手錠は外さないよ。だって、力で抵抗されたら勝てないもんね。 あんただって 男だし いちおー…… ふふ あんたがあたしのものになったなー、って、あたしが確信するまで。 それはそのまま。だからね。 はい、観念して。お腹空いてるでしょ。 あったかいもの食べて、体力つけなきゃ。ふふ。 ちゃんと食べないと、もうチンポいじめてあげないよ。 ほら、あーん…… そー 素直に言うこと聞けるじゃん イイコ どう?自炊はほどほどにやってるから、不味くはないと思うけど。 ……おいしい?よかった。 ふふ、もう一口。ふう、ふう…… あーん。 こうやってるとなんか。カップル、みたいじゃない?なんて。 でも、嬉しいな。あたし。あんたとこーゆー事すんの、ずーっと妄想してたんだよね。 キモイよね。わかってる。でもあたし今、すごい嬉しいから。ほっといて。 え、別にキモくない?どーだか。 ほんとに?そう思う?でもさ、そう思うってことは、それって……つまり…… (「あたしのこと好きなの?」って聞こうとして言いよどむ あまり自信がない) ……ふふ、まあいいや。ほら、もう一口。ふう、ふう…あーん。 ふう、ふう……はい。あーん。 ……いつかこうやってさ、私にも、食べさせてほしいな……なんて。 え、今?だーめ。そんなこと言って、手錠、はずしてもらうつもりでしょ。 騙されないからね? ……でも、ありがとね。 あたしの作ったごはん、食べてもらえて、嬉しい。 なんか、あー、あたしの作ったものが、あんたの血肉になるんだ、って思うと なーんか、ちょっとゾクゾクしちゃうよね…… ふふ ヘンタイっぽい?うっさい。 ほら ふう、ふう…… あーん。 うん じょーずじょーず ふふふ はー……あたしいつか子供出来たときもこう思うのかな。 きっともっと感慨深いだろうね。あたしの一部だったものが、あたしの体から出たもので、体を作ってく、っていうのは……こんなもんじゃないかも。 まー、まだちょっと気が早い、か? まあ でもいつかは…… あんたと…… ふう ふう ほら あーん。 そん時はあんたにも母乳、わけてあげよっか。ふふ 何言ってんだろうねあたし こんな 犯罪みたいなこと…… ってか ガチで犯罪か 犯罪 犯して あんたと一緒にいるのに あんたと結婚する気でいるどころか 子供のことまで考えてる。 あーあ こゆとこが重いって言われんだろうなあ まあ でも 関係ないか。 あんたはあたしのものになるの。これから。 あたしの匂いの部屋で、寝て、起きて、あたしの作ったごはん食べて、あたしにきもちーこと教えられて……気が付いたら、もう、あたしがあんたの一部みたいになってる。 そーなったら 幸せだな……あたしは。 はい これで最後 ふう ふう あー……ん。 ふふふ 素直に食べてくれるね もっと嫌がるかと思ってた ほんとにうれしーな……幸せ。 これから毎日……こうやってご飯作って……食べさせてあげるから。 あたしなしじゃ生きていけなくなって……なんてね。ふふ。