01_プロローグ
お初にお目にかかりますわ
私、ネリル・リリー・ド・ミシェルと申します。ネリルと呼んで下さい
え? 見てのとおり窓から入ってきましたよ。お兄さんの悩ましげな顔が見えたのでつい
私が悩みを聞いてあげますよ。ほら、私の目を見て下さい。何も考えないで、私の目だけを見るんです
……なるほど。お兄さんはもうすぐ結婚を控えているんですね
しかも相手は名門貴族の令嬢様で結婚生活、とくに初夜を不安に思っていると
ねぇ、お兄さん。結婚まで私を練習台に使いませんか?
難しく考える必要はありません。ただのトレーニングだと考えてもらえればいいんです。
私は淫魔ですが見ての通り小さく貧相な体です
こんな幼児体型ですが、女に対して免疫がないお兄さんにとっては丁度いい練習になるんじゃないかしら
精を搾り取られる、なんて危惧もしなくていいんですのよ
お兄さんが自分の意志で私の体を求めなければ決して私からは精を搾取したりしないと誓います
今日から結婚式まで毎晩私が、この部屋に伺います。そこで初夜に向けてのトレーニングを致しましょう。いかがですか?
……うふふ、交渉成立ですね
どうか心配しないで下さい。私に任せておけば何の心配もありませんから……