プロローグ
(歩く音のあとに走る音)
あらぁ、こんばんは?
あなた、この子のお友達?
……へえ、この子のお友達なのね
ふふふ……ネズミちゃん、
あなた久しぶりの再会でしょう?
お友達にご挨拶してあげたらどう?
なんて……無理よねえ、だってあなた、
もう口がきけないんですもの
……ふふ、どうしたの?
震えちゃって……私が怖いのかしら?
ふふ、うふふふ!
怖いわよねえ、そうよねえ!
私はこの通りラミア、
あなたは私達のエ・サ♡
あなたたちは私に食べられるのが
この世界の常識なんだから!
(走る音)
(少し遠くから)
あははっ、逃げたって無駄よぉ!
(地面をシッポがずる音)
(囁き)私から逃げよう、だんて♡
まったくあなたもおばかさんね?
はいっ、捕まえた~♡
可愛いわねえ、とっても活きが
良くて新鮮そうな子だわ
助けて欲しいって……
この子に助けてもらおうとしても無駄よ、
この子はもう私のおもちゃなの
私の命令しか聞かないし、
きっとあなたのことだって
覚えていないと思うわ
可愛いでしょう、
このとろんと溶けた瞳……
私のことしか見えてないのよ♡
私のかわいいかわいいネズミちゃんなの♡
もちろんあなたも私の可愛い可愛い
ネズミちゃんになるの
あなたも私のコレクションにしてあげるわ♪
(囁き)あなたのこと、
たーっぷり可愛がってあげる
さあ、私達のおうちに帰りましょうね、
ネズミちゃん……♡