エピローグ
ボクちゃんのお母さんね?
もうすぐ迎えに来るって?
いま、電話があったよ?
お友達はもうみんな帰っちゃったけど…。
良かったね?
《ボク うん》
ふふっ。
今日もまたいつものように、忘れないうちに、おまじないを掛けておかないとね?
ほら…。
この音、聞こえる?
《指ならし パチンパチン》
そう、そのまま先生の指を見ていて?
これからお話しすることを、よ~く聞くんだよ?
いぃい?
《ボク うん…》
ボクちゃんは今日一日、とっても楽しかったね?
みんなと遊んで、絵本を読んで、お昼寝をして…。
それから先生と、Hなこともしたよね?
その記憶はボクちゃんにとって、すごく大切な宝物。
誰にも触(ふ)れることができないくらいに、ね?
《ボク …うん》
だけど先生が5つ数えて指を鳴らすと、Hな記憶だけは…どうしても思い出せない。
おちんちんが気持ちよかったことだけは覚えているけど、何をされたのか、ぜ~んぶ…忘れてしまう。
でも明日(あした)先生と会ったら…またなにもかも、思い出せるようになるの。
なにもかもね?
《ボク ……》
いくよ?
5(ごぉ)、4(よん)、3(さん)、2(にぃ)、1(いち)…。
《パチン》
《しばらく無音》
さぁボクちゃん、おうちへ帰ろ?
お母さん、迎えに来てるみたい?
ほら、先生の手を握って?
一緒にお外(そと)までいこ?
ね?
《ボク うん》
ふふっ、ふふふっ。