主人公の歓迎会
//SE 足音
主人公、紅里と肩を組んで歩く。
今日は、送ってもらって助かっちゃいました。
ごめんね。あなたが新入社員で入ってきて、あなたが主役の歓迎会なのに……。
そうそう、私椎名紅里っていうんですよー?
え、知ってる? 自己紹介したっけ?
ふふっ、酔ってるからわからなくなっちゃいました。
あぁ、ふらふらしちゃう……。
送りオオカミはだめですよ?
しない? ふふっ、本当かなぁ?
残念だけど、夫以外は異性として見れないかな♪
マンション同じで……家がお隣さんなんですよね?
なら、オオカミさんの心配ないですね♪
マンションに到着。
……って、心配することなくもうマンション着きましたね。
//SE エレベーターが開く音
エレベーターに乗り込む。
//SE エレベーターの動く音
二人きりのエレベーターって、なんかドキドキしますね。
夫と、ラブラブなときはよくキスしてたなぁ。
バレないドキドキがね、恋に火をつけちゃうんですよ。
//SE エレベーターが開く音
//SE 足音
//SE 鍵を開ける音
家に到着し、鍵を開ける。
はぁぁ、ようやく家着いた……。
//SE 廊下を歩く音
ただいまー。あ、夫いるけど……こちら、わたしの旦那さん♪
子供は寝てるけど、可愛いから見ていく?
リビングで紅里の夫と対面。
あなた? この子、新入社員なの。だから、わたしの上司♪
えー、酔ってるぅ? そんなことないよぉ、アハハ……。
紅里の夫、立ち上がるとお風呂へ。
あれ、お風呂入るの? うん、わかった。
あの人ね、長風呂で……いーっつも入ったまま寝ちゃうんですよね。
うん、オチンチン丸出し♪
もー、着替えさせるの大変なんですよぉ?
おうちで一杯やる? それとも、そっちのおうちにお邪魔しちゃいましょっか?
//SE 倒れ込む音
主人公、足を踏み外して紅里を押し倒す。
って、あっ、危ない……キャッ!
んぅっ! ごっ、ごめんなさい……ッ!
紅里、キスをしたことに気付いて慌てて顔を離す。
今、キス……しちゃいましたね……。
あの、バランス崩したとはいえ……この、押し倒されたみたいなカッコは、恥ずかしいんですが……。
ちょっ、ちょっと……顔、近いですよ……?
あっ、んっ、んちゅ……ちょっと、舌、入って……!
んぅっ、んっ、んーっ!
ぷはぁ……! はぁ、はぁ……やっ、やめてください!
あんっ、そんな……わたしをどうするつもりですか!?
え……わたしの、夫婦生活を知ってる?
主人公、スマホを取り出す。
スマホに、わたしたちのセックスを録音してるんですか!?
……ヒドい。どうして、そんなこと……。
好き、だった?
そういえば、飲みの席でも言ってましたね……。
学生の頃、わたしに片思いしてくれて……それで、大学で妊娠したわたしを知って、失恋したって……。
ふっ、復讐のため、ですか……。
そんなの、あなたのわがままじゃないですか……。
好き、だったら……わたしの幸せを願ってくださいよ。
……スマホに録音した声、誰にも、ばらまかないでください……。
そのかわり、やらせろ?
……そんな、エッチしたいなら……風俗に行けばいいじゃないですか。
どうして、わたしなんか……。
あっ、ちょっと! 顔、近付けないでください……!
え……種付け?
……そっか。わたしたちが、子作りしてるのも……知られてるんですよね。
……でも、そんなの許すわけにはいきません。
けど、このまま夫婦のセックスをみんなに知られて、お仕事できなくなるくらいなら……。
あ、あくまで……挿入はしませんからね。