プロローグ
こんにちはー、お久し振りー♪
愛しの亜凛お姉ちゃんが遊びに来たわよー
ふふ、驚いてる驚いてる♪
まぁ、何も伝えずに遊びに来たんだから、当然かぁ
何で急に来たんだって・・・
丁度連休中だし、可愛い弟がどうしてるかなーって様子を見に来たの
絢(あや)も遙花(はるか)も心配してたよ?
初めての一人暮らしでちゃんとやっていけてるのかって
んー、でも皆心配性だよね
まだ一人暮らし始めて数ヶ月なのに…
え、私?
私は当然ながら、ものすご~く心配だよ?
実家にいた時もそうだったけど、結構お部屋散らかってたし…
お姉ちゃんがちょくちょくお掃除してあげてたもんね
だから、今回は君の暮らしぶりを抜き打ちチェックしたいなー♪
ちょっ…何で私の前を塞ごうとするのよ~!
はは~ん、その様子だと一人暮らししてても、あまり変わってないみたいだね
ほら、観念してどきなさいってば
えへへ、お邪魔しま~す♪
さてさて、お部屋はどうなってるかなー…?
あー…
やっぱりこうなってるんだぁ…
ちょっとぉ、どうなってるのこれ?
地面に物は置きっぱなしで足の踏み場もないじゃないのよ
お布団も敷いたままだし、服も畳まないで雑に放ってあるし…
ねぇ、これってちゃんと洗濯してる?
え…これで一応洗濯してるんだ…
凄いしわくちゃなんだけど…
テーブルも色んな物が置いたままでごちゃごちゃしてるし、もうちょっと綺麗にしときなよ、もう~
いつもここでご飯食べてるんでしょ?
食事と寝る所くらい、綺麗にしてすっきりした気持ちで生活しなきゃダメだよ
ん?何このビニール袋…
うっ…これってコンビニのお弁当…!?
何でこんなとこに放置したままにしてるのよー…
それにカビもふいちゃってるし…
ほら、ちゃんと洗ってゴミ袋に入れるっ!
…というか、ゴミの日にちゃんと捨ててる?
どうせ君の事だから、面倒くさくて後回しにしてる内にこうなっちゃったんだろうけど…
正解っ!じゃないわよ、もう~!
こんな事で胸を張られても呆れるしかないんだから…
はぁ…まさか数ヶ月のうちにこんな汚い暮らしをしてるなんて…
私の予想を上回っていたわ
ここに来るまでの間、「だらしない弟でも一人暮らしをしたら、少しはまともになってくれるかもー」
…なんて思ってたお姉ちゃんが馬鹿みたいじゃない
このままだと一年足らずでゴミ屋敷の主になりかねないわね…
ほら、さっさとこの汚い部屋を人が住めるようにお掃除するわよ?
んしょっと…
もしもの時を考えて持ってきておいたお掃除道具も役に立ちそうだし
ふふー、淡い希望を持ってはいたけど、万が一の為に準備はしておいたんだから
あっ、そうそう
今日、私泊まる所ないから、君の所に泊まらせてもらうね?
何驚いた顔してるのよ~
これは部屋のお掃除と私が泊まれる環境づくりを兼ねたものってこと
ま、まさか…可愛いお姉ちゃんを夜の街に一人で放り出させる気なの…?
うぅ~…ぐすっ
そんなわけない…?ホントっ?
えへへ、それじゃあ、張り切ってお掃除始めるよ
まずは散らかってる物で捨ててもいいゴミを袋に入れて…