『余と一緒にお風呂入ろー♪』
頭、洗うぞー。
痒いところはございませんかー。なんてなー♪
どーだー? 気持ちいいかー?
そっかー♪
自分でやるんじゃなくて、誰かにやってもらうのって、すごく気持ちいいんだなー♪ ふふ♪
ん。これくらいかなー。
流すぞー。
……うん♪ 綺麗になったなー♪
よーし。じゃあ、湯船入ろっかー♪
ん……♪
ふああ……♪
はああ……♪
人間、寄り掛からせてもらうぞー♪ あ。そのままでだいじょーぶ。
ん……。ふふっ♪
はあ♪
湯浴みは、気持ちいいなー♪
一日の疲れが流れ落ちていく感じだよー……♪
今日もお疲れ様ー♪ 人間♪
よーく頑張ったなー♪ 偉いぞー♪
ふふっ♪ 余と、ゆっくりお湯に浸かって、疲れを癒そうなー♪
はー♪ あったかい……♪ 頭がぽわぽわするー♪
余、魔界にいたときは、ほとんど湯浴みなんてしなかったからなー。
あえて言えば、勇者たちの罠にかかって、溶岩の中に放り込まれたときくらいかー?
あのときはさすがに熱かったなー。まあ、それでも、そこは余だー。軽い火傷で済んだのだがー。
適度な熱さのお湯に入るのが、こんなに気持ちいいことだったなんてなー。
そもそも……リラックスのために湯浴みをするなんて発想、魔界にはなかったなぁ……。
入ったとしても、さーっと洗ってさーっと出る、みたいな感じだったし……。
こっちに来て、この気持ちよさを初めて知ったよー……♪ はああ……♪
……あ、一応言っておくとな。体はほとんど汚れなかったし、そんなに汗もかかなかったから、湯浴みをしなくても平気だったんだ。
汚れたとしても、魔法である程度浄化できるし。
余は断じて、臭くはなかったぞっ。
……まあでも。お湯にゆっくり浸かるのが、こんなに気持ちいいって分かってたら、できる限り入っておくんだったなー……。
このために、一日頑張れただろーなー……。はぁあ……。
こっちの世界で、魔界にいたときの分まで、ゆっくり浸からないとなー♪
……ふふ。余、すっかり湯浴みが好きになったなー。今じゃ、入らないのが考えられないよー。
今度、入浴剤、っていうのを買ってみてもいーかー? なんでも、肌がもっと綺麗になるらしいじゃないか。
あと……オンセン(温泉)、っていうのがこの国にはあるらしいなー。入るだけで、体力が回復すると聞いたぞー。
余の世界にも、傷が癒される魔法の泉、なんて伝説があったが……結局あれはただの伝説で、実際にはそんなのなかったからなー……。
本当に回復するのかどうか……一度、試してみたいなぁ。うん……。
ふふ。休みがあったら、今度、行ってみるかー?
……うん♪ 一緒に行こうなー♪ ふへへー♪
…………。
それにさー。
誰かと一緒に湯浴みをする、っていうのも……初めてだったなー。
最初は、人間と離れたくないから、一緒に入っただけだったけど……
……なんていうか、すごく、いいなー。
こういう風に……人間に寄りかかりながら……優しく抱きしめられるのってさ……。
……うん。余、この時間が、好きだ。
……獣(けもの)はさ。家族の体を、お互いに毛づくろいしたりするだろー?
それと同じでさ……。相当、距離が近くないと、できないことだよなー。体を洗い合う、なんて。
だからかな。人間のこと……いつも以上に、近くに感じられるんだ。
大好きだなー、って、思うんだー♪
……なあ、人間。
キスしても……いい?
……うん♪
ん……♪
んちゅ……れろ……ちゅう、ちゅっ、んちゅう……んちゅう、ちゅう……ちゅう……♪
はぁ……♪
……ふへへー♪ こうやって、すぐにイチャイチャできるのも、すごく好きなところだー♪
ん……♪
んちゅ……れろ、ちゅう、ちゅう……ちゅっ、ちゅる……ちゅう、ちゅう……ちゅっ、ちゅう……♪
ん、はぁ……♪
……ふふっ♪
好きだぞー、人間……♪ 大好きだー♪
余と一緒に、ゆーっくり、お湯に浸かって……
一日の疲れ、ぜーんぶ、洗い流しちゃおうなー♪ ふふっ♪