Track 5

『余と一緒にお風呂入ろー♪』

 頭、洗うぞー。  痒いところはございませんかー。なんてなー♪  どーだー? 気持ちいいかー?  そっかー♪  自分でやるんじゃなくて、誰かにやってもらうのって、すごく気持ちいいんだなー♪ ふふ♪  ん。これくらいかなー。  流すぞー。  ……うん♪ 綺麗になったなー♪  よーし。じゃあ、湯船入ろっかー♪  ん……♪  ふああ……♪  はああ……♪  人間、寄り掛からせてもらうぞー♪ あ。そのままでだいじょーぶ。  ん……。ふふっ♪  はあ♪  湯浴みは、気持ちいいなー♪  一日の疲れが流れ落ちていく感じだよー……♪  今日もお疲れ様ー♪ 人間♪  よーく頑張ったなー♪ 偉いぞー♪  ふふっ♪ 余と、ゆっくりお湯に浸かって、疲れを癒そうなー♪  はー♪ あったかい……♪ 頭がぽわぽわするー♪  余、魔界にいたときは、ほとんど湯浴みなんてしなかったからなー。  あえて言えば、勇者たちの罠にかかって、溶岩の中に放り込まれたときくらいかー?  あのときはさすがに熱かったなー。まあ、それでも、そこは余だー。軽い火傷で済んだのだがー。  適度な熱さのお湯に入るのが、こんなに気持ちいいことだったなんてなー。  そもそも……リラックスのために湯浴みをするなんて発想、魔界にはなかったなぁ……。  入ったとしても、さーっと洗ってさーっと出る、みたいな感じだったし……。  こっちに来て、この気持ちよさを初めて知ったよー……♪ はああ……♪  ……あ、一応言っておくとな。体はほとんど汚れなかったし、そんなに汗もかかなかったから、湯浴みをしなくても平気だったんだ。  汚れたとしても、魔法である程度浄化できるし。  余は断じて、臭くはなかったぞっ。  ……まあでも。お湯にゆっくり浸かるのが、こんなに気持ちいいって分かってたら、できる限り入っておくんだったなー……。  このために、一日頑張れただろーなー……。はぁあ……。  こっちの世界で、魔界にいたときの分まで、ゆっくり浸からないとなー♪  ……ふふ。余、すっかり湯浴みが好きになったなー。今じゃ、入らないのが考えられないよー。  今度、入浴剤、っていうのを買ってみてもいーかー? なんでも、肌がもっと綺麗になるらしいじゃないか。  あと……オンセン(温泉)、っていうのがこの国にはあるらしいなー。入るだけで、体力が回復すると聞いたぞー。  余の世界にも、傷が癒される魔法の泉、なんて伝説があったが……結局あれはただの伝説で、実際にはそんなのなかったからなー……。  本当に回復するのかどうか……一度、試してみたいなぁ。うん……。  ふふ。休みがあったら、今度、行ってみるかー?  ……うん♪ 一緒に行こうなー♪ ふへへー♪  …………。  それにさー。  誰かと一緒に湯浴みをする、っていうのも……初めてだったなー。  最初は、人間と離れたくないから、一緒に入っただけだったけど……  ……なんていうか、すごく、いいなー。  こういう風に……人間に寄りかかりながら……優しく抱きしめられるのってさ……。  ……うん。余、この時間が、好きだ。  ……獣(けもの)はさ。家族の体を、お互いに毛づくろいしたりするだろー?  それと同じでさ……。相当、距離が近くないと、できないことだよなー。体を洗い合う、なんて。  だからかな。人間のこと……いつも以上に、近くに感じられるんだ。  大好きだなー、って、思うんだー♪  ……なあ、人間。  キスしても……いい?  ……うん♪  ん……♪  んちゅ……れろ……ちゅう、ちゅっ、んちゅう……んちゅう、ちゅう……ちゅう……♪  はぁ……♪  ……ふへへー♪ こうやって、すぐにイチャイチャできるのも、すごく好きなところだー♪  ん……♪  んちゅ……れろ、ちゅう、ちゅう……ちゅっ、ちゅる……ちゅう、ちゅう……ちゅっ、ちゅう……♪  ん、はぁ……♪  ……ふふっ♪  好きだぞー、人間……♪ 大好きだー♪  余と一緒に、ゆーっくり、お湯に浸かって……  一日の疲れ、ぜーんぶ、洗い流しちゃおうなー♪ ふふっ♪