Track 8

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おまけ『余と一緒に電車に乗ろうなー♪』

 おー。  電車、今日も混んでるなー……。  毎日ぎゅうぎゅう詰めだ……。すごいなー、人間どもは。  つくづく、尊敬するよ……。いや、皮肉じゃなくて、本当になー。  むぎゅっ。  体を押されるのも、もう慣れてきたなー…。  結局……いつもと同じで、余と人間の体、くっついちゃったぞ。  どーせだし、今日もいっぱい、余に抱き着いとけー♪ ふへへー♪  ぎゅーーーーー……♪  ほい、っと。  いつも通り、周りの人間どもの意識から、余たちの存在を隠したよー。これでイチャイチャしほーだいだぞー♪ ふふ。  会社には、すぐについちゃうし……  今のうちに、余にたっぷり甘えときなー♪  余も……そうしてくれたほうが、嬉しいし♪ ふふ……♪  ……あ。そーいえばさー。  余、時間が空いたときに、魔法の訓練もするようにしたんだけどさー。  治療(ちりょう)用の魔法、だいぶ上手くなったんだぞー♪ ふふふ。  ほぼ瀕死の状態でも、一命をとりとめるくらいにはできるぞー♪  ほら、死亡フラグ、ってゆーの、あるだろ。  余が魔界にいたころなー。結婚の約束をしてた部下が、次の戦場から帰ってこなかった、って話、よく聞いたんだー。  それが結構嫌だったんだよなー。せめて、自分がそういう立場に立ったときは、そうさせないように気を付けようって思ってさー。  というわけで……もし、人間が死にかけても、余がすぐに治してやるからなー?  死亡フラグもどんとこいだぞー。ふふ。  そうそう。  今度、人間の親に、会ってみたいなー。  んー? この国では、婚礼の前には、親に挨拶するのが決まりなんだろー?  余的には、一応、人間どものしきたりは守りたいしなー。  あ。そのときはちゃんと、角は見えないようにするから、安心しろなー? “貞淑な妻”ってゆーのに、ちゃんとなってみせるから、大船に乗ったつもりでいろー♪ ふへへー♪  実は最近、余も、どこかに働きに出ようかと思っててなー。  ふふ。もちろん、将来的に、人間を養えるように、だ。  人間の家事とか炊事を優先したいから……そんな大掛かりな仕事じゃなくて、空き時間にサクっと稼げるようなやつにするがー。  もちろん、犯罪にならないやつで……いかがわしくないやつなー?  うまく、余の力を使えるような感じのやつがいいのだがー。  ……あれか。ゆーちゅーばー(youtuber)、ってのでもやってみるかー? ふふ。  魔王系ゆーちゅーばー! どーだ? いけるかな?  これなら、魔法使っても、ただのCGとか演出だって思われるだろうし……どーだ?  ふふ。まあ、もうちょっと色々考えてみるよー。  余、この世界の仕組みとか、よく分かってないとこもあるから……色々教えてくれよなー、人間♪  ……んー?  どした、人間。  あー。ひょっとして、眠いのかー?  ふふ。そっか。昨日も結構夜更かししちゃったもんなー。  もしよかったら……このまま寝ちゃってもいいぞー?  余に、体重全部寄りかかってさー。目を閉じれば、寝れるんじゃないかー?  人間専用、特製ベッドだ♪ ふふ……♪  力抜いて、目を閉じてるだけでも、だいぶ気分が違うだろー♪  駅についたら起こしてやるから、ゆっくりしてなー♪  ……あ。人間。そろそろ降りる駅だぞー?  んー。もう着いちゃったのか。早いなー。  人間といると、時間があっという間だー♪  ……ふふ♪ ううん、気にするなー♪ 余も、人間とくっつけて、嬉しかったぞー♪  ああ♪ 今日も一日、無理しないようになー♪  美味しいご飯作って待ってるから♪  ……ちゅっ♪  うん♪ またなー♪  愛してるぞ、人間♪ ふへへー♪

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