二人の慌しい朝
ほら、急いで急いで!
早く出ないと遅刻しちゃうよ!
いつもよりも30分遅い出発なんだから、駅まで走らないと間に合わないんだってばっ
え?私のせい…?
うぅ…だって、休みのままのタイマーにしてるのすっかり忘れてたんだもん…
で、でもでも、お姉ちゃんが起きるの遅いなって思ったんなら、起こしてくれても良かったじゃない
それなのに君ときたら二度寝なんかしちゃってるし…
え?二度寝の幸福感は何物にも代えがたい…?
た、確かにあのすーって眠りに落ちるような感覚は最高だよねぇ~…
って違う違う!
う~…私か君のどっちかが起きてれば、こんな事にはならずに済んだのにぃ…
えっと…ガスの元栓閉めたし、窓も全部閉めたよね?
君は自分の部屋の戸締り出来てる?
うん、オッケーだね
あとは…玄関の鍵を持ってと…
二人とも忘れ物ないよね?
きちんと確認できてる?
こういう時って結構入れ忘れしちゃう事ってあるんだから
うん…うん…
お姉ちゃんも大丈夫だよ
君は必要なの用意できてる?
よしっ、あとは鍵を閉めて出かけるだけだね~
んっしょっと…
それじゃ、いってきまーす
えーっと…この時間帯だと、ギリギリ間に合う電車が残ってるかな?
ふん…ふんふん…
え、えぇ~…もしかしてそれ、満員電車ってこと?
うぅ、今から先が思いやられるなぁ…
すし詰め状態で朝からげんなり~…なんてこと、お姉ちゃんやだよ
って…あぁー!忘れ物!
何って、もう…忘れたの?
いつもの「行ってきますのキスとハグ」っ!
そんなのやってる時間ないって…
あっ、ちょっ…待ちなさいってば~!
これやって弟分補給しないと調子でないんだよ?
もう~!お姉ちゃんを置いてくなぁ~!