お姉ちゃんと不眠症をやっつけよう
はーい、入っていいわよー
ふふ、いらっしゃい
ちゃんとパジャマに着替えてきてるわね、いいこいいこ♪
ん?お部屋が薄暗い?
あ、これも君が寝やすいようにわざと暗くしてるんだよ
寝る前に光の刺激をたくさん受けたら、寝付きが悪くなるんだって
だから、蛍光灯の灯りよりはこういう薄暗い感じのが丁度良いの
ほら、足下気をつけてこっちにおいで?
んっしょ…
ふふ、大丈夫?
そんなに緊張しないで大丈夫だよ
いつもみたいにリラックスして?
よしよし…よしよし…っと
それじゃあ、早速お布団に入ろうか?
うん、お姉ちゃんとくっついて…だよ
ん…
ほら、隣にいらっしゃい♪
んしょ…んしょ
ふふ、こんな風にくっついて寝るのって本当に久し振り
昔は私より先に気持ち良さそうな寝息立てて寝てたのに…今は全然眠れないの?
うん…うん…
やっぱりそっか…
お姉ちゃんもね、色々調べてきたんだけど、君が言うように布団に入ってから、色々考えちゃって寝れないって人が多いみたい
それって脳が興奮状態になってることなの
寝よう寝ようって思っても次から次へと頭の中で考え事を始めてしまうんだよね?
つらい事、悲しいこと、心配な事…もちろん楽しみな事でも脳は興奮しちゃう…
ほら、明日は楽しみな旅行だって時には妙に興奮して寝付けないでしょ?
あれも同じなんだよ?
ただ、普通はその時だけに限った物なんだけど、君はその興奮が毎晩続いてる…
もう、そんな顔しないの
お姉ちゃんが可愛い弟を苦しめてる病気なんかやっつけてあげるんだから
んっしょ…
大丈夫…大丈夫だよ?
こうやって、君の耳元でこしょこしょしながら添い寝してあげるから…
ふふ、なんだか内緒話してるみたいだけど、これくらい静かに喋った方が心地良いでしょ?
このまま何も考えないで、ただお姉ちゃんの声を聞き流すだけでいいからね
んと…まずは体のマッサージからしよっかな
お姉ちゃんね、安眠に効くツボとかマッサージを調べてきたんだよ
最初は…ここ、首の部分
喉仏から少し離れた所に「人迎」っていうツボがあるんだけど…
くすぐったかったらごめんね?
んしょ…っと
この部分を上下に優しくこすって…
んっ…
んぅ…
んん…
この部分を刺激すると新陳代謝が活性して体温が高まっていくの
寝付きが悪い人って低体温が原因の場合もあるから、体温を上げておくのは大事っ
だから、こうやってツボを刺激して…
んっ…
んん…
んぅ
すりすり…すりすり…
すり、すり…すり、すり…
大丈夫?痛くない?
んっ…んん…んんー…
んぅ…ん、んん…んんー…
今度はお腹のマッサージをしていくよ
おへその周りを手の平で円を描くようにして…
ん…
んっ…
すりすり…すりすり…
すり、すり…すり、すり…
こうやっておへその周りを刺激することで腸が温まってくるんだよ
んっしょ…んしょ…
ん…んん
すりすり…すりすり…
すり、すり…すり、すり…
どう?少しは温まってきた?
良かった…このまま続けていくね
優しく…優しく…
時計回りに丁寧にさすって…
ぐるぐる…ぐるぐる…
ぐーるぐる…ぐーるぐるっ…
ん…
んぅ…
んっ…んん…んんー…
んぅ…ん、んん…んんー…
んしょっと…マッサージはこれくらいにしてと
まだ、眠くならない…?
いつもよりは心地良い気分…?
ふふ、それならお姉ちゃんもちょっと安心かな
これからは君が寝付けるまで、お話とかして見守ってあげるからね
んしょ…手も繋ごう?
あ…君の手、温かい
これってさっきのマッサージが効いてきたのかな?
ホント?だったらお姉ちゃん嬉しい♪
んぅ…こうやってると昔を思い出すなぁ
君が小さい時はよく、一緒にお布団入って寝かしつけてたっけ…
うん、絵本を読んであげたり、子守唄を歌ってあげたり…
いつも途中で気持ち良さそうに寝息立てちゃって可愛かったんだから
え?あんまり覚えてないの?
むぅー…それはちょっとお姉ちゃんショックだなぁ
まぁ、確かに私も小さい頃の事はそこまで詳細には覚えてないから、分かるけど…
仕方ない、今度はちゃんと忘れないようにするんだぞ?
んふふ、むしろお姉ちゃんが忘れさせない感じ?
さてと…あの頃の君にしたみたいにするんだったら、やっぱアレかな
こうやって~…体をとん、とんって優しく叩きながら寝かしつけるの
ん…
んぅ…
よしよし…よしよし…
大丈夫…大丈夫だよ…
お姉ちゃんが傍にいてあげるから、安心して?
嫌な事も不安な事も全部、私が吹き飛ばしてあげるから
ねんね…ねんね…
ねんね…ねんね…
君は何も考えなくていいの…
大丈夫…いつもみたいに眠れないなんて事はないよ
ん…
んっ…
ほら、その証拠に全身が凄くリラックスしてきてる
安心できる気持ちになってきたってことは、眠りやすくなってるってことだよ
だから、余計な事は考えないで、今の感覚を受け入れて?
いいこいいこ…いいこいいこ…
ねんね…ねんね~…
ねんね…ねんね~…だよ
ん…
んぅ…
とん…とん…とん…とんっ
目を閉じるのも力を入れないで軽く閉じて?
そう、その調子…全身の力を抜いて、お布団に沈み込むような感じに…
ほら、柔らかな感触に包まれるみたいでしょ?
こんなにもお布団って柔らかかったんだって思えるくらい…
全身に力が抜けたあとは、意識を夢の世界へ飛ばすだけ
意識が遠くに飛びそうになるけど、怖がらなくてもいいんだよ
怖くない怖くない…
よしよし…よしよし…
気持ちを落ち着けて、楽にして…?
大丈夫…大丈夫…
とん…とん…とん…とんっ
ん…
んん…
なでなで…なでなで…
ほら、夢の世界はもうすぐだよ…?
暗くて深い闇…どこまでも落ちていく…落ちていく…
でも大丈夫、その闇を抜ければ待っているのは明るい世界
ふわふわと浮かぶような心地良い感覚が待っているの
ずっと眠るのが苦痛だったのが嘘みたいに気持ち良いよ?
こんなにも心地が良いものなのかって病み付きになるくらい
この感覚を忘れないでしっかり覚えて…?
お布団に入ってから、眠くなるまでの一連の流れを…
そうしたらきっと簡単に眠気が襲ってくるようになるから…ね?
いいこいいこ…いいこいいこ…
君がこれから見る夢はどんなものなのかな?
楽しい夢?怖い夢?滅茶苦茶な夢?それとも…えっちな夢?
たとえどんな夢を見たとしても、お姉ちゃんが傍に居るから大丈夫だよ
もし、怖い夢だったとしても私が一緒に追い出してあげるんだから
怖い物なんて何も無いよ…?
お姉ちゃんが離れないでずっと一緒にいてあげる
だから、安心して夢の世界へいってらっしゃい
何も心配しないであとはもう落ちるだけ…
ねんね…ねんね…
ねんね…ねんね~…
ん…
んっ…
あ…もしかして、寝ちゃった…かな?
うふふ、すーっ…すーって気持ち良さそうな寝息が聞こえてきてる♪
良かった…ちゃんと寝れたみたいだね
これでも寝れないくらい重症だったらどうしようかと思っちゃった
ん…可愛い寝顔
こうやって君の事を寝かしつけられて、お姉ちゃんとっても幸せだよ
君が治るまで毎日こうしてあげるから、一緒に頑張ろうね
ふあぁ~…んぅ
私も眠くなってきちゃった…
このまま弟を抱き枕にして寝ちゃおっと
ん…んぅ…
手を繋いで足を絡ませて…
はふぅ…気持ち良いよぉ
私も一緒に夢の世界へ…ふにゃぁ
むにゃむにゃ…おやすみなさぁ~い…
すぅ…すぅ…
すぅ…すぅ…
んっ…んぅ…
すぅ…すぅ…
すー…すー…