01_プロローグ
トラック01_プロローグ
…あら、どうかした?
また明日ねって言ってから、まだ1時間しか経ってないけど。
そんなにわたしに会いたかった?
…なーんて、ね。理由はこれでしょ?
あなたのスマホ、サイドテーブルに置きっぱなし。
しっかりしなさいよね、本当に。
え? どうして中を見てるのって言われても…暇つぶし?
それに一応、あなたはわたしの彼氏なわけだし。
恋人のスマホをチェックするのって…なんだか彼女っぽくない?
まあ、本音を言えばぜんぜん見る気もなかったんだけど。
ロックの暗証番号、わたしの誕生日を入れてみたらアッサリ外れるんだもの。
恋人のこと好きすぎるのも考え物よね。
……何か見つけたか、って?
もしかしてぇ…隠しフォルダに大量に入ってる、フェラチオ? ってやつの動画のこと?
ふふっ、予想以上の反応だわ♪
でもね、わたしもびっくりしたのよ?
物心ついた時からずうっと一緒だった幼馴染、あとついでに恋人でもある男の子の性癖が、こんなに偏ってるとは思わないじゃない?
タイトル、すっごいえぐいやつばっかりだったわ。
『ぼくの彼女はちんしゃぶ大好き女の子』とか。
『毎朝おくちでごっくん♪ 幼馴染は理想の口便器♪』とか。
『朝まで耐久フェラチオ。ゆるして、いくら恋人でも、もう一滴も飲めないの』とか。
お口を使ったプレイしかない…これってあれよね。筋金入り…ってやつ?
ついでに言えば、相手の女の子は幼馴染や恋人といった関係性が9割近かったわね。
今から思い返せば、あなたってわたしのお口のあたりをじーっと見ること、多かった気がするわ。
そんなにキスしたいのかなって思ってたけど…あなたの頭の中はかなり過激だったみたいね。
さてさて…こんなことを知っちゃったら、わたし、どうしたらいいかしら?
……すごくきれいな土下座ね。
え? お願いだから、嫌わないで?
あと…わたしのお父さんとお母さんには、内緒にして?
ふふ、必死じゃない♪
まあ、分からないでもないけど。
あなた、病弱な幼馴染を心配して毎日お見舞いに来る、紳士だって思われてるものね。
それが蓋を開けてみたら、おっぱいやお尻よりも、お口で興奮するド変態だって知ったら…娘に近づくなって、言われちゃうかも?
……ふぅん? そんなにわたしと会えなくなるの…嫌なんだ♪
ん~、そうね…だったら、こうしましょうか。
これからわたしが言うことに、絶対に従うこと。
言うこと、何でも聞いてくれるって言うなら…お母さんたちには秘密にしてあげる。
落ち込んだり、パッと顔を上げたり、忙しいわね。
じゃあ…はい。いつまでも項垂れてないで、もっと近くに来なさい。
ベッドに座ってるわたしを、見下ろせるくらい、近くに。
素直でよろしい。
それじゃあ、ズボンとパンツ、脱いで。
…よく聞こえなかった?
わたしはこう言ったの。
今すぐズボンとパンツを下ろして、あなたのおちんちん見せなさい、って。
何をする気だって……決まってるじゃない。
あの動画と同じことよ。
おちんちんをお口で舐めまわす…あのいやらしい「フェラ」ってやつ、やらせなさいよ。
…付き合いの長いあなたならわかるでしょ? 入院生活って退屈なのよ。
ちょっと暇つぶしに付き合いなさい、って言ってるの。
わたしたち、思春期のカップルらしいことなんて、全然してないし。
お口大好きヘンタイな男の子と、毎日ベッドで寝ていて退屈を極めた女の子。
利害は一致してるでしょ?
もぉ、逃げるなっ。
わたしと会えなくなるの、嫌なんでしょっ?
だったらおとなしく、フェラチオ、されなさいっ。
……はい? まだわたしたち、キスまでしかしてない?
別に問題なんてないでしょ。キスする場所が変わるだけじゃない。
ほら、あなたに拒否権なんてないんだから。
は~や~く♪ あなたのおちんちん、見せなさい♪