0.プロローグ
あ。起きた?
うん。おはよう。
えーと。ここがどこか、分かる?
分からない? そりゃそうだよね~。
一応、職務上の規定として、ちゃんと言わなきゃいけないことになってるから、今から説明するね。
キミは今、魔王城の牢屋に閉じ込められてるの。
ふふ。うん。そう。キミは、誘拐されてきたんだよ。
魔王軍の諜報部隊にね。
夜の見回りのとき、急に眠くなった記憶はない?
眠り草を炊いて、ちょっと眠ってもらって……その間に、ここまで運ばれてきたんだ。
……あ。眠り草は、体に悪影響はないから安心してね。眠くなるって以外は、無毒な植物だから。
で、なんでキミを誘拐してきたかというと……
少し、秘密を喋ってもらおうと思って。
うん。そう。秘密。
キミが勤めてるお城に、宝物庫があるでしょう?
その中に……我らが魔王様の、とっても大切な宝物がしまわれているの。
魔王様の宝がそこにある、ってこと自体は、何とか掴めたんだけど……宝物庫は、存在が巧妙に隠されてるみたいで。その入り口が、どうしても分からないの。
だから、その秘密を教えてもらうために、誘拐させてもらったんだ。
お城に勤める兵士なら、さすがに分かるでしょう?
ふふ……♪
……うん♪ もちろん、キミは真面目そうだからね~。
簡単に口を割ってもらえるとは思ってないよ。
自己紹介が遅れたね。
私は、〝射精拷問官(しゃせいごうもんかん)〟のアルマ。
これからよろしくね♪
……ふふ♪ 〝射精拷問〟ってなんだか分かる?
射精って、気持ちいいでしょ?
可愛い女の子の手でさせてもらうなんて、最高だよね。
……でもね?
何度も何度も、射精させられ続けたら、どうなると思う?
……それも、男の子の快楽を知り尽くした悪魔に♪
気持ちよすぎて……
頭がおかしくなっちゃうんだよ♪
心と体の許容量を超えて……
快楽が、だんだん苦痛に変わってきちゃうの♪
男に生まれたことを後悔するくらいに……♪
それが、射精拷問官のお仕事。
キミのえっちなところを刺激し続けて……♪
もういやだってなるまで、快楽の苦痛を感じさせて……
秘密を喋ってもらうの♪
あ。もちろん、すぐに喋ってもらえれば、終わりにして解放するけど……
お堅い兵士さんが、そんな簡単に口を割るわけないってこと、分かってるから♪
ふふ♪ アルマが、たっぷり、キミをイジメてあげる……♪
それじゃ、早速ぅ……♪
…………。
もう五時だ。
キミが目を覚ますの、結構遅かったし……今日は間に合わなかったね。
うーん。拷問は明日からにしよっか。
あ。そうなの。魔王城、定時が五時だから、お仕事はここまで。
最近、魔王様が定年で退職してから……新しい魔王様になってね。
働き方がガラっと変わって……残業するなってうるさいんだよね~。まあ、繁忙期は休む暇がなかったりしたから、ありがたいことなんだけどさ。
今日は残業の申請してないから、もうお仕事できないんだ。ごめんね。
……ああ、いけない。さっさとタイムカード切らないと、上司に文句言われちゃうな~。
えっと。じゃあ、また明日ね。
何かあったら、手枷の横の、赤いボタン押してね。夜勤の人がすぐに来て、色々と聞いてくれるから。
お腹すいたりとか、喉渇いたりとか。気軽に押してくれて構わないからね~。
しっかり秘密を聞き出すために、キミの健康を守ることも、アルマたちのお仕事だから。
そうそう。アルマの名刺、置いておくね。
顔写真も入ってるから、覚えやすいでしょ? ふふ。
魔王軍の悪魔部(あくまぶ)、拷問課(ごうもんか)、射精拷問係(しゃせいごうもんがかり)っていうのが、アルマの所属部署。
魔王軍、所属してる悪魔がすごく多いから……アルマに何か用があったら、そういう風に問い合わせてね。
何か他に質問はない?
うん、おっけー♪
じゃあ、明日から本格的な射精拷問を始めるから……今日はゆっくり寝て、体調を整えておいてね♪
ばいばい♪