解除
(正面)
さぁ、ボクちゃん♡
そろそろ、夢の世界から目を覚ますお時間でちゅよ♡
ふふ、もう、赤ちゃん言葉も終わりですね♡
ボクは、今から帰っていく。
夢の世界より現世
うつしよ
の世界へと。
それは、まるで暗い水の底から這いあがるように、
暗い地下室から、陽光の差す出口へと歩むように、
一歩、一歩と昇る、昇る。
まどろんだ思考に、澄み渡る水のような清浄な感覚が宿る。
思考がすっきりと、さわやかに晴れ渡っていく。
どこまでも、どこまでも、広がるように。
包み込んでいた甘い香りは、春の風のようが運ぶように、
さっと、ボクの周りからなくなる。
残るのは、朝のまどろみをスッキリと取り除く、さわやかな始まりの香り。
そして、ボクの意識は、だんだんと解放に向かう。
まず、ひとつ
思考を覆っていた靄が、掻き消え、自分で物事を明確に判断できる。
ふたつ
体から抜けていた力がみなぎってくる。
淫らな熱が抜け、すずやかな活力が体を満たす。
みっつ
きょうを、あすを生きる活力。
それが、心身両方を満たす。
106
よっつ
手足の力が、戻る。指先一つ一つにまで感覚が行き届く。
いつつ
手を開いて、握る。足首を回す。
自分の体の再認識。感覚が取り戻される。
むっつ
もう、体はあなたの自由に。
意識も、あなたがかんがえたとおりに。
ななつ
自分の変える場所に近づく。もう、あなたを縛るものは何もない。
やっつ
「とう」の合図であなたは完全に目が覚める。
視界が開け、催眠と暗示の束縛から自由になる。
ここのつ
さぁ、もどりましょう。
あなたの世界へ、あなたの冒険へ……。
とう
目が覚めます。
瞼を開き、目の前の光景を認識します。
手足の感覚を確かめるように軽く動かし、感覚をなじませてください。
急には立ち上がらず、体の感覚を徐々に確かめるように動いてください。
107
軽く伸びをしたり、ストレッチをして、はっきりと目を覚ましましょう。
お疲れさまでした。
夢の世界は、いかがでしたでしょうか?
もしかすると、もう、覚えていないかもしれませんね。
だって、夢の話ですから。夢は覚めたら消えてしまうものです。
きょうは、会いに来てくれてありがとうございました。
また、あなたの冒険を頑張ってください。
そして……また
いらっしゃい♡ボクちゃん♡
くす♡
それでは、また、バイバ~イ♡