Track 1

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●トラック1 プロローグ 彼女に告白 

ごめん、お待たせ~。 どうしたの? 話があるってなに? わざわざ部活後呼び出さなくてもケータイとかで連絡くれれば良かったのに。 それとも、私に直接言わないといけないような…大事な話とか? ん、いいよ。なに? 好きって…私の事? う~ん、そっか…。そうだよね。 あんまり意識しないようにしてたんだけどなぁ。 私達小さい頃からよく一緒に居たからね。 その幼なじみとしての距離感でしかキミも私の事って見てないのかなって。 だけど…。 そっか、そういうのもありなのかもね。 う~ん…。あははっ、そんな捨てられた子犬みたいな目で見ないでよ。 今の聞いて分からなかった? 実は私もキミのコト好きだったんだよ。 だけどね。キミのコトが好きだから、気付いてなかったでしょ。 気付かれないようにしてたもん。 今まで私に彼氏が出来たことある? ないでしょ? 全部断ってるの。 好きでも無い人と付き合いたくないし…。 だから好きな人に告白されて断りたくないけど…。 幾つか確認したい事があるの。 キミは私の事、普通の女の子だと思ってるでしょ? 多分、普通の…いちゃいちゃしてみたいな恋愛したいと思うんだけど、私と付き合ったらそうはいかないかも。 私ね。ちょっと普通のじゃないからキミのコトきっと…苦しくさせちゃう。 本当の私は凄くわがままなの。 さっき告白されたときに、自分の中で我慢してた気持ちが溢れて来ちゃった。 本来普通のカップルがする、付き合って、手を繋いで、キスをして、触れ合って…みたいなこと出来ないかもしれないよ。 私って男の人が苦しんでる姿を見るのが好きなの。 告白なんてしてくるから。 我慢してたのに…。 キミを苦しめる姿、想像しちゃった。 好きな人…恋人が苦しむ姿なんて想像したらゾクゾクしちゃった。 自分勝手に私が満足するまでキミを苦しめて、やめてと言われても止まらなくなっちゃう、そんな女の子よ。 それでも…大丈夫? 一応私から最後の忠告…なのかな。 それもでいいなら、付き合おっか。 じゃあこれで私達カップルだね。 さっきキミが不安そうにしてた表情を見てもドキドキしてたんだ。 あの表情を見てるだけでドキドキしちゃったの。 冷静なふりをしてたけど、心臓もどくどくしてた。 幼なじみのキミは、そういう目で見たり、そういう対象にしないって決めてたのに…ごめんね。 告白されて、キミの不安そうな目を見て、私…もう、自分を抑えたくないから。 これからきっと大変だと思うけど…。 今日くらいは普通のカップルみたいなコトしてあげる。 ほら、手、繋いで帰ろっか。 ふふっ、幸せそうだね。 明日から、覚悟してね。

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