(1).プロローグ
(舞)
……ねえ、そろそろお姉ちゃんにも教えて?
(結)
そうだよ~そろそろ教えてくれてもいいじゃん
(舞)
っもう、頑なね……。どうして教えてくれないの?
明日はクリスマスイブ…サンタさんに早く伝えないと、
プレゼント持ってきてもらえないわよ?
(結)
なんでそんなに教えたくないの?
なんか理由があるとか?
(舞)
……え?サンタさんに直接言いたいから?
うーん……それは…困ったわね、どうしようかしら…
(結)
え~!まだサンタさんなんて信じてるのか~!?
ふふっカワイイやつ~!
えいっ、こうしてやる!ぐしゃぐしゃあたまー!!
かーわいー!サンタさんなんていないって!
(舞)
こ~ら、結!
そういう事言わないの!嫌がってるでしょ!
……それに、サンタさんはいるわよ。ねえ?
(結)
ええ~…お姉ちゃんまでそんなこと言って……、
って、いてて!
こらっ、弟のくせに姉の私を叩くなー!
(舞)
いまのは結が悪いわよ
(結)
ふんっ。……え?
今日は私とは寝ない……って、べ、別にいいし!
私だって、あんたなんかと寝ないから!
(舞)
も~、喧嘩しないの!
今日は私が真ん中になって寝るわ。
それでいいでしょう?
(結)
うっ……い、いいよ
(舞)
素直じゃないんだから、結は…
それにね、サンタさんは本当に居るのよ?
私、会ったことがあるの
(結)
えっ!?お姉ちゃん会ったことあるの!?
(舞)
……え、ええ。会ったことあるわよ?
……こほん、だからね、きっとあなたが
良い子にしてれば会えるわ
…ああ、そうだお手紙を書いたらどう?
もしかしたら、サンタさんが明日あなたの
手紙を取りに来るかも
欲しいものがあるなら、
その手紙に書いちゃいましょう?
(結)
は~……さすが舞姉……その手があったか。
頭いいなぁ
(舞)
ね?クリスマスにはお礼を伝えたら良いわ。
そうしましょう?
(結)
ま、サンタなんていないけど~。
い、いてて!叩くなって!
なっ、い、一緒に寝ないって……
二回言わなくてもいいじゃん!私も寝ない!
ふんっ、私先に寝るから!おやすみ!
(舞)
ああ、もう……。ふぅ、
結いっちゃったわね……全くあの子ったら…
……ふふ、ほっぺ膨らませちゃって、可愛い子ね
大丈夫、結はああ見えてきっとサンタさんに
会いたがってるのよ。あなたと一緒でね
だから、今日は良い子に寝ましょう?
良い子、良い子……
ふふ、クリスマスが楽しみね?
そして明日手紙を書いたら良いわ。
ちゃんとあなたが寝るまで私が
見守っててあげるからね?
じゃあ、おやすみなさい。