2人だけの自宅デート
今日はわーの家さ来でくれで、ありがとう。
そんな、お礼なんていいよ!君が嬉しいって思ってけでらんだば、わーも嬉すいあの後、思い切って誘って良かった。
眠ぐね?
ごめんね。
疲れでだんだべ?
じゃ、どうぞ…っていっても、特に、面白い物はないと思うよ。
あのね。
男の人を部屋に招待するのって、初めて、なの。
今もわーの心臓の音、いつもより早くて、大きくて…たげドキドキしてる。
君に、この鼓動が聞こえてまるんでねがって。
思うくらいあ、ソファーさ座って、わんつか待ってで。
今、お茶を淹れるから。
あ、この子?
わー、猫飼ってるの。
飼い始めたのは、一人暮らしを始めてからだけど。
誰もいね淋しさとが…まぁ、色々かな。
わー、一人だと延々とマイナス思考になってまいそうだはんで。
アイドル始めた頃、ネットで自分の悪口書がれでらの見づげでまって。
それでしばらぐ沈んでたの。
それでね、仲の良いメンバーさ相談したら、ペットと一緒に暮らしたらどうかって勧められて。
でも珍しいなー。
わー以外の人に懐くなんて……他の娘が遊びに来た時なんて、いつもなら怖がってベッドの下さ逃げ込んで隠れでらのに。
ふふっ。
きっとこの子にも君が良い人だって、わかるんだね。
膝の上さ乗って、頬擦りしながら喉をゴロゴロ鳴らしてる。
ほら、動物って、相手の性格ば感じ取るって聞いだごどね?
この子とわーが、似てる?
そ、そうかな?
そう思われると、なんか急に恥ずかしくなってきた。
うーん。
ペットは飼い主さ似るってよく言うばって…やっぱり本当なのかな?
…だばって、くすっ。
今ちょっと、この子が羨ましいかも。
君に頭っこ撫でで貰って、膝の上で思いっきり甘えぢゅうんだもんこの子の事は好きだし、大切な家族みでぐ思ってらばって、なんだか、独り占めしてるみたい…ずるいなー、せっかくわーの家さ来たんだはんで、もっとわーの事も構ってよー。
あ、ご…ごめん。
ちょっと馴れ馴れしかった、かな?
本当?
ありがとう。
外で話すのは、ちょっと恥ずかしいし…あんまり話し上手な方でねはんで。
ライブのMCどが、よぐ噛んでまるべ?
わーね、地元で事務所の人さスカウトされて『リトルホワイトスターズ』として、活動してるでしょ?
だばってね。
今のローカルアイドルになる前、一人で駅前とかの路上でよく歌っていたの。
今でもアイドルとしての活動は好ぎだし、楽すいよ?
レッスンは少し厳しいばって、それでも、早ぐ一人前のアイドルになりでって思う。
だばってね、やっぱり……いつか自分で作った曲と歌詞ば歌いでぇなって。
昔の夢ば諦めだ訳でねのわーの原点は、その夢があっだはんで。
だはんであの時、ずっと路上ライブしていたの。
無名のわーの事なんて、誰も知らね。
気にも留めず、ただ足早にわーの前を通り過ぎていく人が殆どだった。
…だばってね、そった誰も足ば止めでけね中で唯一、ちゃんとわーの歌を立ち止まって、聴いて、拍手をしてけだ人がいだの見だ目でねくて、わーの歌さ惹かれてずっと曲を聞いていてくれた事、誰もいね日も、いつも 人で見にきてくれていた事、最後まで歌ば聞いてけで感想ば言ってけだ事たげ嬉しかったし、感謝すてら。
その人がいでけだはんで、わっきゃ今こうして歌えぢゅんだって思う。
ううん、実際そうだもん。
あの時は、直接言葉を交わした事はねがったばって、ずっと気になっていた人。
それが、君なんだよ。
わーの初めてのファンになってくれた、大切な人。
君の存在が、いつもわーば励まして、支えでけだの。
ずっとお礼がいいたくて、いつも、いつ言おうか、いつ話そうかって考えてた。
必要ない?
だばって。
それだば、わーの気持がおさまんねの!君はわーば勇気づげでけだだげでね。
初めて、好ぎになった。
…存在だはんで。
気づいたときには、君を意識するようになってたの。
まだ来ねがな。
今日は、来てくれるかな。
いつも君を待ってる気持ちさわー自身が、気付いでまったそれは、今も変わらないよ?
だはんで、今夜はわーと一緒に過ごして欲しいの。
その……ダメ、かな?