Track 1

Next Track Back

年越しそばを食べよう

【向花】パパー、お蕎麦持っていくけんねー 【遥】向花、もっとゆっくり歩かんと、転んで怪我するばい。 【向花】でも、でも、早く持っていきたかったと… 【遥】気持ちはわかるけど、怪我しちゃったら、大変やろ? それに、転んで落としちゃったらパパのお蕎麦が無くなるとよ? お蕎麦は冷めんけん、ちゃんとゆっくり歩こうね 【向花】はーい…ん…しょ、ん…しょっと。 はい、パパ。 熱々のお蕎麦、どうぞー 【向花】えへへー。 ママと一緒に作ったとよーお箸で、お蕎麦をぐるぐるってしたとー 【遥】そうそう、向花もいっぱい頑張ったもんねー 【向花】あ、ママ! 【遥】はい、向花の分。 それと、こっちはうちのね座る場所は、どうする? 【向花】コハルはパパの隣が良か! 【遥】ふふ。 ほんとに向花はパパのこと大好きやねー。 【向花】うんっ。 ママも大好き! でも、パパは、朝と夜と、あとお休みの日にしか一緒におれんけん…今日は、パパとくっ付いときたいと…。 パパー、ねぇ、良かー? やったぁ! パパだーい好き! 【遥】じゃあ…うちは、二人の前に座るね 【向花】えーっ、ママも隣に来てよー。 パパだって、三人一緒が良かよね? 【遥】…もう、パパまで。 そう言ってくれるのは嬉しかけど、こたつは狭かし…うちは、二人の顔がよぉく見える、前の方が良かと。 ほら向花、パパの隣に、ちゃんとおってあげて。 パパ、寂しがり屋やけん 【向花】はーいパパが寂しくないように、ぎゅってくっ付いとくねっ! 【遥】…じゃあ、三人揃ったし。 冷めんうちに、年越しそば、食べよっかしっかり手を合わせて…いただきます 【向花】いただきまーす 【遥】…ん、ずるる、ずる… 【向花】パパ、お蕎麦…熱くなか? あたしが、ふーふーしちゃるねん…ふぅー…ふぅー…はい、どーぞふふ、美味か? やった! ママ、コハルが作ったお蕎麦美味しいって! 【遥】ふふ、良かったね。 向花も、お蕎麦少し熱くなっとるけん、ちゃんとふーふーしてから食べよーね。 【向花】はーい。 ん…ふぅー、ふぅー…。 はふ、あむ…ずる、ずるる……ん、もぐもぐ…。 んーっ、美味かぁ〜 【遥】ふふ。 こうして、三人で食べる年越しそばは、とっても美味しかね… 【向花】ねえ、ママ。 どうして、今日はお蕎麦を食べると? 【遥】…それはね、お蕎麦は長いけん、長生きできますようにっていう想いが込められとるとよ 【向花】そうなんだ~。 じゃあ、お蕎麦を食べたママとパパは、ずぅっと一緒におれるったいね 【遥】そうばい。 もちろん、向花もね。 【向花】わーい、嬉しかぁ…。 コハル、お蕎麦、もっといっぱい食べちゃうね……ん、ずるる、ずるぅ……はぁ。 そう言えば、今日は遅くまで起きとって良か日よね? 【遥】今日だけ、特別ばい 【向花】なら、頑張って起きとく 【遥】ふふ、向花は寝つきが良かけん、最後まで起きとけるかなぁ~? 【向花】大丈夫。 コハル、頑張るもん 【遥】そっかぁ。 じゃあ、向花は年が明けたら、何がしたいと? 【向花】えっとぉ…お餅食べたいっ 【遥】お餅かぁ。 普段食べんけん、もっと美味しく感じるやろうね。 パパは、お餅二個で良か? …ふふ、お雑煮、もう作っとうけん。 楽しみにしとってね…皆で仲良くお雑煮を食べた後は、初詣に行こっか。 何をお願いするか、ちゃんと考えとくとよ 【向花】えー、どうしようかなぁ…。 あれも欲しいし… 【遥】そういうことは、パパとママにお願いするとよ他には、何かないと? 例えば…好いとる子と、もっと仲良くなれますように、とか? …あ、その顔。 パパったら、興味あるっちゃろ〜 【向花】えー、好いとる子…? コハルは、パパとママがだーい好きっ 【遥】ありがとー。 まあ、そういうのじゃないっちゃけど…。 向花は、パパとママ以外に、気になっとー子とかおらんと? 【向花】…んー、おらん。 仲良くしとる女の子はおるけど…。 アタシは、パパと結婚したいとっ 【遥】えー、パパはうちと結婚しとうけん。 それは難しかよ 【向花】えぇ、ずるかぁー 【遥】ふふ。 …はぁ、なんか…こういうのって、良かね今までは、うちとお兄――パパの、二人っきりやったけどそこに、向花も加わって…こうして、三人で年を越せるなんて… 【向花】んー? どういうこと? 【遥】…向花も、大人になったら分かると思うよ 【向花】えー、じゃあ…いっぱいお蕎麦食べて、早く大人になるっ! んぅ…ずるっ、ずるる…っ 【遥】…ふふ。 …幸せ、やね…

Next Track Back