Track 3

元旦の朝!

【向花】んぅ…はむ、もぐ……んーっ。 お餅すごい伸びるー! 【遥】向花、お餅は良く噛んで、ゆっくり食べりぃね 【向花】はーい。 もぐ、もぐ、もぐ…ママの作るお雑煮、とっても美味かね 【遥】そう? ふふ、ありがとー 【向花】あと、おせちも美味かよー。 パパも、そう思うよね? 【遥】もう、そこまで褒めんでも… 【向花】パパに褒められて、嬉しくないと? 【遥】嬉しかけど…なんか、改まって言われると、ちょっと恥ずかしかと… 【向花】恥ずかしいと? 良く分からんけど、ママ、嬉しかって。 良かったねーパパん…はむ、もぐもぐ…。 パパは、ずっと前から、ママの作るご飯、食べとったとよね? …良かぁ。 んぅ…もぐ、もぐ… 【遥】あ、向花。 口の周り、ちょっと汚れとーよ 【向花】えー、パパ…拭いてくれん? ……ん、んぅ……ふぅ。 ありがと、パパ。 …ん、ちゅ。 ふふ…あー、パパ顔まっかやんー。 大丈夫? …えー? どこで覚えたって…ママが教えてくれたとよ? 大好きなパパには、ちゅーしてあげなさいって。 そうしたら、パパすっごく喜ぶって 【遥】…んー? どうしてうちのこと、じぃっと見ると? パパ、頬緩んどるよ~ 【向花】ほんとやんー。 あたしのちゅー、嬉しかったと? じゃあ、もっとしちゃあね……えー、どうしてダメと? コハルのこと、大好き…よね? ……渡したい物? なになに? …あっ、これってお年玉? 【遥】そうばい。 ママからも、はい、お年玉 【向花】やったぁ。 …パパ、ママ。 ありがとーあと…あっ、まだ言ってなかったよねえっと…明けまして、おめでとーございます。 今年も、よろしくお願いします 【遥】ふふ。 明けましておめでとう、向花。 ちゃんと言えて偉かぁー。 さすがうちの娘やね。 【向花】えへへー。 あ、ママ、ちょっとこっちに来てー 【遥】んー? なになに? 【向花】ママにも、ありがとうのちゅー。 ん…ちゅっ 【遥】わ。 ふふ…ありがと~。 んーっ、向花すっごく可愛かね…! 【向花】えへへー。 じゃあ、もっとお年玉ちょうだい? 【遥】もー調子良いっちゃけん。 それはダーメ 【向花】えー? 【遥】でも、去年よりもお年玉増えとるよー。 ね、パパ 【向花】ほんとに! ? やったぁ 【遥】ふふ。 向花は、お年玉何に使うと? 【向花】んーとね…パパとママと、コハルの分で、プリン買うと皆で一緒に、プリン食べたいなーって 【遥】ふふ、そっか。 パパとママの分まで買ってくれるったい。 向花は優しかねー。 でも、せっかくのお年玉やけん、自分のだけで良いとよ? 【向花】そうなの? じゃあ、パパとママも、プリン買ってくれる? 【遥】もちろん。 三人一緒に食べたいけんねー……ん、どうしたと? パパあ、ほんとやん。 そろそろ初詣に行く準備せんとね 【向花】それって、おみくじ引くところー? 【遥】そうばい。 あとは、神様にお願い事をすると。 【向花】お願い事かぁ…。 神様って、サンタさん? 【遥】うーん…お願いを聞いてくれるのは同じやけど…神様はね、お菓子とかゲームのプレゼントじゃなくて、モノじゃないお願いを聞いてくれるっていうか… 【向花】モノじゃない…? なんで…? どうして、神様はお菓子買ってくれんと? 【遥】えっとぉ……その答えは、パパが知っとーよ。 パパに訊いてみよっかぁ 【向花】パパぁ…教えて? え? 神様は、流れ星とおんなじと? ……そっかぁ、お星さまは、お菓子とか買えんもんね 【遥】そうそう、さっすがパパ。 頼りになるね~ 【向花】うんっ。 あと、モノじゃないお願いって、何をすれば良いと? 【遥】それはねー…えっとぉ…。 モノじゃないってことやけん…パパ、助けてーあ、そうそう。 えっとねぇ…向花の、こうなりたいなぁ、こうなったら嬉しいなぁっていう気持ちを、神様に届けるとよ 【向花】なるほどー。 こうなったら嬉しいなぁっていう気持ち… 【遥】どう? 何か、思いついた? 【向花】うんっ。 …あ、でもこのお願いは…神様じゃ、無理かも 【遥】そう? それってどんなお願いなん? 【向花】えっとぉ……秘密っ 【遥】あ、ちょっと向花? 【向花】お出かけの支度してくるねー 【遥】行っちゃった…。 ふふ向花…何をお願いするっちゃろ? パパは…分かる? 【遥】うーん、だよねぇ。 ……え、うち? それはねぇ…。 初詣に行ってからの、お楽しみ。 ふふ