Track 7

ママと娘の耳かき

【向花】ねぇママ、パパにいつもすると? 【遥】うん、するばい。 お風呂上りは、やっぱり耳かきやけんパパは、いつも楽しみにしてくれとーもんねー? 【向花】でも、毎日はしてあげんったい 【遥】そうやね。 いつもお掃除すると、お耳の中を傷つけるけんね。 …週に一回とかかな 【向花】へぇ…。 コハルも、パパが耳かきされとるところ、見とっても良か? 【遥】良かよ。 ふふ、向花は耳かきに興味あるったいね 【向花】うんっ 【遥】じゃあ、側でじっくり見とってねぇ…さ、パパ。 うちの膝に、頭倒して 【向花】あれ、どうしてパパは大人なのに、ママのお膝にごろんってしとると? 【遥】膝枕に、大人も子供も関係ないとよ? ママのお膝を枕にした方が、柔らかくて落ち着くし…座っとるよりも、寝とー体勢の方が楽やろ? …それに、お互いの温もりを、感じられるけん… 【向花】良いなぁ。 向花にも、膝枕…できる? 【遥】うーん。 パパって、大きかやろ。 向花はまだ小さくて、パパの頭だと重たく感じちゃうと思うっちゃんやけん、もうちょっと大きくなったらね 【向花】じゃあ、いつかあたしでも、できるっちゃね 【遥】そうばい。 そのためには、いっぱい寝て、向花も大きくならんとね 【向花】うんっ、あたしもパパに膝枕したいけん。 大きくなるね 【遥】ふふ。 良かったね、パパ 【遥】…それじゃあ、まずは左耳から……ん、ふぅ…。 ん……やっぱり。 パパの耳垢、けっこう溜まってきとーねぇ 【向花】耳かきしとー時って、小さな声で話さんと、ダメと? 【遥】ダメってわけじゃなかけど…。 ほら、お耳の穴って小さいやん? 奥まで良く見るためには、顔を近づけんといかんとよ…お耳の側で、大きな声を出しちゃったら、びっくりしちゃうやろ? そうならんように、こしょこしょって、内緒話するような声で話してあげるとよ 【向花】そうなんだー… 【遥】あと、パパね。 お耳の側で、こしょこしょされるの、大好きっちゃん 【向花】へぇ…パパ、こしょこしょが好きなんだねぇ 【遥】そうばい。 昔から、耳が弱いっちゃんねー 【向花】お耳が弱点なんだー 【遥】ふふ。 やけんね、こうして小さな声で話したり…耳かき棒で、カリカリ…ってするとぉ……ほら。 パパの身体、少しだけびくって動いとーやろ? 【向花】あ、ほんとだぁ 【遥】今は浅い所をお掃除しとーけん、反応が薄かけど。 奥の方もお掃除していくとぉ… 【向花】あ…パパのお顔、幸せそう… 【遥】ふふ、これも昔からとよー膝枕で、耳かきされとー時のパパの顔…。 ばり可愛いかろ? 【向花】うん、パパ可愛いー 【遥】ふふ。 パパは、うちの膝枕と耳かきが大好きやもんねぇ 【向花】あたしも、ママの耳かき、大好きだよ 【遥】そう? 嬉しかぁ…そういうところは、パパに似たのかも…ん、はぁ…。 うちも、耳かきするの…大好きパパの癒された顔を見とったら、うちまで心が安らいで……ん、はぁ…。 もっと、ずぅっとしていたいって、思うっちゃん………ん、ふぅ……。 はぁ………はい、あとは仕上げの梵天でぇ… 【向花】あ、これって、お耳の中、ふわふわするよねぇ 【遥】そうばい。 パパのお気に入りっちゃんでも、このふわふわよりも、パパが好きなのは…ん…ふぅぅぅ――…これ、やもんね? 【向花】…パパのお顔、とろ~んってなっとー… 【遥】ふふ、これもパパ大好きやけんさ、今度は反対だよ右耳も、まずは浅い所から…カリカリ…カリカリ 【向花】カリカリ…カリカリあぁ…ママは良いなぁ 【遥】んー、どうして? 【向花】だって、パパのこと、癒せるけん… 【遥】それは…別に、ママだけじゃなかよ 【向花】でもあたし、何もできんよ? 【遥】そんなことなかよ。 向花が、こうして側にいてくれるだけで、パパもママも、幸せばい… 【向花】そうなの? 【遥】そうばい。 ね、パパ? 【向花】うぅ。 でも、あたしもママみたいに、パパのお耳のお掃除とかしたい 【遥】そっかぁ…。 じゃあ、今度練習してみよっか 【向花】あたしでも…ママみたいに、上手にできるかな 【遥】できるできる。 だって、向花はうちの娘やもん。 手先が器用やけん、工作とか上手やろ? この前、幼稚園の先生から、向花ちゃんは絵が上手ですねーって褒められたとよ? 【向花】えへへ 【遥】…確かに、最初はちょっと難しいかもしれんけど…。 一番大事なのは、気持ちやけん 【向花】…気持ち? 【遥】…そう。 パパを、癒してあげたいっていう気持ち向花も、持っとるやろ? やけん大丈夫…耳かきだけじゃなくて、お料理も…マッサージも大好きな人に、何かをしてあげようって思った時は…その人に、どんな気持ちになってほしいのか…そういうことを考えながら、想いを込めれば…。 きっと、伝わると思うよ 【向花】…そっかぁ。 じゃあママは、どんな気持ちで、パパのお耳をお掃除しとーと? 【遥】それはぁ…。 大好きっていう想いと…いつもお疲れ様。 今日はうちに甘えて、癒されてねっていう…気持ちかな 【向花】ママの気持ち、ちゃんとパパに伝わっとーっちゃね… 【遥】ふふ、そうやねぇ次は、もっと深いところにも…癒しと…うちの気持ちを、届けるけん……ん、はぁ…パパ…いつも、ありがとう 【向花】あたしも…ありがとう 【遥】今日も、いっぱい遊んでくれて…うちも、バリ楽しかったばい…でも、その分、疲れちゃったよね……ん、はぁ……お風呂では、疲れ…取れたかな…たまには、三人で入るのも…良かよね…ん、ふぅ…。 パパは、娘に背中流されるの、夢やったもんねぇ…ふふあとは…娘に、耳かきされることも…そうだよねその夢も…もうすぐ、叶いそうやね…ん、はぁあ…もうそろそろ、全部…取れちゃうねじゃあ…最後は、うちらの大好きっていう気持ちを届けるけんパパ…ばり好いとーよ 【向花】あたしも、ばり好いとーよいつか、パパに耳かき、しちゃるけん…待っとってね…パパ、だーい好き 【遥】…パパ、愛しとーよ……ん、はぁ……。 んぅ……ふぅ… 【向花】次は、あのふわふわでお掃除するとよね 【遥】そうばい。 このふわふわで、耳の中を…こしょこしょ~ 【向花】ふふ、こしょこしょこしょ~ 【遥】そして、最後は……向花? 【向花】ん……ふぅぅぅ――…どう? パパ。 向花の、初めてのふぅー…癒された? ふふ、良かったぁあたしが、ママみたいに耳かきできるようになるの、楽しみに待っとってね