3.1A ほら、一緒に泳ごうよ

さて、準備も終わったし、海…入ろっかどうしたと？ ほら、一緒に入ろう？ あぁ、冷たくて気持ち良かぁ～あの砂浜、熱すぎるけん、ちょうど良かね…もっと、深いところに行こっかえぇ、浅い所じゃつまらんよ～…もしかして、お兄ちゃん…やっぱり、泳げんったいねでも大丈夫、うちの浮き輪貸すけん、泳げるように練習しよ？ これなら、足の届かんところでもちゃんと浮かぶし、安全やろ？ 恥ずかしいって…お兄ちゃんのこと、うち以外に誰も見てないよ。 浮き輪付けてる人も多いし、ね？ …じゃあ、海を満喫するよー！ほら、こっちだよ、お兄ちゃんうちが手繋いどってあげるけん、まずはバタ足からねはい、脚動かしてー…んー、つま先だけやなくて、脚全体を使う感じかな？ …うん、そうそう、そうしたら水しぶきが少なくなって…しっかり前に進めるけんねお兄ちゃん、コツ掴むの早いね。 良い感じばいはい、脚をバタバタバタバター……細かく動かすようにね……ふふ、なんか、水泳教室みたいやね？ バタ足の練習してるお兄ちゃん、あいらしかー…ふふもう、照れんで？ うちしか、お兄ちゃんのことよぉく見とらんけんはい。 今度は水の中に顔付けてみよ？ ほら、大丈夫。 お兄ちゃんが頑張れるように、手握っとくけん…挑戦してみよ？ じゃあ、いくよ。 さん・のー・がー・はい！今度は、もうちょっと長めに。 できれば、目を開けてみよっか意外と沁みんけん、チャレンジしてみよ…さん・のー・がー・はい！お兄ちゃん、もしかしてやらしいとこ、見てなかった？ …もー、すぐエッチな方にいくっちゃけん次は、またバタ足ねいくよー？ はいっバタバタバタバター…おー、上達しとる。 さすがお兄ちゃんやね！その調子で、もっと泳いでみよ…頑張れー、頑張れーっうちの顔を見ながら、前へ…前へ……お兄ちゃん、ちゃんと進んどったよこれなら、今日中に泳げちゃうかもね…そうなったら、一緒に競争とかせん？ うち、負けんよー？ ふふっさ、もうひと泳ぎ頑張ろーいっちに、いっちに、そうそう体の力を抜いてー。 うちがしっかり手握っててあげるけん大丈夫。 海じゃうちの方が泳げないお兄ちゃんよりお姉ちゃんやけんね。 ふふっ、くやしかったらほらいっちにっちに、泳げるようにがんばろー。 あー、見て、お兄ちゃんこの真っ青な空。 本当に夢見とぉみたい。 うちね、ときどき目が覚めるんじゃないかなって怖くなるっちゃん。 だって今って大好きだったお兄ちゃんと結ばれて、そして恋人になって、二人きりでデートもしてて、夢が全部叶ったっちゃもん。 もしこれが小さいころ、お兄ちゃんを追いかけてて何度も見た夢の一つやったら……怖くなってもしかたないやろ？ この手もね、うちにはずっと大きくてあったかくて安心するお兄ちゃんの手なんよ？ うちも大きくなっとーのに、お兄ちゃんのおおきさはずっと変わらんもん。 やけんね、うちはお兄ちゃんとずっとずーっと一緒にいたいとよ。 もし夢でも、それなら覚めんやろ？ 二人で一緒にいれるならうちはそれでもいいと。 ……ふふっ、変な話しちゃってごめんね？ さ、いっちにいっちに、泳げるように練習練習っ