森の中をお散歩
…ん、すぅ……すぅ……すぅ……すぅ……すぅ……ん……んぅ?
あれ…私…ん、ふわぁぁ…あぁ、そっか。
いつの間にか、ここで眠ってたのねオオカミさん…ふかふかしてるから。
ふふあぁ、とっても良い毛並み…って、オオカミさん、起きていたの?
…ごめんね、勝手に撫でたりしちゃって大丈夫、なのね。
ありがとう…じゃあ、そろそろ、起きよっかん…ん?
オオカミさん…?
お腹、空いちゃった?
え、そんな。
お礼だなんて…急にどうしたの?
私は、オオカミさんが倒れていたから…当たり前のことを、しただけよそれに、もうお友達じゃないそんな…恩返しだなんて…うーん…どうしても?
じゃあ… 一緒に、森の中をお散歩しましょ私、村に行く道しか知らないから。
他のところは、ちょっと怖くて…でも、オオカミさんが側にいれば、安心でしょ?
ふふ。
それじゃあ、オオカミさん私のこと、守ってね?
この先を進んでいくと、綺麗な小川が流れてるって、おばあちゃんが言っていたの私は、行ったことがないから。
この目で見たわけじゃないんだけど…水の音が聞こえるの?
本当に?
うーん、私には何も聞こえないわでも、オオカミさんがそう言ってるってことは、本当なのねだって、オオカミさんのお耳は、こんなに大きいでしょそれなら、遠くの音が聞こえていても、不思議じゃないわ…ねえ、オオカミさん。
あとどのくらいで着くか、分かったりする?
そう、あともう少しなのねふふっ…私もオオカミさんみたいに、お耳が大きかったら良いのに。
……え、似合わない?
そうかしら…。
ふわふわしてるお耳なら、可愛いって思わない?
あら、そっちなら似合っているの?
ふふ、ありがとうねぇ、オオカミさん。
この辺りは少し歩きにくいところだから、手を繋いでも良い?
ぁ…オオカミさんの手、とっても大きいのねでも…全然、痛くない優しくて…握っていると、落ち着く…あぁ…とっても、楽しいわね私、森の中を歩く時は、いつも一人だからあのね、おばあちゃんは、いつもベッドの上にいるのお出かけ…できないんだだから、お使いに行くのは、いつも私一人。
…ここには、お友達がいないから。
正直、心細いなって思っていたのでも、今は違うわ隣に、オオカミさんがいてくれるから。
…ありがとう、オオカミさんこんなに楽しいお散歩は、本当に初めて。
……あれ、もしかして、照れているの?
オオカミさん、意外と恥ずかしがり屋なのね…可愛い別に、お世辞じゃないわよ?
私、オオカミさんのこと、ちっとも怖くないもの…うーんと、でも。
可愛い…っていうよりかは、かっこいい、かなただ、私の膝の上にいる時は、かっこいいよりも、可愛いだから…うーん、そうね。
どっちもねオオカミさんは、可愛い時もあるし、かっこいい時もある私は、そう思っているわあ!ダメよ、オオカミさん。
恥ずかしいからって、木に傷を付けたら………これって目印なの?
…あ、そっか。
初めての道だから、迷子になっちゃうことも、あるわよねだから、目印を…。
オオカミさん、すごーい!本当はとっても賢いのね…難しい文字も読めちゃうし…物知りだしオオカミさんって、何でもできちゃいそう!!例えば…そう、木登りとか高い木に登ったら、きっと風が気持ち良いわ……あとは、そうね…。
ここでは思いつかないけど、オオカミさんはすごいから、私が考え付かないようなことも、きっと何でもできちゃうわあーあ、私もオオカミさんみたいに、色んなことができれば良いのに…え、お料理?
確かに、お料理をするのは大好きだけど…オオカミさんにも、きっとできるんじゃない?
あ…そっか。
オオカミさんだから、お料理をしなくても良いのね…でも、味付けを変えることって、大事よ毎日おんなじ味だったら、飽きちゃうもの…オオカミさんは、私の作ったお料理、いつも美味しそうに食べてくれるけど最近、似たような献立も多くて…ちょっと悩んでいるの村で手に入る食材は、そこまで種類が多くないから色々と組み合わせたり、工夫はしているんだけど…オオカミさん、何か良い方法はない?
物知りなオオカミさんだったら何かわかると思うの。
そうしたら、もっと美味しいお料理が作れるはずよ!森の中から食材を…?
ここなら、キノコや木の実もあるし…川には、魚が泳いでる…確かにそうね。
さすがオオカミさん!…でも、キノコは毒を持ってるって、おばあちゃんが前に言っていたわオオカミさん…どうしよう私、キノコなんてどれも同じように見えてしまいそう……オオカミさんが、教えてくれるの?
じゃあ、キノコ狩りに行くのも、良いわね…ふふっ、オオカミさんのおかげで、楽しみが一つ増えたわありがとう、優しいオオカミさんそれにしても、オオカミさんは色んなことを知っているのね。
、もしかして少しは思い出してきたんじゃない?
自分のこと、分かる?
家族や…お友達は?
オオカミさんのお家って、どこにあるの?
あぁ…ごめんなさい。
そういうことは、まだ…分からないのね……でも、寂しいなんて、思わないでねせめて、私が側にいる時は、オオカミさんに笑っていてほしいから……あ、ちょっと待ってこの音…間違いないわオオカミさん、私にも聴こえたの…この近くに、川が流れているのね…きっと、もうすぐよほら、オオカミさん。
早く早く。
…って、あれ?
こんなところにも印をつけたの?
もう、ほらっもっと走らないと、置いて行っちゃうわよーっ、…なーんて手を繋いでいるから、大丈夫っ