Track 5

森の中をお散歩

…ん、すぅ……すぅ……すぅ……すぅ……すぅ……ん……んぅ? あれ…私…ん、ふわぁぁ…あぁ、そっか。 いつの間にか、ここで眠ってたのねオオカミさん…ふかふかしてるから。 ふふあぁ、とっても良い毛並み…って、オオカミさん、起きていたの? …ごめんね、勝手に撫でたりしちゃって大丈夫、なのね。 ありがとう…じゃあ、そろそろ、起きよっかん…ん? オオカミさん…? お腹、空いちゃった? え、そんな。 お礼だなんて…急にどうしたの? 私は、オオカミさんが倒れていたから…当たり前のことを、しただけよそれに、もうお友達じゃないそんな…恩返しだなんて…うーん…どうしても? じゃあ… 一緒に、森の中をお散歩しましょ私、村に行く道しか知らないから。 他のところは、ちょっと怖くて…でも、オオカミさんが側にいれば、安心でしょ? ふふ。 それじゃあ、オオカミさん私のこと、守ってね? この先を進んでいくと、綺麗な小川が流れてるって、おばあちゃんが言っていたの私は、行ったことがないから。 この目で見たわけじゃないんだけど…水の音が聞こえるの? 本当に? うーん、私には何も聞こえないわでも、オオカミさんがそう言ってるってことは、本当なのねだって、オオカミさんのお耳は、こんなに大きいでしょそれなら、遠くの音が聞こえていても、不思議じゃないわ…ねえ、オオカミさん。 あとどのくらいで着くか、分かったりする? そう、あともう少しなのねふふっ…私もオオカミさんみたいに、お耳が大きかったら良いのに。 ……え、似合わない? そうかしら…。 ふわふわしてるお耳なら、可愛いって思わない? あら、そっちなら似合っているの? ふふ、ありがとうねぇ、オオカミさん。 この辺りは少し歩きにくいところだから、手を繋いでも良い? ぁ…オオカミさんの手、とっても大きいのねでも…全然、痛くない優しくて…握っていると、落ち着く…あぁ…とっても、楽しいわね私、森の中を歩く時は、いつも一人だからあのね、おばあちゃんは、いつもベッドの上にいるのお出かけ…できないんだだから、お使いに行くのは、いつも私一人。 …ここには、お友達がいないから。 正直、心細いなって思っていたのでも、今は違うわ隣に、オオカミさんがいてくれるから。 …ありがとう、オオカミさんこんなに楽しいお散歩は、本当に初めて。 ……あれ、もしかして、照れているの? オオカミさん、意外と恥ずかしがり屋なのね…可愛い別に、お世辞じゃないわよ? 私、オオカミさんのこと、ちっとも怖くないもの…うーんと、でも。 可愛い…っていうよりかは、かっこいい、かなただ、私の膝の上にいる時は、かっこいいよりも、可愛いだから…うーん、そうね。 どっちもねオオカミさんは、可愛い時もあるし、かっこいい時もある私は、そう思っているわあ!ダメよ、オオカミさん。 恥ずかしいからって、木に傷を付けたら………これって目印なの? …あ、そっか。 初めての道だから、迷子になっちゃうことも、あるわよねだから、目印を…。 オオカミさん、すごーい!本当はとっても賢いのね…難しい文字も読めちゃうし…物知りだしオオカミさんって、何でもできちゃいそう!!例えば…そう、木登りとか高い木に登ったら、きっと風が気持ち良いわ……あとは、そうね…。 ここでは思いつかないけど、オオカミさんはすごいから、私が考え付かないようなことも、きっと何でもできちゃうわあーあ、私もオオカミさんみたいに、色んなことができれば良いのに…え、お料理? 確かに、お料理をするのは大好きだけど…オオカミさんにも、きっとできるんじゃない? あ…そっか。 オオカミさんだから、お料理をしなくても良いのね…でも、味付けを変えることって、大事よ毎日おんなじ味だったら、飽きちゃうもの…オオカミさんは、私の作ったお料理、いつも美味しそうに食べてくれるけど最近、似たような献立も多くて…ちょっと悩んでいるの村で手に入る食材は、そこまで種類が多くないから色々と組み合わせたり、工夫はしているんだけど…オオカミさん、何か良い方法はない? 物知りなオオカミさんだったら何かわかると思うの。 そうしたら、もっと美味しいお料理が作れるはずよ!森の中から食材を…? ここなら、キノコや木の実もあるし…川には、魚が泳いでる…確かにそうね。 さすがオオカミさん!…でも、キノコは毒を持ってるって、おばあちゃんが前に言っていたわオオカミさん…どうしよう私、キノコなんてどれも同じように見えてしまいそう……オオカミさんが、教えてくれるの? じゃあ、キノコ狩りに行くのも、良いわね…ふふっ、オオカミさんのおかげで、楽しみが一つ増えたわありがとう、優しいオオカミさんそれにしても、オオカミさんは色んなことを知っているのね。 、もしかして少しは思い出してきたんじゃない? 自分のこと、分かる? 家族や…お友達は? オオカミさんのお家って、どこにあるの? あぁ…ごめんなさい。 そういうことは、まだ…分からないのね……でも、寂しいなんて、思わないでねせめて、私が側にいる時は、オオカミさんに笑っていてほしいから……あ、ちょっと待ってこの音…間違いないわオオカミさん、私にも聴こえたの…この近くに、川が流れているのね…きっと、もうすぐよほら、オオカミさん。 早く早く。 …って、あれ? こんなところにも印をつけたの? もう、ほらっもっと走らないと、置いて行っちゃうわよーっ、…なーんて手を繋いでいるから、大丈夫っ