雨よ止めよと柳腰 音無し藪は暮れなずむ 否でも応でも口きかず待つ天津風 静寂に耳傾け土の声を掬い取れば 誰かの悲鳴と似ていた雨の冷たさよ ああ、忘れ物は笑える心なんて笑い飛ばせたら 過去も理屈も消えるかな 夢見のさなかに夢歌う 巫蟲藪の詩 ああ、過ぎた傷を撫でるのはやめよう 濡れた藪に君が佇む 出会いと呼べば物語 小話すらもかけないが 確かに繋いだ手と手たちひとの温もり 君が示す行く先を歩み進むこの時を きらめく土に綴り歌う 巫蟲藪の詩 言祝ぎの詩