Track 5

5.エピローグ『わたくし、お傍にいてもよろしいですか?』

ご主人様……♪  わたくしのこと……いっぱい愛していただけて、ありがとう、ございます……♪  好きです……♪ 大好き……♪  ふふ……♪  ……ご主人様。  わたくしはあくまで、ご主人様のお家に、居候させていただいている身です。  わたくしのパパとママ……、両親がお家に帰ってきたら、そちらに戻らなければなりません。  両親は……とても尊敬しておりますし、大好きです。  前世でわたくしが失ってしまった、家族の愛情を……たくさん、くれますから。  でも……  ご主人様と離れてしまうのは、辛いです。  とっても。  もし、ご主人様さえよろしければ……  今後も、たびたび、ご主人様のお家にお邪魔しても……いいでしょうか?  一度、従兄にお世話になったという実績を作ってしまえば……今後、両親も嫌な顔はしないと思いますので。  ただ……  わたくしも……立場というものを、わきまえているつもりです。  ご主人様にも、事情がございますでしょう。  無理やり居座る気はまったくございません。  いきなり前世などと言い出す、おかしな女がまとわりついてきた、ということで……追い出していただいても、構いません。  いかが、でしょうか……?  ……っ!  あ、ありがとう、ございます……っ♪  えへへ……♪  ご主人様……♪  ん……♪ ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅ……♪  はぁ……♪  ふふ……♪  では、これからもどうぞ、よろしくお願いいたしますね……♪  ……はい? なんでしょうか。ご主人様。  前世でのお話、でございますか?  赤ちゃん……?  あぁ。わたくしとご主人様の赤ちゃん、でございますか。  …………。  ふふ。わたくしたちの間に赤ちゃんがいたかどうか、教えて差し上げてもよいのですが……。  ここは、秘密にしておきましょう。  今のご主人様に、昔のことを押し付けたくはございませんし……。  それに……。  前世だなんだと、申し上げておりますが……  本当は、そんなこと、どうだってよいのです。  大切なのは、今目の前のご主人様が……わたくしを受け入れてくださっている。  それだけです。  こんなに嬉しいことは、ございません……♪  ……愛しています。ご主人様♪