Track2.図書室で打ち合わせ
お、出てきた出てきた。鍵貰えたー?
おっけーおっけー、何するにしてもまずは拠点からってね。
食堂より静かで資料がたくさんあって、それなりに長く居残りできる格好の場所を聞いたら第二図書室って先輩に教えてもらったんだよねー
あー大丈夫大丈夫、とりあえず適当に説明して適当な名前の同好会扱いで確保したから。
それに第二図書室はせんせーも来ない生徒も来ない、だから邪魔も来ない。
ASMRの研究をするなら最高の場所なんじゃね?とりま行こーよ。
へ?アタシが鍵を貰いに行かなかった理由?
いやだってさー、生徒指導のゴリセンいんじゃん。
アタシスカート短いしー、胸元とか開けてるからめっちゃ言ってくるんだよね。
こんなんファッションの自由じゃん。
あ~…視線めっちゃ逸らしてて受けるんだけど♪
今まじまじと見てなかった?
ふふ、スケベ~♪
あ、ほら。ここが第二図書室。
資料室っても言うのかな。入ろ?
うわ、くらー…それに本棚ばっかりで机も一個だけ、本当に資料室って感じかー
とりあえず昨日借りたノートを参考にして使えそうな資料を見繕ってくるからさ。
アンタは座って準備とかしててよ。
えーっと、んーこれは使えそうにないなぁ…あ、雑誌とかあるんだ…って五年前だ。
コレ一応これも…人体の本か。耳の機能とかに使えるかなぁ?
んー…流石にオーディオの本とかはない、か…
おまたせー。
取り合えず適当に持ってきたけど…今日はなに決めんの?
ふーん、キャラの性格かぁ…アンタが考えてるのってどんなの?
アタシ的にはツンデレとか有りだと思うんだよねー
このアニメ雑誌の姫香(ひめか)みたいなのってオタクは好きじゃん?
あー、でも癒し系なら最近やってる幼馴染フレンズの「さーや」とかが良いのかな?
流行りには乗った方が良いだろうし作品的にもあってんじゃね?
…どしたの?
もしかして、アタシにこういう知識があるのが意外だった?
いやー、萌え系はちょっとしか知らないけどねー。
うちさ。兄貴が漫画とかアニメ…あとゲーム全般極めてるオタクなんだー
漫画は全部初版、アニメはDVD持ってるしゲームはアタシがクリアできないやつ
全クリしてるからけっこーバケモンだよー。
ま、そんな訳でさ…遠慮とかしないで専門用語とか使っていーよ。
わかんないトコは聞くから。アンタが考えてるの見してみ?
お、新しいノート?どれどれー…ふーん
とりあえず三つ候補上げるなら、この癒し系幼馴染ってやつ。
それからー…この猫耳とかアタシは好きかな。
あと…あ、コレコレ。わがままな妹。
アタシ妹いないからちょっと憧れたりするんだよね
…因みにだけどさ、最初の作品の方向性はどんな感じなの?
ノート見たけど色々あるらしいじゃん。
癒しとかストーリー系、よくわかんないけどゲーム形式の作品もあるしさ。
そこも大まかに決めといた方がいんじゃね?
ふーん、最初は癒し作品…ね、それなら癒し系幼馴染か猫耳になるのかなー…。
ここはやっぱりさ、流行りに乗っかって癒し系幼馴染にしよーよ。
こっちの方が設定がしっかりしててアタシは良いと思うしね。どーかな?
ん、けってーね。それじゃシチュエーションか…
自宅はありきたりだし、新しい癒しの方向性を探したいってノートにはあったもんなぁ
んー…ちょっと白紙のノート貸して、色々案出してみるから。
…場所とかってさ、制限ある?
ないんだ、おっけー…なら海とか山もありっちゃあり、か
…あーでもシーズン的になぁ、うーん~…
んぅ…
んん…
…あむ。ん?チョコいる?はい。
…苦いでしょ、アタシはビターが好きなんだよねー
ふふ、ミルクチョコもあるから口直しにどーぞ♪
んっ…
んん…
ん、んぅ~!はぁ…ちょっと気分転換。別の資料ないか探してくるねー
んー…お、こんな本あったんだ。今度読んでみよっかな…
あ、この雑誌…アタシが読み逃したやつじゃん。てかなんでこんなに雑誌あんだろ…
この図書室、管理されてないし卒業した先輩が置いてったのかなー
ま、アニメ雑誌とかもあるし?
役に立つからありがたいっちゃありがたい、かなっと
ほい、おまたせー。幼馴染系のヒロインが表紙の雑誌持ってきたよ。
んしょ、むぅ…設定ねー。まさか作品作るのがこんなに大変だとは思わなかったなぁ。
んん…
んっ…
ふぁぁぁ~~…!ふぅ…ん?
あれ…?ちょっと…これは、アリかも…?
…書けた、書けたよ!ほらこれ、読んでみて!
さっきちょっと欠伸しちゃったじゃん?でさ、授業とかでノート書いたり
ページめくるのって眠くなるし、アリじゃないかなって思ったんだよね。
…というわけでアタシが考えたのは、図書館で幼馴染と勉強シチュエーションって感じでどーよ!
…なーんか乗り気じゃない感じ?
実際に癒されるか試さないとわかんないか♪
なにってアタシが協力してあげるってこと♪
わかんないならやってみる、それがいいでしょ?
こうやって…耳元で囁きながらノートをシャーペンで書く…
んん…っ
ん、ぅん
たまに芯を出すためにカチカチってしたりとか、教科書見る為にページをめくる音…とか気持ち良くなーい?
んん…はぁ…
んっ…ぅん
あ…首元、鳥肌立ってる。ふふ、ビクってした。受けるんだけど…♪」
ん?声の出し方とか、吐息がそれっぽい?
あー…まあさ、協力するって言ったから勉強したんだよね。
兄貴も知ってるジャンルだったし、勉強しやすかったのもあるけど
でさ、声我慢してるでしょ?
せっかく実践してるんだからさ、我慢せずにありのままの感想くれないとアタシもやり甲斐ないんだけど?
よし、そんじゃ軽く演技してみるよー、そういうのも大事っしょ。
ん、コホン…。ここの問題はこうするの、数学はちゃんと公式通りに当てはめれば
できるから…そうそう、ふふ。よくできました…なんてね♪
まぁ、本当はさっぱりわかんなかったりするんだけど…アハハ
どーよ?台本とか煮詰めないとだけどさ、良い感じじゃね?
おっけー、それじゃシチュエーションはけってーね!
あ、そーだ。アンタの考えたシチュエーションも見せてよ。
このノートだよね、どれどれ~…
…ッ!?
あ、のさ…なんか、その…よろしくない感じの事が書いてあるんだけど
ふぇ、ふぇら…ち、お…とか。
もしかして、これ…
ア、アダルト作品にするつもりだったんだ…?
ごめん知らなかった…うぅ。
うぁ…こんな事すんの…?えっぐ…うぇ!?
いや、別に!その…なんていうか…
あ!ちょ、ちょっと今日は予定があったんだった!
ごめん、アタシ帰る!その…じゃあね!